どうも、朝ドラ見るるです。喪に、服しています……。
週明け早々、恐れていた弟・六郎、戦死の知らせが届きました。お父ちゃんじゃないけど、信じたくない……。そんな中、日本はアメリカ・イギリス軍と戦闘状態へ。ドラマの中の人たちは、「日本が勝つ」って信じてるみたいだけど、その後の歴史を知ってる身からすると、しんどいというか、「当時はこんな感じだったの!?」と正直、驚きます。戦争が始まったのに、なんで「バンザーイ」!? やけくそなの?

そしてスズ子はというと、梅丸楽劇団解散後、自分の楽団を結成して半年以上がたつのに、なかなか公演の機会が持てていません。すると、羽鳥先生、スズ子と、やはり警察の締めつけによって思うように歌うことができていかなかった茨田りつ子さんのために、ふたりの合同音楽会を企画してくれたのでした。(6日水曜現在!)

でも待って。「福来スズ子とその楽団」の気になるメンバーとは? “弟の戦死”はどこまで史実? 「日本が米英と戦争を始める」って具体的にはどんな状況? それに、スズ子のために羽鳥先生が書き下ろしてくれた新曲「大空の弟」って? そんなふうに思った、そこのあなた!(ビシッ)

も〜〜〜〜ほんと、ドラマはしんどいことばっか! だけど、心を強く持って……音楽の力を信じて! 今日も豆知識を紹介していきますよ。ブギウギ豆知識、はじまりはじまり〜!


▼対米英戦争のはじまり──笠置シヅ子さんの弟・八郎さんのその後と当時の戦争状況

笠置シヅ子さんの弟・八郎さんが出征したのは、昭和13年1月。そして戦死したのは、3年後の昭和16年。フランス領インドシナでのことだったそうです。でも、日本の兵隊さんがインドシナで亡くなるって……いったいどういう歴史の流れがあったの? 見るる、調べてみました。

当時日本軍は、長期化していた日中戦争に勝つための打開策として、中国側の支援をしていたアメリカ、イギリス、フランスの進軍ルートを遮断するためにフランス領インドシナへの進出を狙っていました。その後、日本と同盟を結んでいたドイツがフランスを占領。これによって日本は、インドシナ進駐が可能に。昭和15年9月北部フランス領インドシナへ、翌年7月南部フランス領インドシナへ軍隊を派遣したのです。

しかし、それに黙っていなかったのが、アメリカ・イギリス。前々から日本への警戒を強めていたアメリカは、日本に対して石油輸出禁止措置で対抗。日本側はこれを打破するという名目で、軍事行動をおこなったのでした。

なるほど……つまり、ここでの戦闘で八郎さんは命を落としたってことなのかな。日本から遠く離れたところで……というのが、またなおさら、つらいですね。笠置シヅ子さんは、弟さんととても仲が良かったとのこと。大阪松竹歌劇をやめたときの退職金にも手をつけず、弟が帰ってきたあとではじめる商売の元手にしてあげようとお金を貯めていたそうです。そんななかでの戦死告知……。

ラジオニュース「大本営陸海軍部12月8日午前6時発表。帝國陸海軍は、本8日未明、西太平洋においてアメリカイギリス軍と戦闘状態に入れり」

言わずもがな、これって真珠湾攻撃のことですよね? すでに最悪だった日本とアメリカ・イギリスの関係に、決定的な亀裂を入れたのは、日本によるハワイ真珠湾の奇襲でした。この1時間前には、イギリス領だったマレー半島にも日本軍が上陸。さらに多くの人が亡くなる第二次世界大戦が幕を開けたのです……。(当時の戦争状況については、こちらもチェック!)

このラジオ放送をきいたスズ子の「バンザイ!」。あの表情、皆さんはどう思いましたか? 自分から歌を奪っていく戦争、そして実際に弟の命を奪った戦争は憎い。でも、ここで勝たないと、六郎が戦死した意味もなくなってしまう──。そんな逡巡があったのかなあと、見るるは思いました。


▼「大空の弟」は、楽譜が発見されたばかりの幻の曲!?

弟が亡くなったショックで(しかもお父ちゃんは香川の実家に帰るとか言い出してるし!)うまく歌を歌えなくなったスズ子に、羽鳥先生が贈ってくれたのが、今週のタイトルにもなっている新曲「大空の弟」です。

ふむふむ、どんな曲だって? と、さっそく調べ始めた見るるもびっくり。ほかの曲とは違って、YouTubeなどを検索しても、さっぱり音源が見つからないんです。え、まさかドラマのオリジナル?……と、思いきや。実はこの楽曲、楽譜自体が発見されたのが、つい最近の2019年という、幻の曲だったそうなんです!!

