私の夫は僧侶だ。
縁あって結婚し、生活を共にしている。夫の物事の見方や考え方は僧侶らしい一面を見せるが、そのおかげで私の気持ちを前向きにさせてくれる。

私は身の回りで起きることに一喜一憂し、ネガティブに捉えてしまうことが度々ある。だが、僧侶の夫は、「その現実を受け入れ、どのように未来に向けて生きていくかが大切」という視点で物事を考えていたりする。一方、学生時代は理系を専攻し、大学院を卒業。仏教に関することだけでなく、ふだんから科学技術の分野にも目を向けていたりも。

そんな夫に、東京・世田谷のNHK放送技術研究所で開催された「技研公開2022」(5/26~29)を訪れた話を振ってみる  

私「最新技術がたくさんあったよ」
僧侶の夫「お! それは見てみたい!!」

興味を示した!
そこで、一緒に技研の公式ホームページを閲覧し、最新の技術を見ながら未来へ向けてイマジネーションを膨らませてみることに。

NHK技術研究所のホームページ(技研公開2022「技術が紡ぐ未来のメディア」)では、会期終了後もオンラインで展示内容が見られる。

まず、僧侶の夫が注目したのは、「自由視点ARストリーミング技術」。3次元コンテンツが視聴端末で自由な視点で見られるというもの。

私は実際に会場で体験したのだが、まるで自分が画面の中の3次元空間にいるような感覚に。端末を左右・上下動かせば、連動して3次元コンテンツも自在に見ることができて、おもしろい!

私「この技術が活用できれば、メディアの可能性もぐっと広がるよね!」
僧侶の夫「そうだね。いろんな事情でお寺に来られない人がいても、この視聴システムがあれば、あたかもそこに住職さんがいて、一緒にお経をあげたり、説法を聞いたりすることもできそう」

私「そういえば、会場に入るとき、ソーシャルサークルプロジェクションという、ソーシャルディスタンスがわかる投影システムがあってね。人と人とが近くなったら自動で警告してくれるの」
僧侶の夫「これは、画期的。お寺でもコロナ禍になってから、ソーシャルディスタンスに気を配っているけど、この技術があれば、参詣する人もより安心してお参りできるね」
私「映像の技術だけじゃなくて、音の技術もあるんだよ」

次に注目したのは、「ラインアレイスピーカーによる音場合成技術」だ。

僧侶の夫「この、音が飛び出す技術を使えば、お寺で参詣者と距離がある場合でも、マイクよりはるかに立体感のある音になって、説法もより聞き取りやすくなるかもね」

ほかにも、「携帯端末型インタラクティブ3次元ディスプレー」は、なんと3Dめがね無しで3次元映像が見られる優れもの!

3Dめがね無しで3次元映像を見られるディスプレー。

私は、会場でこの技術を体験したとき、「ゴツイめがね無しで3D映像が見られる日が来るなんて!」と大興奮。スマホで映画や見逃し配信を見るときも、3Dなら、より没入感が生まれて楽しむことができるかもしれない。

私「近い将来、こんな最新技術が私たちの生活に取り入れられたらいいな」
僧侶の夫「お寺の場合、最新技術を使って法話することができたら、さまざまな事情で来られない参詣者ともつながりが持てるね」
私「お寺でも、放送の最新技術、使えそうだね!」
僧侶の夫「本来お寺というのはTVメディア同様、社会に開かれた場所だから。そういう意味では共通しているかもしれないなと思ったよ」

オンラインによる「技研公開2022」を見て、その最新技術に興味津々だった僧侶の夫。
お寺に限らず、学校や会社、そして地域社会のなかへ、最新の放送技術がどんどん取り入れられていく.....。未来の暮らしを想像すると、なんだかワクワクしてきた。合掌。

(取材・文/NHKサービスセンター 松田久美子)