ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、中宮 定子役・高畑充希さん、ききょう(清少納言)役・ファーストサマーウイカさん、藤原実資役・秋山竜次さんから!
高畑充希さんの第21回振り返り
——伊周役の三浦翔平さんとの共演はいかがでしたか?
伊周が激昂するような大変なシーンが多くなるなか、翔平さんは毎回声をからすぐらいの熱量でお芝居をしてくださって、カメラが私だけを向いている撮影の時も、スタッフから「大変だから抑えめで」って言われているのに全力でやってくださって……。
初めての共演だったんですけど、翔平さんに引き出していただいた顔がたくさんあります。
伊周はそばで見ていて、痛々しくて泣けてくるような悲しさがありました。母親の貴子(板谷由夏)がそちらについてしまう悲しさもありますし……。泣くシーンじゃないのに、ずっと悲しかったですね。
憧れていたものが、こんな小さきものだったんだ、という空しさを感じて……。(定子が)どんどん独りにされていく感覚でした。
ファーストサマーウイカさんの第21回振り返り
——中宮定子に襲い掛かる試練を、どんな思いで見ましたか?
定子様が髪を落とすところは、もちろん衝撃的ではあったのですが、身を潜めて、ただ傍観者でいることしかできない無力さを感じました。ききょうの「どうして……中宮様……」というセリフは、「どうして、そんなことをしたのですか?」という意味だけではないと思いました。
なぜ中宮定子という人間は、こんなにも悲しい人生を歩まなければいけないんだろう? なぜ神は、天は、彼女を救ってくれないんだろう? という「どうして」が含まれている気がして、ききょうも定子様と同じように絶望の淵に立たされた思いでした。
その後の二条第が燃える場面では、お上を支え、周囲を奮い立たせ、己を強く保っていた殊勝な定子様が、初めて人生を諦めてしまうんですよね。燃える屋敷の中で、自分で命の火を消そうとする……。そこでききょうが「生きなければなりませぬ」と言うのは、自分の「推し」に対する初めての反発で、それだけは許せないという気持ちがあったと思います。
彼女の周りから人がどんどんいなくなっていく状況のなか、初めて「弱い」定子様を見て、「私のことはどうなってもいい」という考え方から、「私は生きてこの方を支えなければならない」という思いに変わったような感覚がありました。
あのシーンは、定子様の姿を見ているだけで、もうボロボロと泣いちゃって……。この回の撮影中はずっと情緒や精神を揺さぶられていましたね。
秋山竜次さんの第21回振り返り
——“長徳の変”では実資が大活躍でしたね。
何と言っても検非違使別当ですからね。今でいう警察みたいなもんで、実資に一番向いてるんじゃないですか。ただ、顔の横に扇みたいな毛の飾り(緌)があるでしょ。武官が着けるんですよね。
道長(柄本佑)が着けてもおかしくないのに、僕だと顔が丸いから、何か違うんですよ、ゆるキャラみたいになって……。変な笑いが起きないか心配です。
大宰府に向かう伊周と母親を引き裂くシーンでは、一条帝(塩野瑛久)の指示とはいえ、正直「こんなに真面目にやる? 見逃してあげても……」と心が痛みました。あのシーンは天橋立までロケに行ったんです。3月だったんですけど、今年一番の寒さで。途中で雹が降り始めて、その隙間で撮影しました。
ロケの後、着替え場所のホテルで温泉に入れることになって、僕と柄本さんと(乙丸役の)矢部(太郎)さんと三浦さんと4人で一緒に露天風呂に入ったんですよ。天橋立を眺めながら。
壺風呂が2つしかなくて、僕がデカいから1つを譲ってもらって、柄本さんと矢部さんが一緒の壺風呂に入って……(笑)。最高に楽しかったですね。心を痛めたあと、めちゃくちゃリフレッシュしました。