主人公・吉澤未来(伊藤万理華)の恋人である町田龍太郎。学生時代は映像研究会に所属し、監督した作品が脚本賞に選ばれたこともあったが、卒業後は映像制作から離れていた。カフェバーのアルバイトとしてくすぶっていた町田は、第2回で未来に触発され、ともにドラマ制作に携わることになる。

町田を演じる岡山天音さんに、町田をどんな人物と捉えているかや、現場で感じたことなどについて聞いた。


——「パーセント」に出演することが決まったときのお気持ちは?

最初に台本を読んだときは、主人公の未来だけじゃなく、群像劇というか、いろいろな人のさまざまなドラマが切り取られていて、盛りだくさんだと思いました。

要素としても、登場人物のキャラが立っていて、良い意味で目がチカチカするドラマだという印象があり、これが1本のドラマとしてどうまとまるのか楽しみでしたね。

——町田をどんな人物と思われますか? また、演じるうえで心掛けていることがあれば教えてください。

台本を読んで最初に感じたのは、コンプレックスを抱えた役だということです。大人だけど、まだ中に少年のままの部分があり、だから矛盾していて、一くくりにできない。相反する要素が同居していて、一言で説明できないキャラクターだなと。

未来よりも年上の彼氏で、コンプレックスを刺激されるような場でなければ、優しい目で未来を見つめているのかもしれない。でも、どうしようもなく(コンプレックスを)拭えていない部分があって、その矛盾が同居しているんですよね。

人間って、いろいろなことをこらえて暮らしていることが多いと思うので、それをそのまま放出してしまうと「町田が悪い」という印象になると思うんです。ドラマの中には素敵なシーンもあるのに、町田への共感性が薄くなってしまうと、そういうところでも町田に対して(気持ちの上で)乗っかってもらえなくなるので、そうならないようにとは考えました。

——撮影現場の雰囲気や共演者と印象に残っていることはありますか?

(未来役の)伊藤さんは個性的ですよね。作品を見ていたときよりも、エネルギーの発し方だとか、間の取り方だとか、お芝居が独特だなと思いました。

ハル役の和合(由依)さんを初めて見たときも、「華があるなぁ、魅力的な人だな」と感じて、ハルにピッタリだと思いました。確かに、未来が創作意欲をかき立てられるのがわかるなと。

それは役云々うんぬんを抜きにして、和合さんの資質だと思ったので、そのときに伊藤さんとも「パワフルな人だね~」いう話をしちゃいました。和合さんに限らず、劇団「S」の皆さんは関わりたいとか、話を聞きたいとか、その人のことを知りたくなると感じる人たちが多いです。思わず目で追っちゃいますね。

第2回で町田が働いているカフェに、未来がみんなを連れてくるシーンが最初の撮影だったんですが、一緒にいて楽しくなるし、元気をもらえる方が多いなと思いました。

——放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

僕もこの作品は新しい試みがある作品だと思っているので、見てくださる方たちにどう受け取られていくのだろうかと楽しみです。今回のドラマでは、結構せりふがメッセージになっているんですよね。だから、ドラマを追ってもらえれば、そこにメッセージがあると思います。

作品の中で哲学みたいなものが明確に提示されていて、僕はそれがすごくいいなと感じたし、全4回をかけて到達することが必要なメッセージだと感じたので、最終回まで全て見てほしいです。未来やハルちゃん、町田がいろいろな壁にぶつかっていきます。

そして最後に、彼らと一緒に、やっと射した日の光のようなものを浴びて、共に感じてもらえたらと思っています。


土曜ドラマ「パーセント」(全4回)

毎週土曜 総合 午後10:00~10:45
毎週土曜 BSP4K 午前9:25~10:10
翌週水曜 総合 午前0:35~1:20(再放送)

作:大池容子
音楽:池永正二
出演:伊藤万理華、和合由依、結木滉星、菅生新樹、小松利昌、山下桐里、成木冬威、水口ミライ、はしぐちしん、森田かずよ、中川圭永子、チタンヘッド、梅林亮太、立川茜、藤原ももな、中川わさ美、河合美智子 / 岡山天音、菊池亜希子 / 山中崇、橋本さとし、余貴美子、水野美紀ほか
制作統括:櫻井賢、安達もじり
プロデューサー:南野彩子、葛西勇也
演出:大嶋慧介、押田友太