ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、猪爪直明役・三山凌輝さんから!


――直明が、初めてとも(伊藤沙莉)に苦言を呈するシーンがありましたが、演じてみていかがでしたか?

お姉ちゃん(寅子)は家族に向き合っているつもりでいたけど、実はすれ違っていたことがわかって、直明と2人きりで話す……という流れなんですが、脚本を読んだ段階で、これは重要なシーンだと感じました。直明の思いを届けて、お姉ちゃんの今後の生き方、考え方に響かせないといけないので。

ずっとお姉ちゃんのことを全肯定していた直明が、初めて“物申す”場面でもありましたし、直明がずっと語り続けるというのもあって、撮影では神経を使いました。カメラは長回しで、セリフも長くて……。でも、あのときの場の雰囲気は、本当に本番だけで出た生の空気感だったと思います。

――手ごたえはありましたか?

実は撮影の日、所属事務所の人をはじめ、いろんな人がスタジオに見学に来てくれていたんです。本番前、たくさんの人がモニターを凝視しているから、正直「やめてくれよ~」という気持ちでした(笑)。

でも、本番が終わったとき、監督が「すごくいいシーンだった」って言ってくださったんです。日頃から芝居のダメ出しが厳しい事務所の方にも今までなかったぐらい本気で褒めてもらえて。そんなふうに言われたことがなかったので、すごく嬉しかったですね。あのシーンは未だに、僕の中に鮮明に残っています。