ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、藤原伊周役の三浦翔平さん、隆家役の竜星涼さんから!
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三浦翔平さんの第39回振り返り
——クランクアップを迎えての、率直な気持ちは。
現段階では「やり切ったな」と感じています。それと、呪詛が終わってよかったな、と(笑)。
だんだん衰弱していくなか、全てを真っさらにしたら、いちばん大事なのは家族だったな、という気持ちになりました。中関白家はみんな早々に亡くなってしまっているので、やっとそちら側に行ける、という思いもありますし……。父の思想を受け継いだ伊周としては、早死にできて逆に良かったのかな、というのもありますね。
——厳しく育ててきた息子・道雅(福崎那由他)に対しての思いは?
息子を厳しく育て、妻に対しても今の世では考えられないような超亭主関白だった伊周ですが、最後、命の灯火が消える寸前に初めて道雅に笑顔を見せる父、という風に演じました。最後まで厳しく接するか、初めて息子と対等になって何かを託すか、と迷っていたのですが、撮影で道雅の芝居を受けたら、なんだか微笑みたくなって。
それまで道雅は伊周に対して冷たかったんだけど、手を握って最後の言葉をかけたとき、道雅の顔がだんだん歪んできて……。その表情を見たら、自然と微笑んでいたんですよね。
そこには「俺みたいになるなよ」という思いもあるだろうし、「道長(柄本佑)を許すな」という思いもきっとあるだろうし、自分がなれなかった「関白になれよ」もあるだろうし。いろんな意味を込めて最後に託すんですけれど、今後、道雅はどうなっていくのか……。
——史実によると、かなりの荒くれ者になっていくようです。
厳しく育てすぎるのも良くないということですね(笑)。
これから大石さんがどんな物語を描いていくのか楽しみです。まひろ(吉高由里子)と道長の恋模様がどうなっていくのかも。クランクアップして、ようやく伊周の魂を抜くことができたので、これからは俯瞰で見られると思います。
竜星涼さんの第39回振り返り
——伊周の最期を、どのような気持ちで見送りましたか?
第35回の道長襲撃事件の後、兄に対しては「もう変われないだろう」と諦めの気持ちを抱いていました。それでも呪詛にとりつかれた兄を見るのは、いい気持ちではなかったです。でも、あそこまで壊れてしまうと、どんな言葉をかけても伝わらないし、何もしてやれないんですよ。ただ見ているしかなくて……。
兄が衰弱して死を迎える様を見守っているとき、本当に残念ですけれど、少しでも心穏やかに旅立ってほしい、そう願うしかありませんでした。