昭和初期に日本ではじめて女性弁護士となり、法学という"翼"を持って社会に羽ばたいたヒロインの姿を描く、4月1日(月)スタートの次期朝ドラ「虎に翼」。

放送開始が近づく中、3月21日、東京・渋谷のNHK放送センターで出演者による会見が開かれ、ヒロイン・いのつめともを演じる伊藤沙莉、その母・はるを演じる石田ゆり子、父・直言なおことを演じる岡部たかし、そして制作統括の尾崎裕和チーフ・プロデューサーが登壇した。

左から尾崎、石田、伊藤、岡部。

第1週の完成映像を見た感想を問われた伊藤は、「面白かったです!」と明るい表情。

「寅子をどう演じるか悩んでいたこともあったんですけど、間違っていなかったと実感できました(笑)。私自身も、第1週を見て続きが楽しみだと思えたので、なんだかうれしかったです」(伊藤

劇中では家族を演じる3人。共演の感想について、「どのシーンを撮っていても、お二人からは大きな愛を感じました。自慢の両親です」と伊藤。

一方、石田は、印象に残ったシーンとして猪爪家の食卓の場面を挙げ、
「盛りつけが美しく、味もおいしいその料理を、撮影が終わったあとにみんなで真面目に食べる。そんな時間を何度も重ねて、本当の家族のようになれたと思います」とほほ笑んだ。

また、岡部は「沙莉ちゃんがほんまにカッコいい」と"親バカ"ぶりを披露。現場での和やかな空気を垣間見せた。
 

さらに、「第1回のオンエアをどのように見る予定か」という質問に対しては、伊藤が「SNSを開いて“#虎に翼”を検索しながら、テレビの前で待ち構えると思います」と回答。続いて岡部が、

「僕はとてもワクワクしていて祭りのような気持ちなので、特別な服を着て迎えたいと思います。法被はっぴとか」

と冗談混じりに答えると、伊藤に「絶対うそでしょ。法被なんて持ってないでしょ(笑)」と突っ込まれる一幕も。あわせて石田も、

「お風呂入って身を清めて、窓も開けて風通しを良くして、気持ちのよい状態でテレビを見るつもりです」

と、オンエアを心待ちにする様子を見せ、記者の笑顔を誘った。


クランクインは去年9月末。半年を経てついに放送が始まるにあたり、石田は、

「なんでしょうね、我が子を世に送り出すような気持ちです。今までこんな長いスパンで撮影をする作品に携わったことがなかったので……。ドラマの内容も、いろいろなことが変わっていく今の日本にぴったりハマるものだと思っているので、世の中の感想がとても楽しみです」

と感慨深げにコメントした。
 

寅子のモデルは、昭和13年に「高等試験司法科 」(現在の司法試験)に合格し、女性初の法律家になった三淵嘉子。現在に比べて女性の権利が法律で制限されていた戦前から弁護士として働き、戦後は初の女性判事、後に家庭裁判所長となった。
当時の女性の立場について伊藤は「台本を読んで、驚きの連続でした」と心情を明かす。

「女性の立場の低さなど、今ではありえないことが当たり前になっていた時代。そんな中で寅子の視点は、かなり現代的なものです。寅子が疑問に思うことは、今の価値観の代弁でもあるので、みなさんも共感できるんじゃないでしょうか」

それに付随して、尾崎チーフ・プロデューサーも、

「ストーリーにはフィクションの要素もありますが、三淵さんの人生に敬意を持って制作をさせていただきました。あらためて、『法律ってどういうものなんだろう?』『男性女性って?』と考えるきっかけになりつつも、エンターテイメントとして楽しめるものになっていますので、いろいろな方に見ていただきたいです」

と語った。
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