どうも! 朝ドラ見るるです。いや〜〜……なんだか、香川編ではしんどめのシーンが続きましたね。でも、あの里帰りはスズ子に大きな変化と成長をもたらしたはず。表情も、楽しい休暇を過ごしてきた同期たちよりちょっとオトナに見えたりして……。

なんて思っていたら、大和先輩が、元学団員の股野さんと結婚してる〜〜〜〜!?!?!? 桃色争議が起きてから3年……そりゃ、退団した面々にも変化は起きますよね。“大和×橘”推しだった見るる的には残念だけど、でもとりあえずは幸せそうな大和先輩が見られてよかった(しみじみ)。股野さん、ぜ〜〜〜ったい、大和先輩を一生大切にしてよね!!

……って、あれ? そういえば橘先輩は? 一体どうしてるの!? 求む、橘先輩情報!(←誰に言っているんだ)

さて、そんなこんなの第5週。香川で自分の出生のヒミツを知り、産みの母親と対面したスズ子。3年が経ち、今や、スズ子の歌と秋山の踊りがUSKの二本柱といわれるほどに成長するも、やや伸び悩み中(1日水曜現在!)。そこへ現れたのが東京梅丸の視察団……。これがどうスズ子の今後にからむのか!? 今からワクワクしちゃう。

でも、スズ子……というかモデルの笠置シヅ子さんにも、ドラマのような複雑な出生の事情があったの? 実母・キヌさんを演じているのは? 今週登場した当時のいろいろな曲について知りたい!
そんなふうに思った、そこのあなた!(ビシッ)
今週もお待ちかねの「ブギウギ」豆知識、スタートしていく〜!


▼シヅ子の実母・キヌ役の中越典子さんと、ヒロイン・趣里さんのおどろきの“縁”!!

えーっと、まずは、スズ子の複雑な出生の事情をおさらいしておきましょう!
スズ子の実の両親は、「はな湯」のツヤさんと梅吉さんではなく、父親はツヤさんの実家がやってる手袋工場のお得意さんで、村の顔役である“白壁の家”(おばあちゃんの幼なじみ・治郎丸さんの家)の一人息子・菊三郎さん、そして、お母さんはその家の女中だったキヌさん。もともと病弱だった菊三郎さんはすでに亡くなっていて、今回、スズ子たちが参加した法事が、まさに、その菊三郎さんの法事(17回忌)だった、というわけ。

一方のキヌさんは、今は別の人と結婚して、2人の男の子のお母さん。でも、当時は、跡取り息子と女中という身分違いの恋の果て、大きなお腹を抱えたまま、白壁の家からも実家からも追い出されて途方に暮れるしかなかった。

そんなキヌさんに助け舟を出したのが、たまたま自分も出産のために帰省していたツヤさん。「うちで産めばいい」「その子は私が育てる。一人も二人も一緒だから」と言って、自分の子ども(スズ子には3歳で亡くなった双子の兄・武一だと説明していた)とともに、大阪へ連れて帰った。「年に一度の帰省で会わせるから」と約束して。

ところが、ツヤさんはスズ子かわいさから、だんだんそうしたくなくなってしまった(と思われる)。そうこうするうちに、スズ子はUSKでデビュー。実のおじいちゃんにあたる白壁の治郎丸さんは、歳をとったこともあって(だって当時は追い出しておいて!)、実の孫であるスズ子にどうしても会いたくなって、このたび無理をいって呼び寄せた……と。

まあ、こういうことですね。

これまで、両親の愛情をいっぱいに受けてまっすぐ大人になったスズ子にとって、大好きな家族と自分に、実は血のつながりがなかったという事実は、まさに青天の霹靂。ショックすぎだ〜〜。そりゃあ、思わず川にだって入っちゃいますよ。そんで空を見上げちゃいますよ! それでもツヤさんの気持ちを汲んで、事実を知ってしまったことを黙っていようと決意したスズ子、えらいぞ!

そんな中、見るるは個人的に、キヌさんのこのセリフが刺さりましたね。

キヌ「(立ち去ろうとするスズ子に、菊三郎さんの形見の懐中時計を握らせながら)ウチ、アホやからこんなことぐらいしか考えられんけん…。あんたがどれだけ驚いて傷ついたんか、よう考えもせずベラベラ話して…堪忍な」

実の娘であるスズ子への愛しさと、いまさら母親ヅラをすることへの罪悪感と……何もしてやれないけどダメな母親だけどせめてこれだけは、みたいな実母としての意地みたいなものも感じたし。え、演技が上手すぎる……。

キヌさんを演じているのは、俳優の中越典子さん。実は彼女、元朝ドラヒロインなんですよ。
2003年放送の「こころ」で、血のつながらない2人の子どもを育てながら浅草の老舗うなぎ屋の若女将として奮闘するヒロイン・こころを演じた中越さん。なんとびっくりすることに、このときヒロインの母親役だったのが、元キャンディーズで俳優の伊藤蘭さん……スズ子演じる趣里さんの、実のお母様なんです!!

つまり、かつては伊藤蘭さんと親子(娘役)として共演し、今度は、その伊藤蘭さんの実の娘さんである趣里さんと親子(母親役)として共演している、と。20年越しの、すごい巡り合わせですよね!


