生き別れた母親がためとき(岸谷五朗)のしょうだった縁でまひろと知り合ったさわ。第15回では、まひろを誘っていし山寺やまでらへ気晴らしの旅に出るが、そこでみちつな(上地雄輔)からいをかけられることに……!! 
演じる野村麻純に役柄と見どころについて聞いた。


好き、だけどつらい……。恋愛感情に近い部分もあるのかな

――「さわ」をどんな人物だと考えましたか?

さわは登場回ごとにいろんな感情を見せるので、どう一貫性を持たせればいいのか悩みました。でも、よくよく考えると「自分の気持ちに、ものすごく素直な女の子」という気がして。監督さんからも「本能のままに生きている」というふうに言われて、全部がに落ちたというか……。

若い、多感な時期のおませな女の子だったら、喜怒哀楽の波があって当たり前。そして、恋愛には敏感(笑)。彼女は勉強をする機会に恵まれなかったから、恋愛を心のよりどころにしたのかな、とイメージしました。

――藤原道綱には一目れですか?

もともと、さわの恋愛対象のストライクゾーンは広め、という気がしています(笑)。男性と出会う機会が少ないうえに、道綱さんが現れる直前、やす(財前直見)さんが「妾はつらいから、できるなら嫡妻ちゃくさいにおなりなさい」と話されていたので、「あっ」と思ってロックオンしたのかもしれませんね。

それなのに道綱さん、さわをまひろと勘違いしたり、名前まで間違えて……。もう、絶対に許せない! っていう気持ちになりました(笑)。恋多き女ではあるんですけれど、やっぱり好きだった気持ちを打ち砕かれてしまうと、ねぇ。

――まひろに対する感情はどんなものと考えていますか?

さわは今まで書物に触れることもなく、まひろとは全く違う環境で育ってきたのが、まひろと出会ったことで一気に世界が広がったんですよね。やっと自分と向き合ってくれる人が現れたので、ものすごく慕っているし、甘えたい気持ちもある。

でも、一緒にいればいるほど、彼女と比べて「私って、本当に何も知らないんだな」と劣等感を持ってしまう。好き、だけどつらい……。恋愛感情に近い部分もあるのかな。

さわが恥ずかしがらずに素直に、正直に、相手の心に入っていける部分は、すごいと思いますね。まひろも「自分の心の中で片付けることだと思っていたのに、そこまで胸の内を吐露するんだ!」って、さわのことを新鮮に感じたのではないでしょうか。

「手のかかる子ほどかわいい」という感じになればいいな、と思って演じていて、だんだん親心みたいなものが芽生えています(笑)。


痛みをみんなで共有することで、絆は深まったと思います

――吉高由里子さんとは初めての共演ですが、どんな印象を持ちましたか?

初対面、初めましての時から「え! 大好き!!」って、なっちゃいました(笑)。

私、オーディションを受けて出演が決まったんです。どんな役があるのかも知らない状態で演じて……。手応えが全くなかったから、落ちたと思っていたんですけれど、さわ役をいただいて、「まひろとこんなふうになっていくんだよ」と関係性を教えてもらって、びっくりでした!

「えっ、大丈夫? 私にできる!?」って、率直に思いました。でも、びっくりの後に「うれしい……」という気持ちで満たされて。

撮影でしばらく間が開いたりすると、もう吉高さんロスになってしまって、「ああ、まひろさまに会いたいなぁ〜」と、ずっと思っていましたね。さわがまひろに憧れるように私も吉高さんに憧れているので、色々学びたいです。

――大河ドラマに対して、不安や期待もあったと思うのですが。

いや、もう不安と緊張しかなくて。前もって何かしら準備をしたほうがいいのではと、マネージャーを通してしつこいくらい聞きました。でも、所作指導の先生がドラマ10「大奥」に出演したときの先生と同じグループの方で、基本は同じだし、そんなに動きも激しくないと言われて安心しました。

あまり袖から手を出さないということは教わりましたが、さわは身分の高い役ではないので割と自由に動けて、よほどのことがない限り、所作の先生に怒られることはないですね(笑)。

実際に現場に入ってみると、「あれ、私、意外と緊張してない!」と(笑)。さわが横になっているシーンでは、「ああ、眠くなってきたな」と感じたりもして、そんな自分に驚いていますね。現場のみなさんのおかげでもあるんですけれど、特に怖がることもなく撮影に臨めています。

――では、撮影での苦労はない?

ただ、この時代は畳じゃなくて「板の間」じゃないですか。「大奥」のときは畳で、足袋もあったので、あのときは感じていなかった痛みを、正座のときに感じています(笑)。

石山寺のシーンでも、吉高さん、財前さんと3人で、「カット」がかかるたびに3人とも立ち上がって、「ふうー」みたいな(笑)。撮影しているうちに自分の体重がひざと足の甲にかかってきて。その痛みをみんなで共有することで、絆は深まったと思います(笑)。


まひろとさわをセットでわいがっていただけたら、うれしいですね

――平安中期については、どんな印象をお持ちですか?

学校で平安時代の文学について学んで、『源氏物語』も読んでますし、「あおいうえ」のレポートを提出したこともあるんです。自分の中にイメージだけあったものが映像化されているのは、ちょっと不思議な気分ですね。

平安時代そのものと思えるセットがスタジオに組まれていて、宮中の行事やまつりごとの様子が視覚化されて見られるのが、ものすごく感動的で、まるでタイムスリップしたかのような感覚になります。

なので、自分の立ち居振る舞いや驚いたときの表情が、セットの雰囲気から「浮いてないかな?」という心配は常にしています。でも監督さんが「OK!」と言ってくださるから、それは気にしないようにして(笑)。

――大石静さんの脚本にはどんな印象を持ちましたか?

すごく面白くて、まひろと道長(柄本佑)と直秀(毎熊克哉)の関係がどうなるか「早く次が読みたい!」と思ったし、「まさか、直秀がここで亡くなるの!?」という衝撃も大きくて。どの回からも情熱が感じられて、「うわぁ!」って声を出しながら楽しく読んでいます。

和歌や漢詩で気持ちを表現するやり取りも素敵ですよね。私も手紙を書くのが好きなので、和歌に自分の想いをしたためるというのは、すごく美しいことだなと思います。

――最後に、視聴者の方に、さわとしてのメッセージなどはありますか?

まひろと2人のシーンが多いので、その「凸凹でこぼこ感」、2人のコンビぶりを楽しんでいただけたらと思います。友達であると同時に姉妹のような存在……、姉とちょっと面倒くさい妹みたいに、まひろとさわをセットで可愛がっていただけたら、うれしいですね。