伝説のギャル・米田歩(仲里依紗)に憧れ、歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)を引き継いで総代表を務める、ルーリーこと真島瑠梨。
ハギャレンの復興を目指す瑠梨は、佐藤珠子(谷藤海咲)、田中鈴音(岡本夏美)、柚木理沙(田村芽実)と共に、歩の妹である結(橋本環奈)を無理やりハギャレンに引き込もうとします。最初は拒絶していた結も、瑠梨のハギャレンに対する真剣な思いを知り、糸島フェスティバルで一緒にパラパラを踊ることに。
そんな瑠梨を演じるのは、モデルとして活動する傍ら、その強気なキャラクターがバラエティー番組でも大人気のみりちゃむさん。本作のキャストで唯一、現役のギャルでもあるみりちゃむさんに、ギャルの魅力やハギャレンメンバーとの撮影秘話を聞きました。
ルーリーは自分のことは後回しにしても、まわりを楽しく支えていく子
――今作が朝ドラ初出演ですが、出演が決まった時はどんなお気持ちでしたか?
オーディションだったんですけど、途中で「私、ギャルすぎて無理かも」って諦めかけていました。ルーリー役に決まったって聞いた時は「えっ? ラッキー」って(笑)。朝ドラって言っても、私自身は「おばあちゃんの家に行ったらテレビで流れてるな」くらいで、あんまり見たことはなかったんです。でも、みんなが知ってる朝ドラに私が出るっていうのは不思議な感覚ではありますね。おじいちゃんおばあちゃんが一番喜んでました。
――演じている瑠梨(ルーリー)はどんな女の子だと思いますか?
ルーリーは、ハギャレンのメンバーといる時は誰よりも楽しんでいるけど、実際には親とかに対して思っていることもいっぱいあって。周りを心配させたくないから、つらいことも黙ってるんですよね。だから、自分のことは後回しにしても、周りを楽しく支えていくような子なんだろうなっていうのはすごい感じています。
――ご自身と重なる部分はありますか?
私も年上の人がいる場所だと甘えちゃうんですけど、この前までモデルとして活動してた雑誌では結構年長組でした。後輩をまとめなきゃと思っていたので、そこは似てるのかなって思いますね。
ぶっちゃけ、役作りはそこまでしてないんですけど(笑)、母親がちょうど平成時代にギャルだったんで、当時の話を聞いたり、パラパラ振付・指導のRumi先生に「平成ギャルと令和ギャルはテンション感が全然違うよ」と教えてもらったりしましたね。令和のギャル語はわかるけど、平成のギャル語はわからないのも多いので、それも教わりました。
ギャルの掟「ダサいことはしない」は、今のギャルにも根付いています
――令和のギャルと平成のギャルって、やっぱり違う部分が多いですか?
そうですね。見た目でいうと、メークやファッションが全然違っています。私はいつもカラコン(カラーコンタクトレンズ)をつけてますけど、ドラマの中ではカラコンはつけないで、つけま(つけまつ毛)だけつけたりしてますね。あとは、眉毛が細かったり、アイシャドーが水色だったり、ラメは使わなかったり、本当に全然違います!
内面の話でいうと、一本芯が通ってるところは一緒なんですけど、昔のギャルって絶対的カリスマがいたんですよね。安室奈美恵さんとか、浜崎あゆみさんとか、みんなが真似するような神様的な存在がいました。でも、今のギャルはそういうのがないんで、そこはすごい違うなって思いますね。だからこそ今は“ギャルマインド”っていう言葉が流行ってるのかなと感じます。
――ドラマの中にも登場しますが、改めて“ギャルマインド”とはどういうマインドのことをいうのでしょうか。ギャルの掟「仲間が呼んだら、すぐ駆けつける」「他人の目は気にしない。自分が好きなことは貫け」「ダサいことだけは死んでもするな」みたいなものは、本当にあるんですか?
ギャルマインドを言葉で説明するのはすごく難しいですけど、やっぱり、一本芯が通ってるとか、上下関係を大事にするとかっていうところなのかな。ギャルの掟の「すぐに駆けつける」はさすがに今はないですけど、「ダサいことはしない」は普通に根付いていると思います。ドラマの中より、全然ユルくはなってますけどね。
――朝ドラの中でギャルを描くのは珍しいことだと思うのですが、現役ギャルとしてはどう思いますか?
