ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、まひろ役の吉高由里子さん、赤染あかぞめ衛門えもん役の凰稀かなめさんから!


吉高由里子さんの第34回振り返り

——まひろが書き始めた「若紫」には、自分の子どものころの経験が反映されていますね。

「光る君へ」の物語がスタートした第1回で、まひろ(落井実結子)が三郎(木村皐誠/後の道長)と出会ったのは、鳥かごから逃げてしまった鳥を追いかけていたときでした。それが『源氏物語』の「若紫」へのオマージュであることは、多くの方が気づいたのではないでしょうか。

まひろがこれまで経験してきたことが、『源氏物語』のさまざまなエピソードにつながっているんですよね。『源氏物語』を読んでいない方も一緒に楽しめるように大石静さんがいてきた種が、ひとつひとつ花を咲かせていくわけで、大石さんの“思うつぼ”というか(笑)。どれだけ史料を読み込んで多角的に物語を進めてきたんだろうかと驚くばかりです。

私も演じていながら「ここは、あの逸話でしょ?」と答え合わせが気になることもあって、『源氏物語』を愛するファンの方たちの「オフ会」のようなものがあったら、そこでの話を聞きながら物語を見てみたいなとも思ったりもします。


凰稀かなめさんの第34回振り返り

——「曲水ごくすいえん」のシーンで、視線を交わしていたのはどなたですか?

あれは夫の大江匡衡おおえのまさひら(谷口賢志)です。赤染衛門と匡衡は“おしどり夫婦”として知られていますが、今回のドラマでは「あまり帰ってこない夫」という設定なんですね。お互いにすごく離れた場所に座っていて……(笑)。

優れた作品として匡衡の漢詩が選ばれたときに、赤染衛門が「あ、だんの作品だ」と思って匡衡のほうを見ると、匡衡も赤染衛門のほうを見ていて目が合うという……。もしかしたら視聴者の方は気づかないかもしれませんけど、なんだかリアルな描写でした(笑)。