ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、多岐川幸四郎役・滝藤賢一さんから……。


――壮行会で、多岐川が水行で寅子を送り出すシーンは斬新でした。撮影はいかがでしたか?

またふんどしになるんですよね。吉田さんはどんだけ多岐川をふんどしにするんですかね(笑)。あのシーンは何日も前から監督とずっと話していたのですが、「飲み会の始めか、中盤か、終わりか」で芝居が大きく変わると思うんです。飲み会の始めなら、最初挨拶(あいさつ)になりますよね? そこでいきなりふんどしっていうのは、多岐川といえども大丈夫なのか? なんて話してました。

でも、本番当日に、みんなで集まって話していたとき、汐見君(平埜生成)が、「飲み会の終わり、『宴もたけなわですが……』の挨拶でどうですか」と提案してくれて、撮ったシーンなんです。

このシーンに限らずですが、そうやってお互い意見を出し合って芝居をつくっていく過程が、家庭局、ひいては家庭裁判所の空気ともつながっていると感じました。それに、みんなの中で意見が生まれて、それを集約してシーンができていくのが、僕としては嬉しかったですね。