前回(5/26,27放送)に引き続き「ひとりっ子&きょうだいの子育て」をテーマに繰り広げられた、6/23,24放送の「みんなの子育て☆深夜便」
前回のコラムでは、4人の母だからこそ“ひとりっこパパママがいちばん大変だと思うわけ”をつづってみましたが、今回は「きょうだい」という視点からお届けしたいと思います。

さて、今わたしは4人の子どものお母さんですが、わたし自身は3歳下の弟と2人きょうだいでした。なかよくあそんだ記憶もあるけれど、それ以上に日々激しくケンカをした光景がよみがえってくるのは、2人きょうだいって感情の矛先がおたがいにしか向かないからでしょうか。

でも当時、近所に年齢も学校もさまざまな子どもたちがたくさんいて、放課後や休日なんかはみんなで近くの公園で野球やサッカー、秘密基地を作ったりと、よく大人数で遊んでいました。そうすると必然的にいろんな子が集まった“小さな社会”でもまれて、そりゃあ打たれ強くもなる! 

とくにわたし以外はほぼ男の子だったこともあって、みるみる気が強くなり、、、あの頃の経験が、今の“ずぶといわたし”をつくり上げたのかもしれません(笑)。

それから、きょうだい間にも良き変化がありました。集団行動していると、ふと家では見られない弟の顔が見られたりするんです。「へぇ、意外といいとこあるじゃん!」と見直すきっかけが生まれたり、ふだんケンカばかりしてるくせに大人数の中だと「弟はわたしが守ってあげなきゃ」というきもちが芽生えて絆が深まったり。

それは30年以上も前の、浜松の片田舎だからこそ起こったことだと思っていたのが、なんと時を経て今、わが子たちにも同じような環境が広がり始めました。

第一子妊娠をきっかけに世田谷区用賀に移り住んで早15年。とくに知り合いも居なくて、なにかあったとき頼れるのは遠く離れたおたがいの両親だけ…。そんな生活が、去年たまたま「チーム用賀」というFacebookグループに出会ったことをきっかけに一転したのでした。

彼らは長年用賀を盛り上げる活動をしていて、その思想がフィットしてわたしからも積極的にいろんなことに関わるようになった結果、徒歩もしくは自転車圏内に子育て仲間が急増したのです。

今では週末は一緒に夕飯を食べ、休日は一緒に公園に出かけ、長期休暇には新潟県や島根県などだいぶ足を伸ばして旅をするまでになり、夏休みも7家族ほどでキャンプをする予定です。

そんなふうに頻繁に会うようになると、年齢も学校もちがう子どもたちがこれまた自然ときょうだいのような関係になって、わが家の中学生たちはまだちいさな小学生や4歳児たちに大人気! 

なかにはひとりっこの子もいるけれど、大人数の中でもまれて楽しそうにはしゃぎ回る姿を見ると、本来こうやって地域のみんながきょうだいになればいいんだよなぁと自分の幼少期と重なるのでした。

今回の放送で一番心に残ったのは、「上の子、下の子、ひとりっこという尺度で子どもを見るのではなく、その子自身をじっくりと見ることが大切だ」というゲスト出演されていた保育施設代表・柴田愛子さんのお言葉。

たしかに、きょうだい環境は子どもが選んだわけではなく、たまたまそうなっただけのことです。だから、番組に多く寄せられた「ひとりっこで不安」というのは、もしかしたら大人の先入観が邪魔をして不安を呼び込んでいるだけなのかもしれません。

向き合うべきは“個”、そして周りをどんどん巻き込めばいい。地域のつながりを手がかりに、「みんなの子育て」がどんどん広がっていくといいなぁと思います。

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モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(15歳、13歳、10歳、5歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。