▼“ほんまの家族”って何だろう? スズ子の2人の母親

さて、ここからは、スズ子のモデルである笠置シヅ子さんのお話。実は、彼女の出生も複雑でした。
シヅ子さんの生まれは、香川県大川郡の相生村(現・東かがわ市)。村で「白塀さん」と呼ばれていた裕福な農家のおうちの跡取り息子と、まだ18〜19歳だった女中さんの間にできた子どもが、シヅ子さんだったのでした。

お乳の出が悪かった実母の代わりに、シヅ子さんに添い乳をしてくれたのが、のちのシヅ子さんの“お母ちゃん”──自身の出産のタイミングで里帰りをしていた亀井うめさん。

うめさんがシヅ子さんを養子にしたのは、シヅ子さんの境遇に同情したからなのか、単純に子どもが好きだったからなのか。シヅ子さん自身も「養母の気持は今もってわかりません」と語っています。(『笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝記』より)

ちなみに、シヅ子さんが事実を知るのは、やはり「白塀さん」の跡取り息子……つまり、シヅ子さんの実のお父さんの17回忌に出席したとき。その辺の経緯は、大体ドラマと同じみたいです。シヅ子さんが実のお母さんにもらったのは、「金色の置き時計」だったそうですよ。

で、ドラマの話に戻りますけど、キヌさんの家から戻ってきたスズ子を抱きしめてくれたのが、血はつながってないけど“ほんま”の弟、六郎です。

この六郎がね。良いんですよ(←急に?)。
確かにちょっとアホなんですけど(!?)、好きなものに一直線。家族への愛も深い。それに、あの香川の親戚たちに久しぶりに会った時の絶妙な思春期感、たまらなくないですか!? かわいすぎるって!! こんな弟、ほしかった〜!!

演じているのは、黒崎こうだいくんという俳優さん。現在所属している事務所が実施したスター育成オーディション(レプロエンタテインメント30周年企画「主役オーディション」)で約5,000人の応募者から選ばれたうえ、六郎役は300人から射止めたという、すごすぎる経歴の持ち主です。テレビドラマデビューは「ブギウギ」が初! みなさん、黒崎くんの古参ファンになるなら今ですよ!?

六郎「もう行ってええか? 家のカメに新しいカメ、はよう会わしたいねん」

香川からもらって帰ってきたカメを、自宅のカメ水槽に放す六郎。
なんか、キヌさんからスズ子をもらってきたツヤさんも、きっとこんなふうに、赤ちゃんのことがいとしくてたまらなくて、「家にいる梅吉さんにはよう会わしたい」って思ってたんじゃないかって想像しちゃう……。これはさすがに、深読みすぎるかな?


▼今週の見るるPick up! 【昭和の名曲、目白押し!?】

それにしても今週の放送には、たくさん音楽が出てきましたね!
休暇明けのスズ子が、USKのお稽古部屋を掃除しながら歌っていたのは「アラビヤの唄」。昭和初期に日本でヒットした、和製ジャズソングです。元はアメリカの映画の主題歌だったらしいんだけど、元の音楽に日本語訳の歌詞をつけたものを、NHK東京放送局が放送! 大きな反響を呼んだのだとか。

さらに、スズ子がUSKの舞台でソロ歌唱することになったあの曲!
そう、「恋のステップ」〜!!
「恋のステップ」フルバージョン X「ブギウギ」公式動画はこちら

この演目は、笠置シヅ子さんが実際に大阪松竹少女歌劇団(←“松竹楽劇部”から改名!)の公演「カイエ・ダムール」の主題歌として歌い、レコードデビューも果たした楽曲「恋のステップ」です! あれ? 考えてみたら、こんなに本格的に趣里さんがソロで歌ってるのを見るのは、このシーンが初めてじゃない!? 秋山のタップダンスも見応えあった〜!

そして、香川の法事でスズ子が踊りながら歌ったのは、「金毘羅こんぴら船々ふねふね」。お座敷遊びの歌として有名ですが、もとは香川県の民謡だそう。
日本軍の勝利を祝うようにラジオから流れていたのは、「露営の歌」。2020年放送の朝ドラ「エール」で主人公のモデルになった古関裕而が作曲した軍歌です。

でも、なんといっても今週のキーソングは「別れのブルース」でしょう。ドラマの中で歌っているのは、いばらりつ子。作曲は、羽鳥善一。今後のスズ子に大きく関わる2人なんですけど……詳細は、ネタバレ的観点からまだ割愛!

で、実際の「別れのブルース」は茨田りつ子のモデルである淡谷のり子さんという歌手の代表曲。ドラマと同じく昭和12(1937)年に大ヒットし、日本のお茶の間に“ブルース”という音楽ジャンル(というか言葉)を知らしめた画期的な一曲です。淡谷さんは歌手としてもすごい人!……らしいんですけど、おばあちゃんになってからは某ものまね番組に審査員として出演してたから、そっちで知ってる人も多いかもですね。

なーんて知ったかぶってごめんなさい。Z世代の見るるは、その淡谷さんのモノマネをするコロッケさんを、かろうじて知ってるだけなんですけどね(汗)!

スズ子「声なんか歌い方なんかよう分からんけど……なんでかビリビリきた……」

この出会いが、のちに何を引き起こすのか。のちに歌で生きていくことになるスズ子の、運命やいかに!?


今週の豆知識も、お役に立ちましたか?
いよいよ明日はスズ子、東京デビューへの道をつかむのか!? 新キャラもたくさんいるみたいだし、あの外国語混じりのキザなイケメン演出家・松永さん……なんだか、重要そうなキャラでしたよね。どうストーリーに絡んでくるのか、楽しみ! というわけで、今回はこの辺で。またね〜!

"朝ドラ"を見るのが日課の覆面ライター、朝ドラ見る子の妹にして、ただいまライター修行中! 20代、いわゆるZ世代。若干(かなり!)オタク気質なところあり。
両親(60&70代・シニア夫婦)と姉(30代・本職ライター)と一緒に、朝ドラを見た感想を話し合うのが好き。