ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、藤原惟規役の高杉真宙さん、為時役の岸谷五朗さんから!
高杉真宙さんの第39回振り返り
——惟規の突然の死を台本で読んだときの感想は?
事前に調べて、越後赴任が決まった父上(為時)と一緒に向かう旅の途中で病に倒れることは知っていました。高齢の父上を心配した惟規が、仕事を辞めてついていくのだと思っていたら、台本では越後行きの動機が「女性に振られたため」とされていてビックリしました(笑)。
父上や姉上(まひろ/吉高由里子)を残して死ぬのは、家族思いの惟規にとっては非常に心残りだったと思います。僕自身「最終回までもうすぐなのに!」という思いがありました。でも、惟規が詠んだ辞世が、姉上と賢子(南沙良)の仲を修復するきっかけになるなら、それはそれで良かったのかなと感じています。
——印象に残っているシーンは?
姉上と賢子の裳着のシーンです。姉上の裳着のシーン(第2回)は、僕にとって撮影初日だったこともあって、とても印象に残っていて。第39回で賢子の裳着を撮影したときに、「姉上の裳着もこんな感じだったな」とフラッシュバックしました。
父上が賢子に言葉をかけて涙を浮かべるシーンでは、本当は姉上の裳着のときに同じ言葉を贈りたかったのではないかなと感じました。母上(ちやは/国仲涼子)が亡くなってから関係がギクシャクしていた姉上と父上も仲よくなったし、同時に自分も“叔父”になったのだと実感したシーンでした。
——この先のドラマに期待することは?
「ハッピーエンドであってくれ!」という気持ちです。姉上と父上、あと賢子には大変な思い、つらい思いはこれ以上してほしくない。みんなに幸せな未来が待っていることを願っています。
岸谷五朗さんの第39回振り返り
——惟規が亡くなりました。
「ここでか!」と、衝撃でした。元気そうに見えたのに、突然でしたから。視聴者の皆さんも、想像していなかったと思うんですよ。でも、そんな時代だったんでしょうね。たくさんの子どもが、親よりも先に死んでいくことが普通にあって……。
(高杉)真宙は、苦しいことがあっても陰の部分を出さず、陽の人物として惟規を演じてきたんです。まひろが落ち込んでいるときに、明るく「どうしたんだよ?」と言いながら現れる、そんな役回りを担ってきたことを考えると、よけいに悲しくて、やりきれないですね。
惟規が役職をもらって、その“陽”の部分がやっと平安の世に必要とされたばかりなのに……。時代が変わる転機になるかもしれないという期待を、僕は親として密かに心の中で持っていたんです。それが、これからというときに、夢半ばにしてというのは、本当につらいですね……。