ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、まひろ役の吉高由里子さん、ヂョウミン役の松下洸平さん、ふじわらの公任きんとう役の町田啓太さんから!


吉高由里子さんの第47回振り返り

——周明の死は、まひろにどんな影響を与えたと思いますか?

心のどころというか、やっと歩み寄れて、20年前とは違う周明との関係性が生まれている中、目の前で殺されてしまうなんて。本当に衝撃的でした。ざいで楽しそうにしていたまひろが、どん底にたたき落とされて……。もう、抜け殻にさせられました。

まひろが大宰府になんか行くから……。行かなきゃ周明も死ななかったかもしれない、と思ったりもして……。それ以来、まひろはすごく落ち込みますが、そのなかで生きる意味を考えるんですよね。周明の死は、自分がここにいる意味を考えることになる、大きなきっかけになったと思います。

まひろのセリフに「生きてることは哀しいことばかりよ」という言葉がありましたが、それが本当にこびりついている人生なんだな、と改めて思いました。


松下洸平さんの第47回振り返り

——矢を受けた周明が、そのまま命を落とす衝撃の展開でした。

再登場の際のひげの打ち合わせのとき、中島(由貴)監督から「最後は、まひろを助けて死んで、置き去りにされるよ」と聞かされていたのですが、実際に台本をいただいたら、想像以上に悲しい最期でした。

きっと周明は、まひろに対して特別な思いがあったことを伝えてから死にたかっただろうな、と思います。

——周明は、まひろが松浦まつらから戻ってきたら何を語ろうとしていたと思いますか?

お互いに年も年だったこともあって、「戻ってきたら一緒になろう」などの具体的な話をしたかったわけではない気がします。ただ、越前で裏切ってしまったことに対するざんとともに、まひろを大切に思っていること、離れて気づいた好きだという気持ちを、ちゃんと伝えたかったんだと思います。

最後に大切な人を守って死んだことは、周明の人生にとっては良かったんじゃないでしょうか。悲しい死ではありますが、大切な人に触れながら死んだことには、「まぁ、天国で良しとしよう」と思えているような気がします。

——まひろが書く気力を失ったつらい時期に周明と遭遇したのは運命的ですね。

闇の中にいるまひろを周明が光のほうに導こうとしているようなイメージがあって、まひろにとって周明との再会が大きな転機になるのではないでしょうか。何度も何度も大切な人の死を見てきたまひろが、最後に何を選び、何を話すのか……。僕も一視聴者として、最終回を楽しみに待っています。


町田啓太さんの第47回振り返り

——「刀伊といにゅうこう」の処理を巡って道長みちなが(柄本佑)が頼ったのは実資さねすけ(秋山竜次)でした。それを知った公任が、珍しく怒りの感情を見せましたね。どんな気持ちでしたか?

リハーサルで台本を読んだとき、かまってほしいパートナーの関係みたいな読み方になって、柄本さんと「俺たちって、つきあってたっけ?」と笑い合いました(笑)。なんだか「俺はお前のためにやってんのに、なんであいつと一緒にいんだよ!? 俺とは全然遊ばないくせに!」みたいになっちゃって……。

今まで公任なりに道長のことを一番に考えて動いてきたのに、ないがしろにされたと思ったんですね。道長が頼るのは自分や斉信ただのぶ(金田哲)、行成ゆきなり(渡辺大知)だと信じていたし、そのことに誇りも持っていたのに、実は道長が頼りにしていたのは実資だったと知って、シンプルに衝撃を受けたんだと思います。「お前はもう要らない」と言われたようなもんですから。

それがとてもショックで、ケンカになったんじゃないかなと思います。道長のリアクションが至極当然というか、「何を言っているんだ?」という感じの薄いものだったので、余計に腹が立ったんですよね。目も合わせませんでしたから。50代半ばのいい年をして……(笑)。

でも、終盤になってそんなシーンができて楽しかったです。この年になってようやく公任は、素直に道長とケンカをできる関係性になったんだなと、人間味を感じました。