ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、藤原為時役・岸谷五朗さんから!


●岸谷五朗さんの第8回振り返り

──妻を殺した道兼(玉置玲央)が家を訪ねてきました。どんなお気持ちで演じられましたか?

とても難しいシーンでした。目の前に妻を殺した人物・道兼が平然としている。それどころか、家に訪ねてきている。それを受ける為時としてどんな芝居をしたらいいのか? 監督たちともけっこうディスカッションしました。まひろにとっても苦しいシーンだったと思います。

現代の感覚であれば、相手に飛びかかってもおかしくない場面。でも、そこには厳然たる平安の常識、身分差があるわけです。だから、それを吹っ飛ばして演技してはいけないところだと考えました。

吹っ飛ばしてしまったら、感情のまま彼を殺してしまうことにもなりかねない。でも、それではいけない。結果として感情よりも時代が、平安が勝った。そういう感じがします。