絶望のふちで見たのは、わたしにしか見えない故郷・天草の、あの“色”だった……。

「グレースの履歴」(2023年放送)で向田邦子賞やコンテントアジア賞など数々の栄誉に輝いた名匠・源孝志の、プレミアムドラマ第2弾「TRUEトゥルー COLORSカラーズ」の制作が決定しました。自然美豊かな九州・天草と、秋のイタリア・キャンティを舞台に、哀愁と希望の糸でり上げられる、大人のための本格的なヒューマンストーリーです。

【物語のあらすじ】
高校卒業後に天草から上京し、今はファッションフォト業界のトップフォトグラファーとして活躍している立花海咲(倉科カナ)。イタリアのトップデザイナーからも厚い信頼を得て、その地位を確固たるものにしようとしていた。
しかし、海咲にはこのところ少し気になることがあった。それは、視力の低下。もともと軽度な色弱の自覚のあった海咲は、かかりつけの眼科の勧めで大学病院で精密検査を受けるが、そこで思いもよらない疾患を告げられる。
カメラマンとして致命傷となりかねない状況に直面して困憊こんぱいする海咲の元に、上京以来一度も会っていない妹から会いたいという便りが届く。仕事を休むことになった海咲は、18年ぶりに故郷・天草の港に降り立つ。しかし、そこで海咲は、嫌悪感を抱き続けてきた継父・多一郎(渡辺謙)に遭遇し、過去の苦い記憶が蘇る。
二度と戻るまいと決めていた故郷と会いたくないと思っていた男との遭遇に、ますます気持ちの沈んでいく海咲だったが、高校時代の親友・晶太郎(毎熊克哉)との再会をきっかけに折れかけていた気持ちに光が差し始めていく……。

立花たちばなさき役・倉科カナ

【倉科カナさんのコメント】
海咲は故郷に色んなものを置きざりにして、フォトグラファーとして、そして一人の女性として東京で自分を築いて来ました。それが突然、失われ、時には激情し、ぶつかりながらも沢山の方々や自分と少しずつ向き合って行きます。

あるシーンで「たまには立ち止まって、いま自分の立っている場所をしげしげと見つめてみるのも、悪くない」そんなセリフがあります。

たくさん素敵なシーンがある中で私はこのセリフに尽きるなと感じていて、前や上をみて進むだけでなく、時には振り返ったり、足元を見つめてみる。あの頃とまた違った景色が見え、そしてまた新たなステージに立つような。

失った先は喪失だけでなく、何かの芽吹きでもある。

そんな希望のある作品です。

また私の故郷熊本が舞台のこの作品で、海咲を通じて、もしかしたら私自身も立ち返り、向き合う機会になるかもしれないなと感じています。 精一杯、努めさせていただきます。ぜひ、楽しみにしていただけたらうれしいです。


松浦まつうらしょうろう役・毎熊克哉

【毎熊克哉さんのコメント】
海咲の地元の幼なじみ晶太郎を演じます。色覚異常が悪化し十数年ぶりに天草に帰ってきた海咲をサポートしつつ、自らも彼女に影響されて新しい人生を歩み出そうとする役どころ。

僕は色覚を失っていく感覚を知らないですが、自分という個が何色なのかわからない感覚は昔から知っていて、それは黒雲に覆われるような不安な気持ちにさせます。天草の海と空、晶太郎という役に身をゆだねて、定義できないような美しい色に出会いたいです。


辻村つじむら一郎いちろう役・渡辺謙

【渡辺謙さんのコメント】
この度、念願だった源孝志作品に出演する事になりました。以前から機会があれば是非と僕が懇願していました。源氏は自ら脚本と演出を手掛けているからか、見えている世界が非常に明確で、しかも精密です。

様々なキャラクターや設定が絶妙で、大人が楽しめる作品を作っていると思います。

今回は天草が舞台です。素晴らしい自然の中、源氏が描く色濃い人間模様を体感して来ます。


プレミアムドラマ「TRUEトゥルー COLORSカラーズ(全9回)

2025年1月スタート
毎週日曜 NHK BS/BSP4K 午後10:00~10:49
毎週金曜 BSP4K 午後6:10~6:59(再放送)

原作:源孝志『わたしだけのアイリス』
脚本 ・ 演出:源孝志
出演:倉科カナ、毎熊克哉、渡辺謙ほか
制作統括:八巻薫(オッティモ)、樋口俊一(NHK)
プロデューサー:井口喜一、田中誠一、伊藤正昭(ジャンゴフィルム)