知らない人から見ると、ギャルってひとまとめにされがちだし、ヤンキーと区別がつかないってよく言われるんですけど、このドラマではギャルのことをきちんと描いてくれて、私的にはすごいうれしいなと思っています。同じギャルでも一人ひとりは違うから、ハギャレンでいろんなキャラをちゃんと描いてくれるのはすごくありがたいなって。
――米田佳代役の宮崎美子さんも、ギャルたちとの撮影が本当に楽しいとおっしゃっていました。
そうなんです! この前、私たちのパラパラシーンの撮影があったんですけど、宮崎さんの(現場への)入り時間は全然後だったのに、パラパラが見たいからって、時間を早めて見にきてくれて。宮崎さん、本当に大好き! パラパラってどうやって踊るんだっけ?って覚えようとしてくれたり、ギャルのことを楽しいと思ってくれてるのがすごくうれしいなって思いますね。
だから、ドラマを見ている方にも、そういう楽しさを感じてもらえたらうれしいです。本当にみんな、人生で一回はギャルを通った方がいいですよ。ギャルは見た目じゃなくて、マインドなんで!
撮影開始前から練習していたので、糸島フェスティバルのパラパラには注目してください!
――撮影で印象に残っているシーンはありますか?
ルーリーが家庭環境のせいで補導されちゃうみたいなシーンで、ハギャレンのみんなが心配して探し回ってくれて。結ちゃんも交番に迎えにきてくれて。そんなこと、普通の子はしないじゃないですか! ハギャレンのそういう仲間意識がすごくいいなーって思うんですよね。
――パラパラを踊るシーンもありますが、かなり練習されたんですか?
クランクインする数か月前から、パラパラの練習だけ先に始まったんです。撮影にインする前に、そっちでインしてるみたいな感じで。パラパラ、難しくて訳わかんないっすよね(笑)。前に何回かはやったことあったんですけど、ちゃんとしたパラパラって初めてでした。姿勢もビシッとしてるから、練習の翌日はいつも筋肉痛でしたよ。パラパラ舐めてたなって思いましたもん。奥が深い!
――ハギャレンのメンバーとはパラパラ練習からご一緒だったんですね。3人ともふだんはギャルではないと思うんですが、みりちゃむさんから見て3人のギャルぶりはどうですか?
テンション感はもうギャルになってきてるなって思いますね。逆に、みんながテンション感を上げつつも、自分のキャラクターをちゃんと守って演じてるのが、演技経験がほぼほぼない私からしたらすごいなと。パラパラ練習の段階からすごく楽しくて、わちゃわちゃしてたんで、みんなはそういう私を見てギャルが掴めたって言ってくれてますね。
――3人にギャルについてアドバイスしたりということはあったのでしょうか?
それ、実際に3人にも聞かれたんです。でも、私はこれが普通だと思ってるから、何がギャルっぽいのか全然わからなくて。うまく答えられなかったんですけど、なんか一緒に過ごしてるうちに感じ取ってくれたみたいで、ありがたいです。監督にもハギャレンはテンション高くって言われてるんで、毎回喉が潰れそうで(笑)。みんなとも「ハギャレンのシーン、カロリー消費高いよね」って言ってます。
――結もだんだんハギャレンメンバーに影響されて、ギャルマインドを理解していきます。結役の橋本環奈さんと共演された印象はいかがですか?
カンちゃん(橋本環奈)は本当にタフで、「なんで、あんなにあの子元気なの!?」っていうぐらい。もうエネルギーの塊っていう感じです。しかも、すごくラフな方なんで、私の方が年下なのに、全然タメ口でいいよって言ってくれたり、本当にいい人だなって。でも、本当に主演がカンちゃんでよかったです。カンちゃんだからこそ、このハギャレンの楽しい雰囲気も出せたんだろうなってすごく思うので。あと、ギャルメイクも超似合う!
――ハギャレンは今後どうなって行くのでしょうか。この先のハギャレンの見どころを教えてください。
ハギャレンの見どころでいうと、やっぱり糸島フェスですね。フェスでパラパラを踊るシーンは撮影が始まってすぐに撮ったんですけど、まだ寒い時期だったし、天気も悪くてすごく大変だったんです。でも、それも忘れるくらい楽しかったですね。あの撮影があったおかげで、みんなともすごく仲よくなれました。フェス本番のギャルメイクはかなりすごいので、そこは楽しみにしていてほしいです。
あとは、ルーリーもそうですけど、ギャルそれぞれに楽しいだけじゃないストーリーがあって、そこに注目してもらえると、より一層面白いのかなと思いますね。ギャルってうるさいだけじゃないんだよって、みんなにギャルのことをもっと好きになってもらえたらうれしいです。
みりちゃむ
2002年7月10日生まれ。埼玉県出身。'18年6月より、雑誌『egg』の専属モデルとして活動。「東京ガールズコレクション」などに出演を果たす一方、その強気なキャラクターでバラエティー番組などでも人気を博し、活躍の幅を広げる。'24年4月に『egg』専属モデルの卒業を発表。NHKの出演番組としては、「阿佐ヶ谷アパートメント」など。本格的な連続ドラマの出演は今作が初となる。