どうも、いつの間にかスズ子に年齢を追い抜かれていた朝ドラ見るる(かろうじてのZ世代!)です。

お気づきですか、今週のサブタイトル。「ワテより十も下や」って、これ、年齢を聞かれて「はたちです」と答えた“学生さん”こと、村山愛助さんのことですよね。ということは、そう、スズ子、円熟の(!?)アラサーに突入していたのでした……。

確かに、地方巡業のステージで初お目見えとなった「アイレ可愛や」の歌唱とか、演出はシンプルながら、堂々たる歌いっぷりでしたね〜。いよッ、姉さん!

でも、それも先週の、茨田りつ子さんとの合同コンサートで気持ちを持ち直すことができたから。すばらしかったですよね、「大空の弟」。スズ子の六郎を思う気持ちが伝わってきて、思わず泣いてしまう神回でした……。

そんな合同コンサートのステージを振り返りたい方はこちらをチェック! りつ子姉さんの大人な雰囲気たっぷりのステージにもご注目あれ★

それから、知ってますか? スズ子、CDデビューが決定したそうですよ!
え? レコードじゃなくてCD? はい、そうです!というか、出たんです!
スズ子を演じる趣里ちゃんが歌う劇中歌「東京ブギウギ」や「ラッパと娘」などが収録されているそうです!

さてさて、話を戻して、第11週は「福来スズ子とその楽団」、地方巡業へ行くの巻です。
そんな中、訪れた愛知の会場で、スズ子たちはひとりの学生(愛助)に出会います。スズ子の大ファンだという彼に、亡き弟・六郎の面影を重ねるスズ子……。しかも、東京に戻ってきてからも、彼の熱烈アプローチは続いて……!?(13日水曜現在!)

そんな気になる村山愛助さんを演じている俳優さんは? 愛助さんとスズ子には、ばりばり恋愛フラグが立ってる感じだったけど、スズ子のモデル・笠置シヅ子さんの恋愛事情はどんな感じだったの? 羽鳥先生からもらった新曲「アイレ可愛や」について知りたい! そんなふうに思った、そこのあなた!(ビシッ)

今回も見るる、たくさん調べました。それでは分かりやす〜く解説していきましょう!


▼スズ子最愛の人・村山愛助を演じるのは、新進気鋭のあの俳優!

いや〜〜〜、それにしてもかっこいい。今週の新キャラ・村山愛助さんですよ。なんでも“村山興業”という関西の大興行主のお坊ちゃんで、スズ子の大ファンとのこと。初登場時はテンパりすぎて壁(鴨居?)に頭をぶつけたり、スズ子の付き人・小夜ちゃんから泥棒疑惑をかけられたりと、なかなか災難でしたけど……。結果、自分の“推し(つまりスズ子)”からごはんに誘われるとか、住所を教えてもらうとか、そういうラッキーを考えたらプラマイゼロ、むしろプラスといって過言ではないでしょう!(←見るる目線)

演じているのは、水上みずかみこうさん! 2021年放送の大河ドラマ「青天を衝け」に出演していました。うちの母さんなんかは、「ああ! どこかで見たことあると思ったら、平九郎の俳優さん!」なんて言っていました。

水上さんによると、「ブギウギ」のスタッフには、制作統括を務める福岡利武さんをはじめ、「青天を衝け」のメンバーが多く参加しているそうです。その縁から、水上さんが「ヒロイン・スズ子の最愛の人」に選ばれたんだとか。活躍を認められての抜擢、かっこいいな〜! 期待、大ですよね!

しかし気になるのは、スズ子と愛助さんの恋愛フラグ。前回、洋行帰りの梅丸楽劇団の演出家・松永さんとの恋は、ひとりで舞い上がった末あえなく散ってしまったスズ子ですが、今回はかなり慎重な様子。まあ、年の差もかなりあるしね……。

じゃあ、スズ子のモデルである笠置シヅ子さんの恋愛は、どうだったのでしょうか?

シヅ子さんが、“その人”と出会ったのは、1943(昭和18)年の6月のことでした。10日間の名古屋巡業の際、公演の合間を縫ってシヅ子さんは、お友達の俳優・辰巳柳太郎さんがちょうど近くの劇場で舞台に立っているというので、その楽屋に遊びに行ったのです。楽屋には辰巳さんの女性ファンが大勢詰めかけていましたが、その中にひとりの青年が、人混みにおされて部屋の前で困っていました。

──「どうぞ、遠慮なく」と私は声を掛けて上げようと思いながら、眉目秀麗な貴公子然たるタイプに圧倒されて、ちょっと言葉が出ませんでした。頭は学生のように丸坊主ですが、グレイの背広をシックに着こなした長身の青年で、ジェームス・スチュアートのように端麗な近代感に溢れていました(私のおのろけも、このへんはまだ序の口ですよ)。
(『歌う自画像 私のブギウギ伝記』笠置シヅ子著 より)

