先週10日(金)に放送された、スズ子の「ラッパと娘」の初披露シーンは、放送直後から「圧倒的!」とネット騒然でしたね。ちなみに、あのステージでの振り付けには、趣里さん自身によるアイデアも取り入れられているそう。もう一度見たい方はこちらをチェック!
「ラッパと娘」フルバージョン「ブギウギ」公式動画はこちら

改めまして、こんにちは! 朝ドラ見るるです♪
ついに難曲「ラッパと娘」を自分のものにしたスズ子。以来、“スウィングの女王”の名前をほしいままにしているわけですが、確かに、あのパフォーマンスを見たら、納得ですよね……。あ、ここでさっそく豆知識なんですが、実はこのドラマ、劇中のステージ演出に“その道のプロ”がふたりも携わっているって……知ってましたか!?

それが、演出家の荻田浩一さんと、音楽家の甲斐正人さん。ふたりとも宝塚歌劇団の舞台での演出・楽曲制作経験があって、歌劇の世界を中心に活躍されている方なんです。だからこのドラマ、舞台シーンが、めちゃめちゃ見応えあるんですね……。スズ子をスターとして輝かせるためのNHKの本気度をビシバシ感じますね〜〜〜!!

さて、第7週では、順風満帆のスズ子に、ライバル会社から移籍のお誘いが! 一方、秋山も、ダンスのパートナーで、今は恋人でもある中山さんとの関係に、ちょっとモヤモヤの様子。ふたりの人生に、転機が訪れます。(15日水曜現在!)

でも待って。スズ子の会社移籍問題って、どこまで史実通りなの? 今週登場したキャラ強めの作詞家・藤村薫さんが気になる! 弟・六郎の「甲種合格」ってつまり何? そんなふうに思った、そこのあなた!(ビシッ)

今回も、早速お伝えしていきますよ。ブギウギ豆知識、レッツゴ〜!


▼笠置シヅ子・移籍騒動の顛末! 実際にあったスターの取り合い!?

さて、今週最初のトピックは、スズ子が憧れる演出家・松永さんが、スズ子を梅丸のライバル会社・日宝に引き抜こうとするの巻。

いや〜、松永さん。自身が「自分を高く買ってくれるところで仕事をする」のはいいけど、スズ子も共犯にするようなやり口はどうかな〜? しかも、あれだけ思わせぶりな態度をとっていたのに、実際は彼女持ちだなんて! 詐欺じゃん! ……いや、松永さん的には欧米式の挨拶としてキッスを連発していただけだったのかも? スズ子、ドンマイ……。

で、見るるの調べによると、実はスズ子のモデル・笠置シヅ子さんも、20代の頃、所属していた「松竹」からの移籍騒動を起こしていました。当時、松竹のライバル会社だった「東宝」は、驚くほどの高給を提示して、あちこちの会社からスターを引き抜きまくっていたのだそう。

そんな中、笠置さんにも声がかかります。誘ったのは、元松竹楽劇団の演出家・益田貞信さん。あの三井物産の創始者の孫という御曹司で、ジャズピアニストでもあった彼は、方向性の違いから松竹を退団。ひと足先に東宝へ移籍していました。

実は、この益田さんに対して淡い恋心を抱いていたという笠置さん。さらに、身体を悪くして闘病中だった大阪の養母のことも気がかりで……移籍にあたって提示された高給は、やっぱり魅力的でした。それまでもお給料の4分の3を大阪に送っていたそうですし、少しでも仕送り額を増やしたかったんでしょう。思わず、移籍の契約書に判を押してしまったのです。

しか〜し、それを知った松竹側は大激怒。それもそのはず。実は松竹は、看板俳優でイケメン時代劇スターだった林長二郎さん(←事件の後に芸名を“長谷川一夫”と変更)を東宝に引き抜かれてしまっていた後だったんです。

スウィングの女王として売れ始めていた笠置さんまで、失うわけにはいかないと、松竹歌劇部長だった大谷博さんは、自身が所有する葉山の別荘に、笠置さんを軟禁してしまいます。え!? 軟禁ってちょっとやりすぎじゃない!?と思うけど、何がなんでも、笠置さんを渡すわけにはいかなかったんでしょうね……。そんな笠置さんが電話で助けを求めたのが、服部良一先生でした。

「君がいなくなったら、僕も作曲する対象がなくなって楽劇団にいる必要がなくなる。やめる時は一緒にやめるから、僕に任せておき給え」(笠置シヅ子著『笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝記』より)

これ、その時の服部先生の言葉らしいんですけど……か、かっこよ〜!! 音楽がつなぐ絆、ハンパないっす。(あ、ドラマのほうの羽鳥先生は、最初めちゃくちゃ取り乱してましたけどね! あれはあれでかわいいからよし!ですが 笑)

そんなすったもんだの末、結局、笠置さんはその後も松竹で活動することになったのでした。──以上、見るる調べ『笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝記』『笠置シヅ子 その言葉と人生』からのまとめでした♪ こうしてみると、かなり史実に近いんだなってわかりますね〜。


▼天才作詞家・藤村薫御大──演じているのは、世界的演出家のあの人!

