2月12 日(水)の「ラジオ深夜便」4時台(実時間は13日午前4時台)で「新・介護百人一首2024」の入選作品が紹介されます。
作詞家の阿木燿子さんと「新・介護百人一首」選者で歌人の桑原正紀さんのお二人をゲストにお招きして、桜井洋子アンカーとともに語らいました。
今回はその収録の様子からお届けします。


NHK財団とNHK厚生文化事業団が主催している「新・介護百人一首」は2024年度で4年目を迎えました。介護にまつわる思いを詠んだ短歌を募集し、選ばれた100首を毎年発表しています。今回寄せられた歌は1万2千首あまり。年齢も、介護とのかかわり方もさまざまな皆さんからです。
※今年度の選考会の様子はこちら

収録では、3つのテーマに沿って短歌が紹介されました。

・介護の只中ただなかにいらっしゃる方、またはいらっしゃった方
・介護職につく外国人とのエピソード
・ユーモアあふれる作品

ゲストの阿木燿子さんは、7年間、義理のお父様(夫・宇崎竜童さんの父)を介護した経験があります。

阿木さんは、宇崎さんとご自身の妹さんとその家族でチームを組んで介護を行っていたそうです。介護していた際に義父からかけられていた3つの言葉「ありがとう」「すまないなあ」「惜しいなあ」について、当時のやりとりを交えてお話してくださいました。

19年にわたって妻の介護をしてきた歌人の桑原正紀先生は、この「新・介護百人一首」の選者として、毎年寄せられる膨大な数の短歌に目を通してきました。

やさしさや思いやりをストレートに表現できる、介護短歌の魅力

番組では入選作品の一部を桑原さんが詠み上げ、阿木さんとともに味わいます。収録の時のお話から、ほんの少しだけご紹介します。

あばれたる父を抱けば親と子の骨と骨とが絡まるごとし

新潟県 磯部剛(77歳)

阿木さん 情景が見えてくる歌で心にスッと入ってきます。切なくも激しい歌で、人間同士が生きるということについて考えさせられました。

最新のAI技術も敵わない心をつなぐ私の介護

熊本県 長尾桃夏(17歳)

桑原さん AI技術が生活の一部となっている世代の長尾さんが、AIと生の人間の心とは違うんだ、最後は人間の心が大事なんだと感じてくれていることがうれしいです。

桑原正紀先生

桑原先生 介護短歌は相手に対するやさしさ、思いやりというものがとてもはっきり、明瞭にテーマになってきますので、やはり、人間のつながり・絆といったものの大切さ、それによって救われるといった感じをストレートに感じることができます。それが介護短歌の特徴という風に思っております。

阿木さん 日常の中で、たのしいこと、面白がれることをさがして、それを歌にする。自分を鼓舞する歌があってもいい。自分が自分に対して歌を歌う。自分を励ます歌を書いてみたいな、という気持ちになりました。毎朝1首ぐらい詠んで、今日これを目標にして頑張ろうみたいな、そういうことも短歌ならできるんだな、と。短歌の可能性が広がります。

和やかな雰囲気でお話は続き、予定の収録時間を超えてしまうほどでした。

阿木燿子さん

三十みそひと文字もじから様々な想像や思いが広がり、自分だけの経験だったものを分かち合うことができる短歌。
今年度入選の100首はこちら(新・介護百人一首2024)からお楽しみいただけます。
放送ではほかにも作品が紹介される予定です。お楽しみになさってください。


ラジオ深夜便

2月12日(水)ラジオ第1(R1) 午後11時5分~ 
「新・介護百人一首」については、日が替わった13日(木)4時台に放送されます。


「新・介護百人一首」は今年も4月中旬から募集開始予定です。
どうぞ気軽に詠んでみて、ご応募ください。
応募についての詳細は後日ホームページでお知らせいたします。

(展開・広報事業部 岡部桃香)