「育てにくさを感じるとき」をテーマに繰り広げられた11月の「みんなの子育て☆深夜便」。保育施設代表・柴田愛子さんをゲストにお迎えして、リスナーから寄せられた悩み・相談について考えました。

子育てをしていると、とにかく予想外のことばかり起きるし、なぜにこんなにも思い通りにいかないのかと日々落ち込みますよね…。

「SOSの声は山ほど届きますよー」という柴田さんの言葉からも伺えるように、自分だけじゃなく、きっと多くの親たちがその局面にさらされているのだと思います。それなのに、いざ壁にぶつかると「わたしの子育てはまちがってるんじゃないか」と自分を責めがち。

これに対して柴田さんもはっきりと断言していましたが「絶対に親のせいではない」のだそうです。そもそも大人の言う通りにはならないのが子ども。そうやって認識を変えると、日々ハプニングが起こるのも無理はないと思えてきます。

ちなみに、寄せられたお悩みで数が多いと感じられたのが、癇癪持ち。感覚が過敏で、ちょっとでも違和感があると泣く、叫ぶ、殴る、蹴る…。なかには、わが子ができるだけ癇癪を起こさないように日々気を配って暮らしているけれど、自分の方がそんな毎日に耐えられず、もう逃げ出してしまいたいという切羽詰まったメッセージもあり、なんとも言えない気持ちに。

ここ数年でぐんと耳にすることが増えた発達障害に関するお悩みも多く寄せられました。誰だって個性は持ち合わせているのに、「普通」という枠に収まるか収まらないかでレッテルを貼られてしまう。そもそも普通ってなに?と戸惑いの声も多々。

番組の中では、実際に自閉症スペクトラムのお子さんをお持ちのママと電話をつないで、診断を受けてから今に至るまでをお話ししていただく時間もありました。当時はだれにも相談ができず、家にこもる日々だったそう。それがたまたま出会った保健師さんに話を聞いてもらったことをきっかけに、療育に通うなど、自分自身に横のつながりが生まれたことで状況が変わっていったそうです。

「苦しい思いは一人で抱え込まず、外に発信していいんだよってことを伝えたいです」

リスナーに向けての彼女の一言を聞いて、長女を出産した後、右も左も分からない子育てにさいなまれて徐々に育児ノイローゼになっていった過去の自分を思い出しました。

当時わたしが病んでしまったのも、周りに頼れる仲間が居なかったから。誰にも相談できず、とにかく不安でいっぱいだった。そんなわたしが救われたのも、実は「発信」だったんです。

友人のすすめで子育てブログを書き始めたことで同じような悩みを抱えるママたちとつながって「育児で悩んでるのって自分だけじゃないんだ」と思えたとき、どれほど安堵したことか。やっぱり子育てにおいて、本音が言えるママ友や戦友みたいな存在って本当に大切なのだと思います。

「他人に迷惑をかけちゃいけないっていう時代が長く続いてきたけれど、迷惑をかけてもいい関係性が大事よね」という柴田さんの言葉にも大いに共感。

上2人がまだ幼かった15年ほど前、保育園以外に子どもを預けるとしたら、友人には迷惑かけられないし…と夫の実家一択でした。後部座席に小さなわが子を乗せて、慣れない運転で首都高走らせ片道1時間強。「預けるってこんなに過酷なのかー!」と毎回疲弊していました。

それが、今では徒歩圏内で解決。地域のNPO活動を通じて出会った近所のなかよし家族たちと「今日、子どもを預かってほしいんですけど」というやり取りもしょっちゅうです。思い返してみると、意外と他人に気を遣って生きてきたわたしですが(笑)みんなで支え合って、みんなで育てる方が絶対に楽しい! 子育て16年目にして、心から実感しています。

先月、6家族で旅行に行き、ロッジでみんなで過ごしました。村社会のように「みんなで子どもを育てる」ことは実現できるもの!

モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(15歳、13歳、10歳、5歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。

▼「みんなの子育て☆深夜便」▼
12月のテーマは「子育てからみる この1年​」
ゲストは、エッセイストでタレントの犬山紙子さんと、保育の専門家の青山誠さんです。
最新の番組情報・メール投稿は番組公式HPから