シヅ子さん……ベタ惚れじゃん!! ちなみに、ジェームス・スチュアートは、当時のアメリカ映画で活躍していたイケメン俳優さん(191センチの長身だったとか)。いやいや、とはいえ!!(笑)

と、まあそんな感じで一目惚れをしたシヅ子さんですが、この時は特に何もなく。しかし、シヅ子さんが泊まっていた旅館になんとそのジェームス・スチュアートくん(仮)も泊まっていたことで、ふたりは再会。しかしこの時も特に何もなく……。3度目の再会が、ふたりを結びつけるのです。 

名古屋で公演を行っていたシヅ子さん。そこに現れたのが、ジェームス・スチュアートくん……いえ、吉本興業お坊ちゃん・吉本頴右えいすけさんだったのです。頴右さんは、笠置シヅ子の大ファン。興業の名古屋会計主任さんが気を利かせて連れてきたのですが、ここでふたりははじめて言葉を交わすことになるんですね。

ちなみに、もうお気づきの方もいるかもしれませんが、頴右さんのお母さんは、吉本せいさん。吉本興業の創業者であり、2017年度放送の朝ドラ「わろてんか」のヒロイン・北村てんちゃんのモデルになったあの人なんです! こんなところで世界が繋がるなんて……!!

HPの情報によると「ブギウギ」でも、愛助さんのお母さんは出演する予定みたいですから……その辺のことも楽しみですね!!


▼今週のキーソング!? 「アイレ可愛や」

スズ子「『アイレ可愛や』……。アイレって誰ですか?」
羽鳥「南洋の村娘さ。南洋の娘が歌の中で何をしようが、日本の警察には難癖のつけようがない。要するに君は、この歌をどこでも好きに歌えるってわけさ」

地方巡業でスズ子が歌ってたあの曲。めちゃめちゃ可愛かったですね!
「アイレ可愛や(地方巡業ver) フルバージョン」公式動画はこちら♪
(NHK公式YouTubeチャンネル)

好きな小鳥を追いかけて村から村へ行くアイレ……なんだか、歌える場所を求めて、いろいろな土地を転々とするスズ子に重なりますよね。

欧米的な要素がないから弾圧されることはないし、かといって日本的な軍歌でもない。南洋を舞台にした南方歌謡は、政府が南進政策をうちだした1940(昭和15)年頃から急増したとのこと。ヒット曲を歌えなくなったことに対する苦肉の策ではありましたが、めちゃめちゃ世間に受け入れられ、シヅ子さんいわく「銀座前線座(銀座にあった映画館)で発表会を催したほどでした」ということです。

だけど、ちょっと思うのは、当時、南洋の地では日本軍が戦争を行っていたわけで……そう考えると、ちょっと複雑な気持ちになっちゃう、見るるがいます(ごめんなさい、水を差して!)。南洋の村娘アイレちゃんが、ずっと好きな小鳥を追いかけ続けられるような平和な世界を祈りたい。曲を作った服部良一さんも、歌っていた笠置シヅ子さんも、それを熱狂的に支持した当時の多くの人たちも……本当はきっと、そう思っていると、見るるは信じたいです。


▼今週の見るるPick up!【戦争中の“防火演習”ってなに?】

さてさて。今週、見るるが気になったのは、こちらのシーン。

ナレーション「昭和18年6月5日、山本五十六海軍元帥の国葬が行われました。午前10時50分、多くの国民が起立、東方に遥拝しました」
軍人「直れ! では防火演習」

そして始まったバケツリレー。え? 何やってるの? なーんて思ったの、見るるだけですか?

実はこれ、空襲による火災を市民が消すための訓練なんです。
当時は「防空法」という法律がありました。簡単にいうと、空襲や爆撃に対して市民が取るべき避難、消防、監視などの活動を定義した法律。さらに1943年には「応急消火義務」が加わります。空襲などによる火災があったとき、市民は逃げてはいけない、協力して火を消さなくてはならない、というものなのです。

当時は新聞や書籍でも、「爆弾は恐ろしいものではない」「弾が落ちたら2度は落ちぬから、すぐに飛び出して防火にあたれ」と宣伝。それで、いざというときに火を消すためにバケツリレーをして、防火演習をしていたんですね。

いやいやいや、空襲や爆撃の火がバケツリレーなんかで消し止められるの?と、見るるは思うんですけど、どうなんだろう? でも、当時の人は国の言うことを信じるしかなかったんだろうな。無邪気な子どもや、チズさんみたいに“普通”の人がこういう取り組みに参加してたんだって思うと、胸が痛いよ〜……。

バケツリレーでの消火訓練についてはこちらもチェック!
【NHKアーカイブス「バケツリレーで消化の訓練」】


さて、今週の豆知識も、お役に立ちましたか?
スズ子と愛助さんの恋路がとにかく気になる見るるとしては、ストレートな発言が多い小夜ちゃんに、ドキドキ。でも、きっと、最後は応援してくれるよね?

というわけで、今回はここまでにしましょう。それではまた来週!

"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。