笠置さんは、いわゆる「軍歌」は2つしか歌っていなかったそうなのですが、そのうちの1つがこれ。作ったのはもちろん、服部良一さんです。今日の放送を聴いた限りだと、あんまり軍歌っぽくなかったみたいだけど……このあと、披露されるのかな?

正直、スズ子に軍歌を歌ってほしいとは思わないけど、これは聴いてみたい!りつ子さんとの合同コンサート、無事成功しますように!


▼「福来スズ子とその楽団」俳優、音楽への造詣が深い人しかいない説!?

六郎の件と開戦のインパクトでちょっと薄れてしまいましたが、今週はうれしいこともありましたよね。そう、「福来スズ子とその楽団」の正式発足〜!! いやまあ、実際は4月に発足してから12月まで公演を打ててないので……その点はアレですけど……。
でも、ハコがなくても人がいるというのは大きい! 機会さえあればいつでもどこでも歌えるし演奏できるってことだもんね。うんうん、前向きに考えよう。

それではここで、「福来スズ子とその楽団」クールなメンバーを紹介するわよ!
まずはじめにリーダー(なのか?)、トランペットの一井さん〜!

梅丸楽劇団ではバンドマスターをしており、スズ子がいちばんはじめに声をかけた奏者さんでもあります。「ラッパと娘」でもスズ子とのパフォーマンスが息ぴったりでしたもんね♪
▼もう一度見たい方はこちらをチェック▼
「ラッパと娘」オンステージ公式動画はこちら(NHK公式YouTubeチャンネル)

演じているのは、かげやまたいさん。2017年度放送の朝ドラ「ひよっこ」では、ヒロイン・みね子が住んでいた寮の料理人・和夫さん役で出演されてましたよね。そのときはアコーディオンを演奏していたけど、今度はトランペット! なんと陰山さん自身の特技がトランペットだそうで、台本を読むのよりトランペットの練習をする時間の方が長いというから本格的。渋くてかっこいいだけじゃなく、めっちゃ多才な俳優さんなんです……!

次に、ピアノ・アコーディオンの二村さん! 演じているのは、えなりかずきさん!

なんとなんと……陰山さんに続いて、えなりさんもピアノが弾けるんです。2001年には「紅白歌合戦」にも出場しているし、ことし3月まではEテレ「コレナンデ商会」で音楽好きなキャラクター・ブルブルの声優も務めていたから、えなりくんに音楽のイメージを持ってる人も多いかも?? りつ子さんとの合同コンサートでは演奏シーンはあるのかな? 楽しみですね!

そして3人目はギターの三谷さん。演じているのは、国木田かっぱさん。

現在はコントユニットや劇団で活躍している俳優さんなんですが、なんとバンド「PETE ROSE」で歌とバイオリンも担当しているのだとか! 今回はギタリスト役ということで……弦楽器繋がり?(笑) さらに国木田さん、エルヴィスプレスリーの大ファンで、道頓堀でロックカフェバーを経営しているそうです(これぞ豆知識……笑)。

4人目は、ドラムの四条さんです。大柄でよく食べるという設定の彼……バリトンボイスがすてきですよね!?

演じているのは、伊藤えん魔さん。主に舞台を中心に活躍していて、関西小劇場界の怪優と呼ばれているそう。朝ドラには2013年度放送の「ごちそうさん」、2014年度放送の「マッサン」に出演。そしてやっぱり、特技はギター、ベース、ドラムほか、いろんな楽器の演奏なのだそうです!

こうして並べると、ガチで音楽できる人たちじゃないですか……「その楽団」メンバー、すごすぎ……!! 劇中の演奏音源も、彼らが演奏してたりする??してない??これは、期待と願望が膨らみますね~。

そして忘れちゃいけない5人目は、ブッキングや経理を担当する五木さん。

自称“腕利き”マネージャーです。演じているのは、村上新悟さん。「風林火山」「真田丸」「西郷どん」など、多くの大河ドラマに出演している常連俳優さんが朝ドラ初出演! なんというか……めちゃめちゃ色男じゃありません?? かっこいい……。

笠置シヅ子さんも、梅丸解散後は「笠置シヅ子とその楽団」を結成して、そこで歌を歌っていたそう。ということは、この5人+スズ子の活躍がこれからババンと始まるわけですもんね。時代は暗くつらいけど、音楽の力で人々を救っていってほしい!


さて、今週の豆知識も、お役に立ちましたか?
それにしても、お父ちゃん、香川に帰るってマジ!? トラブルメーカーかと思われた小夜ちゃん、めちゃくちゃいいこと言ってたよ。スズ子さんの家族はもう梅吉さんだけなんだから……ふたりで支え合ってほしいなあ……。
ふたりは仲直りできるのか……ドキドキしながら明日を待ちたいと思います。というわけで、今回はここまで。 バイバイ〜!

"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。