2月の「みんなの子育て☆深夜便」は、半年に一度放送している人気のテーマ「子育て事件簿 」第6弾。リスナーのみなさんから送られてきた思いがけない出来事や日々のお悩みなど、分かる分かるー!とうなずきながら拝聴しました。
とくに多子かぞくあるあるで、洗濯物が多い、炊いたごはんが一瞬でなくなる、という話題は分かりすぎるというか、むしろ全国に点在するであろう仲間たちの存在にとても勇気づけられました。

ところで、わが家の最近の子育て事件簿といえばなんだろう…とふと考えてみたのですが、意外と心当たりがない。今まであれほどハプニングだらけだったのに、なぜ?? 

と、記憶を巡らせていたのが、かぞくみんな各々予定があって、たまたま4歳児のかぜおとわたしの2人で過ごす夜のことでした。かぞくも居ないし、息子1人だし、わりと静かに過ごせるこの時間に書き仕事(まさにこのコラムです)を終えてしまおうと自分なりに予定を立てていたのですが、結論から言うとまったく仕事になりませんでした…。

そのときにハッとしたのが、「そうだった!マンツーの育児が一番大変なんだった!」ということ。以前のコラムで、「ひとりっ子が一番大変」という持論をつづったのがまさにそれで、まだ手のかかる幼い息子がいながらわたしが最近の子育てにそこまで大変さを感じていないのは、夫や上3人の子どもたちの手厚いサポートがあるからで。いざ、対息子になったときの無力感といったら(涙)。

ひさしぶりのかぜおとの2人っきりの夜時間は、とにかく落ち着く暇がない。「ママー、これってさぁー」と会話が止まらない。ふだんはかぞくたちに分散されているのが、マンツーだとここまで自分に矛先が集中するのかと衝撃でした。

わたしはよく、子育ての経験値が上がって心に余裕ができたが故に、末息子のかわいさを「4人目は孫」と表現するのですが、実のところは自分自身が本当におばあちゃん的立ち位置になっている説…。いや、、、あながち間違っていないのかもと思うと、あらためてわが家の子育てを支えてくれるすべての人に感謝しかありません。

そんなわけで、日を改めてこのコラム書きのために上2人にかぜおを連れ出してもらい、今やっと家に1人になって集中して執筆しております。ありがたや〜。親子でハプニングだらけの日々を送っていた15歳の娘と13歳の息子もいつの間にかこんなにも頼れる存在になって、先日娘さんが10歳を迎えたという、とあるリスナーさんの想いと重なりました。

この10年間の濃さといったら表現できないほどですが、絶望するほど途方にくれた日々も今となっては良き思い出。こう思える日が来るなんて不思議なものです。時間が自然に解決することって、結構多いのだと思います

わたしも育児ノイローゼの渦中にいるときは、こんな未来を思い描くことはできませんでした。でも、確信しているのはただひとつ、大変だった日々こそが宝物のように自分の記憶に刻まれるということ。だから、どうか今という状況に思い詰めないでほしい! そして、ゲストの工藤直子さん(詩人、児童文学作家)としんざわとしひこさん(シンガーソングライター)もおっしゃっていた「いいお父さんお母さんにならなくていい」に大賛成です。わたしは子育てにおける完璧さをどんどん手放すようになってから、毎日をより楽しめるようになりましたよ〜

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モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(15歳、13歳、10歳、5歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。