ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、ふじわらのかた役の南沙良さん、双寿そうじゅまる役の伊藤健太郎さんから!


南沙良さんの第43回振り返り

──ざいに行くことになった双寿丸に、「私も連れて行って」と伝えました。

賢子は双寿丸を大好きだし、彼は賢子にとっての“光”なんですよね。そんな双寿丸と離ればなれになるというのは、本当につらかったと思います。もちろん、初恋の相手でもありますし……。だから、純粋に離れたくないという気持ちで出てきた言葉だと思っています。

──賢子は、いつから双寿丸を恋の対象として見ていたと思いますか?

それはもう、最初からです。だって、盗賊から助けてもらって家に帰る時に、すでにウキウキしてましたし(笑)。かっこいいなと感じて、かれていたと思います。いつも明るい賢子ですけど、特に双寿丸を見ているときは笑顔になる、自然と口角が上がってしまう。そういうところで表現してきました。

だから、2人の別れはせつないです。……やだなぁ、この先、彼に何かあったら。心の底から、そう思っています。


伊藤健太郎さんの第43回振り返り

——賢子が双寿丸と一緒に大宰府に行きたいと言ったのを断りました。なぜですか?

賢子が双寿丸に好意を寄せてくれていることがわかったからです。

だから、賢子に「一緒に連れて行って」と言われたときに、「女は足手まといだ」ってキツい言葉が出たんだと思います。これ以上、思わせぶりな態度を取るのはきょうだし、ピシッと線を引いたほうが誠実だと思って。

本当は双寿丸もうれしかったと思うんです。もし武功を立てに行くという目的がなかったら、「一緒に」なんてことも考えたかもしれません。だけど、行くのは何があるかわからない場所だし、無責任に「行こう」とは絶対に言えませんでした。だって、双寿丸の性格からすると、もし何かが起きたら、殿さまを守らずに賢子を守っちゃうと思うので……。

——賢子の一家が双寿丸の送別会を開いてくれました。いかがでしたか?

楽しい撮影でした。夕陽が差し込む食卓をみんながまるく取り囲んでいるシーンだったんですけど、カメラが回ってないときにみんなで雑談していて、ふと引いた目線で見ると、本当に温かい雰囲気の場所だなって感じて……。双寿丸が感じていた温かさって、多分これなんだなと、改めて確信しました。

すごくうれしかったと思うんですよね。双寿丸は下っ端の下っ端で、戦に行くからってうたげを開いてもらった経験なんてなかったし、ましてや捨て子だから、家族から「頑張っておいで」と言われたこともない。本当に全部が初めての経験で、人からの優しさ、無償の愛というものに、双寿丸が初めて触れた場面でした。