祝・東京進出! どうも、朝ドラ見るるです。
先週金曜のスズ子と秋山の卒業公演、胸がいっぱいになりましたね。あの二人がUSKの舞台に立つのは、これが最後と思うとさみしいな〜という方はこちらの動画をチェック!
「桜咲く国」フルバージョンX「ブギウギ」公式動画はこちら

実はこの楽曲は、笠置シヅ子さんが実際に在籍していた大阪松竹少女歌劇団から現在のOSK日本歌劇団まで、大切に歌い継がれている定番曲(をアレンジしたもの)。パラソルを回す動きは、まさにそのオマージュなんだそうですよ。

さて、そんなわけで第6週。東京へやってきた秋山とスズ子は、思っていた以上にスパルタな梅丸楽劇団(略して、U!G!D!)での稽古に、すっかりへとへと。しかし、そんななか芽生える、甘ずっぱい初恋の予感?(8日水曜現在!) 

思い返してみればUSKは女子ばかりだったし……大学で初めて男性の先輩に出会ってドキドキしてる女子校出身の新入生……みたいな感じなのかもしれませんね(←ほんとか?笑)。

でも待って。スズ子のモデルの笠置シヅ子さんも、大阪から東京へ進出したの? ついに登場した草彅剛さん演じる羽鳥善一のモデルってどんな人? スズ子と秋山、それぞれの初恋のお相手(仮)は何者〜?
そんなふうに思った、そこのあなた!(ビシッ)
さあ、今週も元気よく、「ブギウギ」豆知識を皆さんにお届けしちゃうぞ〜!


▼羽鳥善一のモデル・服部良一と今週キーソング「ラッパと娘」

満を持して登場した羽鳥善一。ずばりモデルは、作曲家・服部良一さん(1907-1993)。ちなみに、善一を演じる草彅剛さんは、実は意外にも朝ドラ初出演。これから毎朝、草彅さんの明るくチャーミングな笑顔が見られるのって、かなり元気出そう〜!

さて、じゃあその服部良一さんってどんな人かというと……生まれは大阪、少年時代は負けず嫌いでの頑張り屋さんで、ちょっぴりいたずらっ子だったそうです。音楽や芸事の好きな両親のもとで育ち、小さい頃から人前で歌ったり、ハーモニカを吹いたりするのが好きだったんだとか。

そして15歳の時、道頓堀の鰻屋さんが宣伝のために結成した「出雲屋少年音楽隊」に入隊。陸軍の軍楽隊の出身の先生に西洋音楽を教わることになります。鰻屋さんが音楽隊をもっていて、しかもガチで本業の先生つきって、ちょっと不思議な感じもしますけど(笑)、ここで良一さんは、オーボエ、フルート、ソプラノ・サックスなど、さまざまな楽器に触れます。その傍ら、オーケストラに参加したり、ジャズ喫茶でピアノを弾いたり……着実に、音楽家としての経験を積んでいきます。

上京したのは25歳のとき。レコード会社と契約し、作曲家の活動を始めます。当時の制作スピードは1か月平均6曲。これ、驚異のスピードらしいです。やる気と、音楽への熱量がほとばしっているのを感じますね! それから会社の移籍などを経て、最初に爆発的なヒットになった楽曲が、淡谷のり子さん歌唱の「別れのブルース」というわけです!

その後、1938(昭和13)年に副指揮者の立場で参加した松竹楽劇団(SGD)で、良一さんは笠置シヅ子さんと出会います。「歌姫」としての彼女に魅了され、このコンビでヒット曲をバンバン生み出していくことになるのでした。

で、ドラマにも出てきた楽曲「ラッパと娘」は、笠置さんのために服部さんが書き下ろした、記念すべきコラボ第一作目! 1939年、SGDの舞台「グリーン・シャドウ」の挿入歌でした。なんと言っても新しかったのは、人の声を楽器の一つとして表現する“スキャット”。「ラッパと娘」でいう、「バドジズデジドダー」の部分のことです!
スズ子も、まさに奮闘中! 無事、スキャットを会得して、羽鳥さんが言うように「バドジズ」くることはできるのか!? がんばれスズ子~!

ちなみに、「ブギウギ」の音楽と、主題歌「ハッピー★ブギ」の作詞作曲を担当している方のお名前を、みなさんご存知ですか? そう、作曲家の服部隆之さん。……え? 名字に聞き覚えがあるって? それもそのはず! 服部良一さんの実のお孫さんなんです!

そして、隆之さんのお父さんである服部克久さんも、何を隠そう著名な作曲家! 2004年の朝ドラ「わかば」の音楽を担当しています。いや〜親子2代で朝ドラの音楽担当っていうのもすごいけど、自分のおじいちゃんの若い頃を描いたドラマの音楽を担当って、一体どんな気持ちなんだろう? なんだかダブルにトリプルにカルテットにすごい!


