宮沢賢治が生まれたまち、岩手県花巻市。
この地ならではの取り組みに「全国高校生童話大賞」があります。「全国高校生童話大賞実行委員会」(構成団体:富士大学、花巻市、花巻市教育委員会)が人生の中でも最も多感で豊かな創造力をもつ高校生を対象に、“童話”という自由な表現の場を提供することを目的に実施しています。

2001年からスタートした全国高校生童話大賞」は、今年で21回目。これまでに約2万2千編を超える作品の応募がありました。なんと1年間で約1千編もの若い感性あふれる童話作品が生まれているのです。

その「第21回全国高校生童話大賞」の表彰式が、12月10日(土)花巻市で開催。優秀賞等を受賞した高校生とその家族が招待され、主催者や来賓が出席するなかで華やかに行われました。

実行委員長から今回の応募作に対する講評では、
「今年も全国の高校生から多くの応募をいただいた。コロナ禍の高校生活を強いられているが、『夢』を持って生きること大切さを伝える内容の作品に勇気づけられた。多くのみなさんにも作品を読んでいただきたい」

また、選考委員から、
「“童話って何だろう”という観点で選考にあたった。それぞれの作品でこうすればと思うところもあったので、それをふまえて来年また応募してほしい」

来賓を代表して花巻市長からは、
「銀賞4作品はどれが金賞になっても良い作品だと感じた。心を豊かにする作品をありがとう」とお祝いのことばがありました。

そして受賞者からは謝辞とともに、
「ギリギリまで応募をするのを迷っていたが、後悔しないようにと思い応募した。賞をいただいて感動している」
「選択科目の児童文学の夏休みの宿題で創作した。楽しんで書いたので(読む人にも)楽しんでもらいたい」
「書きたい気持ちはあるものの書けない時期に悩んだが、逆に書けない気持ちのことを書いてみようとふっ切れた思いで書いた。これからも楽しんでもらえる作品を書いていきたい」
「今回の作品は自分の日常の中から発想したものを作品にふくらませて書いた」
「本校は選択科目で児童文学について学んでいて毎年このコンクールに応募している。こうして花巻に来てみて賢治の作品風景をこの身に感じた」

といった喜びのことばが――。

最後に、銀賞作品の中から『おはなしや』を岩手県立花巻北高校放送部による作品朗読があり、感動の余韻に浸りながら閉会となりました。

2023年は宮沢賢治の没後90年の年にあたります。
高校生の初々しく魅力あふれる優れた作品を読んでいただくとともに宮沢賢治の心象風景が残るイーハトーヴの地を訪れてみてください。
「ほんとうの幸」を探しに。

「第21回 全国高校生童話大賞」
募集期間:2022年6月1日(水)~9月9日(金)
主催:全国高校生童話大賞実行委員会(富士大学・花巻市・花巻市教育委員会)
後援:(社)全国高等学校文化連盟、岩手県教育委員会、NHK盛岡放送局、(一財)NHKサービスセンター、林風舎、岩手県内マスコミ など

<受賞作品>
金賞(大賞):該当者なし

銀賞(優秀賞):
熊倉友音(東京都 かえつ有明高校2年)『歳月を紡ぐ鳥』
深澤未知佳(神奈川県 日本女子大学附属高校3年)『ニセモノ』
樋田 優(長野県 佐久長聖高校2年)『おはなしや』
空井 慧(愛知県 県立時習館高校2年)『花の夢』
*リンクをクリックすると作品をお読みいただくことができます。

銅賞8作品、ノミネート記念21作品
学校賞:日本女子大学附属高校

 (取材・文 NHKサービスセンター 阿部幸司)