106歳の父、堀江正夫さんの健康長寿を支えてきた、料理研究家の堀江ひろ子さん。大家族・堀江家の食卓をあずかるひろ子さんに伺った健康的な食事術、今回はその実践編「食事のポイント」を紹介します。
(前編はこちらから)

堀江家の健康長寿食事術
  肉・魚、 野菜、乳製品をしっかり  

堀江家で気を付けている食事のポイントを教えていただきました。

ポイント① の濃い野菜を、毎食たっぷり食べよう!

色の濃い野菜(緑黄色野菜)には、ビタミンCやβ- カロテンなどが豊富に含まれています。すぐに食べられるように、まとめて加熱して、保存する方法をご紹介します。

レンチンかぼちゃ

かぼちゃ100gあたり、電子レンジ(600W)で2分間が加熱の目安(ラップをかける)。ペーパータオルを敷いた保存容器に入れて冷蔵庫へ。3~4日保存可能。マヨネーズをかけて食べたり、バターで炒めたりするほか、みそ汁や煮物にすると短時間で調理できる。

ゆでほうれんそう

長さ2~3㎝に切り、軸の部分から順に熱湯に入れてゆでて水にとり、水けを絞る。ペーパータオルを敷いた保存容器に入れて冷蔵庫へ。3~4日保存可能。おひたしやサラダ、みそ汁の具にしたり、バターで炒めたりと活用できる。

にんじんのレンチン煮

にんじん1本(200g)を千切りにし、サラダ油大さじ1、鶏 がらスープのもと小さじ1と混ぜて 、ラップをかけて電子レンジ (600W)で3分間加熱*。保存容器に入れて冷蔵庫へ。3~4日保存可能。そのまま食べたり、オムレツの具にしたり、スープに入れたりと活用できる。

*にんじんが軟らかいほうがよければ、加熱時間を1~2分長くする。


ポイント② だくさん汁物を毎朝とろう!

いろいろな野菜を具にした汁物を多めに作って、数日にわたっていただきます。

●味変えのアイデア
1日目:だし汁+塩 ➡ 2日目:みそをプラス➡ 3日目:牛乳をプラス
1日目:コンソメスープ ➡ 2日目:カレー粉をプラス ➡ 3日目:豆乳またはトマトジュースをプラス
*みそ汁に一味とうがらしをふったり、スープに粉チーズをふっ たりするのも味に変化がついておすすめ。


ポイント③ ・魚、卵、豆腐、納豆でたんぱく質をしっかりとる

たんぱく質は筋肉や臓器など、体をつくるのに必要な栄養なので、年齢に関係なく、しっかりとりましょう。

肉・魚は簡単料理でしっかりとる
➡ レンジで作れる簡単料理はこちら(後編ページのリンク貼る)で紹介しています。
朝に納豆、昼に卵(温泉卵など)をプラスしてたんぱく質を補給


ポイント④ 製品は牛乳やチーズを活用

牛乳やチーズなどの乳製品には、カルシウムが含まれているので、こまめにとるとよいでしょう。特におすすめはクリームチーズ。ぼそぼそするかぼちゃに混ぜたり、煮豆をつぶしてあえると、のどごしがよくなり、食べやすくなります。


ポイント⑤ 脂類でスルスル便秘予防

野菜をしっかり食べているのに便秘がちという人は、油分が足りていないのかもしれません。スープにオリーブオイルを回しかけたり、おひたしにごま油をたらしたりして、上手にとるとよいでしょう。

食事は楽しむこと、おいしく食べることがいちばん大事。食べる体力があればこそ、元気でいられますよ(堀江さん)

堀江 ひろ子 (ほりえ・ひろこ)

1947(昭和22)年、元参議院議員の堀江正夫、料理研究家・堀江泰子(やすこ)の長女として生まれる。 日本女子大学家政学部食物学科に在籍中から母の助手を務め、料理研究家として活動の場を広げる。料理教室をはじめ、テレビ・書籍・企業のメニュー開発などでレシピを発表。身近な食材で誰にでも作れる再現性の高いレシピにファンが多い。著書に『100歳まで元気でボケない食事術』(主婦の友社)がある。

料理撮影/南雲保夫 構成/石田純子
(月刊誌『ラジオ深夜便』2022年6月号より)

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