▼東京ラブロマンス! スズ子&秋山の恋のお相手

新しく出会った音楽ジャズ(と善一)に翻ろうされ気味のスズ子ですが……、まあ、お仕事の話はいったん横に置いといて、今週は別の新しい出来事も。というわけで、ふたりがそれぞれ胸をときめかせている人物について振り返ってみましょう。

まず、スズ子の意中の人は、UGD演出家の松永大星さん。なんと、洋行帰りのお金持ち〜! そのせいでときどき英語がまざります(「らんまん」の田邊教授を思い出すよ〜!)。ああいうキャラにスズ子が惹かれるのはちょっと意外だったけど……確かにスズ子の好みのタイプはペリー(総督)だったもんね。松永さんがペリー似かは要審議ですけど! 日本のショービズ界をリードする舞台演出家として、スズ子の才能を信じてくれている感じはします。

演じているのは、新納にいろ慎也さん。NHKでは「真田丸」の豊臣秀次や「鎌倉殿の13人」の阿野全成の役が、記憶に新しいですよね。ふだんは主にミュージカル舞台を中心に活動している俳優さんで、その個性的な存在感から“ミュージカル界の異端児”なんて呼ばれているんだとか。それから神戸出身で、「ブギウギ」への出演が決まった当初は「自分がふだん使っている関西ことばを使って朝ドラに出られる!」と喜んでいたんですって。でも松永さんは関西ことばの役ではなかった……。なんか、可愛いエピソードですよね(笑)。

続いて、秋山の気になるお相手……! UGDのトップダンサー、中山史郎さんです。

ことば少なでクールな雰囲気がかっこいい……! 確かに、ダンスに命かけてる秋山としては、自分より数段上の実力を持った人として尊敬するだろうし、秋山は舞台の上で踊ってる姿も見てるわけだから......そりゃ、惚れるよね(しみじみ)。

中山さんを演じているのは、4人組ダンスパフォーマンスグループ・s**t kingzシットキングスのメンバー、Oguriことぐり基裕さん。はい、注目。「ストッキングス」じゃないですよ、「シットキングス」ですからね!(←そりゃそう)

s**t kingzは、アメリカで開催されたダンスコンテスト「BODY ROCK」で、日本人として初優勝。しかも2010年、2011年と2年連続だったことで世界的に注目されました。つまり、小栗さん、“踊れる俳優”どころじゃない、ほんまもんの、日本が世界に誇るガチダンサーなんです!!!! ……そりゃ、秋山だって……惚れるよね(2回目)。

そんな中山さん、いまはお手本役って感じですけど、このあと秋山と踊るシーンも出てくるのかな? これまでは、“男役ダンサー”としてかっこいいイメージだった秋山ですが、本物の男性の中にまじると見え方が違いますよね。二人のダンスも、恋の行方も、気になる!


▼今週の見るるPick up!【おでん屋台にみる関東・関西の文化の違い】

早くもスズ子と秋山の行きつけになってたおでん屋さん、めちゃめちゃおいしそうでしたね〜! 店主の伝蔵さんも、江戸っ子でちょっと口が悪いけど、すぐスープこぼして火傷しちゃうし、頭ぶつけちゃうしで、なんだか憎めません。ところで……ふたりがはじめて東京のおでんを食べるシーン。東西の文化の違いがギュッと詰まってて、あ〜東京来たな〜!って感じがすごくしました! 

秋山「ウチは大根とこんにゃくと、コロ……(言い直して)クジラ、下さい」
伝蔵「クジラなんかねえよ」

→【カルチャーショックその1:おでんに“クジラ”!?】
見るるは関東生まれ関東育ちなので、クジラがないことよりふつうに注文している秋山のほうにびっくりしたんですけど……! 大阪では、おでんにクジラ、入れるんですか!? で、調べてみたら、この“コロ”とは、クジラの皮脂肪を鯨油で揚げたもののことで、関西では、おでんに欠かせない食材なんだそう。へ〜! ちょっと食べてみたいかも……。

秋山「ほんなら、これで(と、指さして)」
伝蔵「がんもどきな」
→【カルチャーショックその2:「これ」の名は?】

秋山が“これ”と指さした、豆腐を潰して、にんじんやれんこん、ごぼうなんかと混ぜて揚げた練り物。あれのこと、みなさん何と呼んでますか? あれを“がんもどき”と呼んでいるのは、主に関東地方! 関西では“ひろうす(飛龍頭/ひろうず、ひりょうず、とも)”と呼ぶことが多いんだそうです。だから、秋山、ちょっと不思議そうな顔してたんですね〜。納得。

スズ子「(出てきたおでんを見て)うわっ、真っ黒や! えっ、これ食べられんの?」
→【カルチャーショックその3:“真っ黒”なのが関東流!?】

関東と関西のおでんで一番違うのは、なんと言っても、おでんダシの色! 東西でダシをとる食材(こんぶ/かつお)や使うしょうゆの種類(うす口しょうゆ/濃口しょうゆ)が異なっているっていうのは有名な話ですよね。その結果、関西のおでんダシは、関東のものに比べるとかなり薄めの味付けで、色も薄め。一方関東のおでんダシは、味は甘辛くて濃いめ、色も濃いめ。……だからスズ子、びっくりしてたんですね。そりゃ驚きますよね。

こうやって並べてみると面白いな〜! でも、慣れない土地で暮らすのって、やっぱり大変なことだなっていうことも伝わってきます。スズ子と秋山、“せっせっせ“したりしてだいぶ仲良くなってたし……手を取り合って乗り越えていってほしい〜!


というわけで、今週の豆知識も、お役に立ちましたか?
つよぽん(草彅剛さん)、NÎROニイロ(新納慎也さん)、おぐりん(小栗基裕さん)……あなたの推しメン、決まりましたでしょうか!?
ではでは、今回はこの辺で。グッドラック!(←松永さん風に……)

"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。