「百人一首」と聞くと、あの藤原定家が編纂した『小倉百人一首』を思い浮かべますが、「新・介護百人一首」は、介護する人・される人が、日々の生活の中でふと心に浮かんだことを詠んだ短歌選集です。
2021年度「新・介護百人一首」に選ばれた作品の中からご紹介しましょう。
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こちらは介護を受けている方が詠んだ歌です。
71歳の方が「イケメン」「レディ」と詠むところが、なんともステキです。
逆に、介護をしている方が詠んだ歌が、こちらです。
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介護を学ぶ学生さんが応募してくださいました。現場で懸命に実習に励む学生さんの姿が目に浮かぶようです。
他には、介護のつらさや悲しみ、いらだちなどがリアルに詠まれた歌も多くあります。三十一文字に、それぞれの日常の介護に対する思いをのせて、年代や性別、地域をこえて交流を深めていく取り組み、それが「新・介護百人一首」なのです。
NHKでは、2004年に教育テレビ「福祉ネットワーク」で介護の日々を詠んだ「介護短歌」を紹介。介護の中で感じた思いを素直に詠んだ短歌は注目を集め、2006年から広く介護にまつわる短歌を募集し、多くの短歌が寄せられるようになりました。
「NHK介護百人一首」は、その中から100首を選んだものです。作品は、Eテレ「ハートネットTV」で紹介され、パネル展として全国各地で展示されました。
2021年から、この取り組みをNHKサービスセンターが受け継ぎ、「新・介護百人一首」と改称して募集を再開。1年の休止期間があったにもかかわらず、なんと10,038首のご応募をいただきました。
ご応募いただいた作品やお手紙を拝察し、「新・介護百人一首」の復活を待ち望んでいた方々がこんなに多くいらしたのかと、目頭が熱くなりました。本当にありがとうございました!
では、「最終選考会」の模様を少しだけご紹介しましょう。昨年10月15日、歌人の先生4名にお越しいただき、「新・介護百人一首2021」の最終選考会を開催しました。
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「味わい深い作品ばかりで、選考には身が引き締まる思い」と先生方。
(左から、笹公人先生、花山周子先生、春日いづみ先生、桑原正紀先生)
最終選考会では、ナレーターが1首ずつていねいに詠み上げ、吟味しながら選考しました。
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コロナ禍により肉親ですら対面できない苦しみや介護職を目指す学生さんの熱い思い、介護に携わる留学生の高い志が歌を通して伝わってきます。
こうして決まった珠玉の100首は、11月11日「介護の日」に、NHKサービスセンターの「新・介護百人一首」ホームページにて発表いたしました。現在、入選作品100首を収めた作品集をご希望の方に無償配付しています(送料はご希望者負担。詳しくはHPをご確認ください)。
新・介護百人一首ホームページはこちらから!
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また、HPでは「入選作品100首に寄り添うイラストや絵画」を募集しています。みなさんのご応募お待ちしております!
「新・介護百人一首」は、2022年度も募集予定です。当財団では、介護する人・される人、それぞれの心の交流の場として、「介護」について考える場として、この取り組みを大切にしていきたいと考えています。
最後に、2021年度「新・介護百人一首」入選作品の中から、もう1首ご紹介いたします。
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日々の介護のなかで感じる素直な思いを、ぜひあなたも詠んでみませんか?
取材・文:佐々木佐知子(NHKサービスセンター)