NHK財団では、NHKとともに、日本で暮らす外国人に向けて、生活に役立つ情報を届ける活動をしています。先日、スワヒリ語によるサービスをPRするため、駐日タンザニア大使館でイベントを実施しました。その様子をお伝えします。


在留タンザニア人に知ってもらいたい!

「アサンテ!」

これは、スワヒリ語で「ありがとう」を意味します。

スワヒリ語と聞いてもピンと来ない方が多いかもしれませんが、どこで使われている言葉か、ご存じですか?

答えは、タンザニアやケニアなどの東アフリカです。

NHKの国際放送・NHKワールド JAPANでは、このスワヒリ語による情報発信を60年以上前の1964年から行っています。スワヒリ語のサービスは、長年、短波ラジオ放送が中心でしたが、最近ではインターネットによる情報発信にも力を入れています。

全国から集まった在留タンザニアの方々

東京・世田谷区の閑静な住宅街にある駐日タンザニア大使館。この日、在留コミュニティ「Tanzanite Society in Japan」の年に一度の会合があり、およそ140人の在留タンザニア人が全国から集まりました。

NHKワールド JAPANでは、テレビとラジオ、インターネットでサービスを提供しています。19の言語の一つ、スワヒリ語サービスでは、ニュースや番組、日本語学習コンテンツなど、様々な情報を発信しています。日本に暮らすタンザニア人の方にも、このサービスを知ってもらいたい。そうした思いから、今回のイベントを実施しました。

プレゼンテーションの司会者はスワヒリ語サービスの放送専門家Mbozi Ernest Katalaさんと出演者Radhia Suzukiさん。スワヒリ語で、多様なサービスの紹介をしました。

プレゼンテーションをする放送専門家のMbozi Ernest Katalaさん

ニュースやプッシュ通知ですべての人の安全・安心を守る

スワヒリ語によるニュースは、ラジオとインターネットで提供してきましたが、今春からAIを活用した音声サービスを新たに始めました。最新ニュースの中から重要度の高いものを選んで、スワヒリ語による音声をつけています。作業はAIだけに頼らず、タンザニアでメディア経験の豊富な放送専門家と日本人スタッフがともに作業を行い、精度を高めています。プレゼンテーションではこの新サービスの音声も聞かせながら、災害をはじめ、国内外の様々なニュースを提供していることを紹介しました。

また、NHKワールド JAPANの公式アプリを使うことで、地震・津波・特別気象警報が出た際にプッシュ通知でお知らせが届くことも伝え、安全・安心に関わる部分は特に丁寧に解説しました。

NHKワールド JAPAN スワヒリ語サービス(※ステラnetを離れNHKのサイトへ移動します) 

NHKワールド JAPAN公式アプリのプッシュ通知を設定する参加者

日本語学習のコンテンツが大人気!

プレゼンテーション後半は、NHKワールド JAPANの日本語学習コンテンツ「Easy Japanese(やさしい日本語)」を紹介。「Easy Japanese」では、スワヒリ語で初級の日本語を学べます。

​アニメで楽しく勉強でき、日本語学習クイズにも挑戦できるため、会場でもクイズを出題して、参加者に回答してもらいました。皆さんの日本語学習レベルが高く、全問正解続出というハプニングもありつつ、なごやかな雰囲気でプレゼンテーションを終えることができました。

「Easy Japanese(やさしい日本語)」のスワヒリ語ページ

当日、スワヒリ語で出題したクイズの一部です。

Unasemaje kwa Kijapani? "Ninatoka Thailand."
〈「タイから来ました」を日本語にするとどれになりますか?〉

1.Tai kara kimasu. 〈タイから来ます。〉
2.Tai ni kimashita. 〈タイに来ました。〉
3.Tai kara kimashita.〈タイから来ました。〉

※答えは3

プレゼンテーションのあとは、スワヒリ語サービスのPRブースで、公式アプリや「Easy Japanese」を紹介しました。来日したばかりの方も多く訪れ、一人ひとりにプッシュ通知の設定方法や「Easy Japanese」を使った学習方法を伝えました。とりわけ「Easy Japanese」は大人気!テキスト本を見る人で賑わいました。

PRブースには「Easy Japanese」のテキストを見たり、公式アプリについて質問したりする人が次々と訪れていました。

「やさしい日本語(Easy Japanese)」はこちらからご覧いただけます。全部で48課あります。旅行や文化、生活についても分かります。

「やさしい日本語(Easy Japanese)」(※ステラnetを離れNHKのサイトへ移動します)

参加者からは、
「NHKワールド JAPANのアプリは6年間、英語で使ってきたがスワヒリ語サービスがあることを今日初めて知った。これからはスワヒリ語を使いたい」

「アプリはとても便利で役に立つので、スワヒリ語のニュースや番組をチェックしたい」

「スワヒリ語のニュースしかないと思っていたが、色々なサービスがあることを知ることができた」

「ぜひ『Easy Japanese』で日本語の学習をしたい」

という感想が届きました。

NHK財団では在留外国人の方に向け、これからも様々な機会を通じ、日本の暮らしに役立つ情報を提供していきます。

​(取材・文/NHK財団 国際事業本部 鈴木伊都子)