そして、今週気になった新キャラにスポットを当てましょう! スズ子の移籍騒動をものともせず、羽鳥さんと“新しい歌”作りに夢中だった藤村さん。天才作詞家ということですが……うーん、またしてもクセが強い!! 

と思ったら、うちの母さん、「あ! この人、違いのわかる、ほら! あの!」ってなぜか大興奮だったんですけど(笑)、みなさん、どなたが演じているか、すぐにわかりましたか?

お名前は、宮本もんさん。なんと、テレビドラマ初出演! 本業は、演出家。国内外で数々の舞台を手がけていて、ミュージカルの本場であるブロードウェイでも、東洋人初の演出家として『太平洋序曲』を上演。アメリカ演劇界で最も権威のあるトニー賞4部門にもノミネートされたという、ものすごい方なんです! うわあ、またしてもやってきました、スズ子を輝かす超絶人材!!

それに、宮本さんのお母様は、実は、松竹歌劇団専属の元ダンサーなのだとか。さらに、宮本さんは、笠置シヅ子さんの大ファンだそう。……な〜るほど、それでこその、あの、鋭い目の輝き……。でも藤村さん、セクハラ発言はダメだぞ!

藤村「『ほほえみは消えて』ときたら、次はどうなんだよ?」
善一「そうだなあ。じゃあ、『溜息ばかり』ってのはどうだい?」

何やら、歌詞の相談をしているふたり。なんだか特徴的な歌詞ですけど、これは一体どんな曲になるんでしょうね? フフフ……こちらの歌の紹介は、ネタバレ的観点から割愛。曲が完成するのを、楽しみに待ちましょう!


▼今週の見るるPick up! 【六郎、行くのか、戦争に──? “甲種合格”って何?】

しかし、お母ちゃんの治らない腰痛……熱々先生も病気かもって言ってたけど、かなり心配。その一方で六郎にも、転機が訪れた様子です。

六郎「それでな、ワイ、甲種合格したんやで。健康で兵隊さんに向いてるて褒められたんやで」

六郎、あんなに連呼して……“甲種合格”って言いたいだけじゃない? なんて微笑ましい気持ちにもなりましたけど、兵隊さんかあ。そっか、今って戦争中だったもんね。
でもこの“甲種合格”って、一体何なんだろう? 甲があるってことは、乙も丙も丁もあるのかな? 疑問に思って見るる、調べてみました。

第二次世界大戦が終わるまで、日本では、20歳になった男性はみんな徴兵検査を受けることを義務付けられていました(←えっ、六郎、いつの間に20歳に……!?)。

検査内容は、身長、体重、病気の有無。1927年に勅令が出された「兵役法施行令」によると、「現役に適する者は身長1.55メートル以上にして身体強健なる者とす」……身長が基準に達していて、病気もなく健康な男子は、“甲種合格”として、徴兵される可能性が高かったんです。ちなみに、身長が足りなかったり病気があったり……そういう人たちは、順に“乙種”〜“戊種”までランク分けされていたそうですよ。(←乙も丙も丁も、ホントにあった!)

でもやっぱりみんな兵隊には入りたくないので、わざと徴兵検査の前にタバコを吸いまくって体重を落としたり、醤油を一気飲みして血圧を上げたりして、なんとか病気に見せかける人も多かったそうなんだけど……六郎は、“甲種合格”。つまり、この先徴兵されてしまう運命……なんですよね。

う〜、ふびんな六郎。お父ちゃんの言うとおり、初めて人に褒められたと思って大喜びしてるけど、今からでも醤油を一気飲みして、やっぱり不合格でしたってことにしてもらって欲しいよ(泣)。


今週の豆知識、お役に立ちましたか?
そういえば触れ損ねたけど、秋山も大丈夫ですかね!? 中山さん、クールで、ダンスも上手でかっこいいと思ってたけど……あの言動、ちょっとモラハラっぽくない? 令和の価値観だからそう思うってだけで、昔の男性ってみんなああいう感じだったのかな? 見るる的には、背中くらい自分でかけやい!と思ってしまいますけど……。

う〜〜ん、明日の放送も待ちきれない!
というわけで、今回はここまで。それじゃ、チャオ!(←2週続けて松永さんオチ!?)

"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。