ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、藤原道隆役・井浦新さんから!
井浦新さんの第11回振り返り
──父・兼家(段田安則)が、道隆に家督を譲る宴を催しました。道隆はどんな思いで受け止めたのでしょうか?
温室育ちの優しい長男ですが、彼にはどこか“ずるさ”も持っていてほしいと思っています。それが人間くささになればいいなと……。ですから、父上に「これから先は道隆の時代である!」と言われたときはもちろんうれしかったのですが、そもそもはじめから他の兄弟に負けるわけがないという自信は持っていただろう、と考えながらお芝居をしました。
貴子とともに家族を増やして、(ドラマ上では)二男一女の完璧な布陣を作ったわけです。娘の定子を天皇に入内させ、長男の伊周には家督を継がせると。一家の中で権力を継承していくのが道隆の家族愛でもあるし、父上からの教えでもある。道隆にとってこのシーンは、のろしを上げるシーンだったと思います。
ここまで感情を抑えたお芝居がずっと続いたので、これ以降は自由になっていきそうだと感じています。道隆の人間くささや感情の部分をより深く表現できるようになる。その意味で、僕にとっても非常に重要なシーンでした。ただの優しいお兄さんで退場しないよう、いろんな道隆をお見せしたいです(笑)。