ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、ヂョウミン役・松下洸平さん、いちじょう天皇役・塩野瑛久さんから!


松下洸平さんの第24回振り返り

——周明のまひろ(吉高由里子)に対する恋愛感情については、どのように考えましたか。

ふたりの関係性をどこまでラブストーリーとして表現するかについては、すごく悩んだところです。登場する回数が少ないので、その中でもなるべくいろいろな感情を出したいなって思ったこともあって。

でも、中島(由貴)監督やプロデューサーの内田(ゆき)さんとお話しして、視聴者の皆さんには周明がまひろに対して恋心を抱いているっていうのは、本当に最後の最後まで見せないでおこうという結論に至ったんです。

このふたりが恋仲に発展するのが明確になっては面白くない。ふたりはどうなってしまうんだろう、というドキドキを味わっていただきたいと……。

周明がまひろに優しく接したり、ポロっと身の上話をしたりするシーンもあるけれど、それは、あくまでも朝廷と交易を結ぶための作戦、という見せ方を徹底しました。

周明の心の中には常にヂュレンツォン(浩歌)という師がいて、彼の下でまひろを誘惑して、利用して、という。視聴者の皆さんに「まひろ、逃げろ!」と思ってもらえるような冷酷さを前面に出せたらと思って演じました。

朱さまとの最後の会話で「お前の心からまひろという存在が消えるといいな」と言われたとき、初めて「あっ、自分はまひろのことを好きだったんだ」と周明が気づくように……。

——周明として、やり残したことはありますか。

自分の本当の思いを吐き出すことができぬまま、まひろに対しても思いを伝えられないまま退場していくのが、心残りといえば心残りです。

可能であれば、もっとたくさん皆さんと一緒に芝居がしたかったし、いつもそうなんですけど、やっと現場の空気にも慣れて、スタッフさんとも話せるようになってきて、よし、ここから楽しくできそうだな、ぐらいの時に終わってしまうので、みんなに会えなくなるのが寂しいです。


塩野瑛久さんの第24回振り返り

——一度はさだ(高畑充希)をだいから出した一条天皇が、再び定子を呼び戻したのはなぜだと思いますか?

内裏から定子を出したのは、無礼を働き、前例がないことをやらかしてしまった伊周これちか(三浦翔平)と、なかの関白かんぱくに対する処遇のひとつでした。もちろん一条には怒りもあったと思うんですけど、やっぱり他のぎょうたちに対して示しがつかないという思いもあるので、決断を下したんです。

それで定子と会えなくなってしまったのに、そもそもの始まりの伊周の罪をゆるすことになった。「だったら、もう自分が思うままでいいじゃないか」と思ったんでしょうね。体裁を気にして出した決断がうまくいっていないのなら、自分の思うまま、自分の感情に従ってやろうと、誰しも思うのではないでしょうか。

だから定子を呼び戻して、これからは自分の感情に任せて動こうって思ったんじゃないかな。そんな一条が見え隠れしました、僕の中では。きっと、どちらが正解というのはないとは思うんですけど、そこが一条の人間らしさだったりもするのかな、と思っています。