障害のある俳優を起用してのドラマ作りの現場を描いた、土曜ドラマ「パーセント」。キャストに、実際に障害のある俳優たちを迎えたことでも話題を呼びましした。

最終回の放送を終え、本作を企画した南野彩子プロデューサーから、コメントが届きました。


土曜ドラマ「パーセント」ご覧いただきました皆さま、本当にありがとうございました。

未来みく(伊藤万理華)もハル(和合由依)も、「自分」が大事にされなくて悔しい思いをしたり、「相手」を大事にできなくて歯がゆい思いをしたり。胸の痛いシーンも多く描いたので、単純に「お楽しみいただけましたか?」と聞いてよいものか迷っています。

それでも、本作が見ていただいた皆さまの心に何かを残せていたら、こんなにうれしいことはないなぁと思います。

年齢や性別、障害や病気の有無、社会的属性などで自分の存在価値を測られず、「私」であるからここにいる。「あなた」であるから一緒にいたい。そう実感できる物語を届けたくて、このドラマは生まれました。

エンディングの映像は、それが当たり前になるような、あたたかいいとおしい未来を願って作りました。

このドラマの放送の少し前に、本作を一緒に作ってくれた大切な仲間である福角ふくずみ宣弘のぶひろさんが亡くなられました。車いすユーザーのパフォーマーとして、障害のある人達が表現の世界で活躍するための道を切り開いてきた方です。

未来みくが第1回で喫茶店に訪れるシーンで、店主を演じていただきました。「目線の高さを合わせて相手と向き合うこと」の大切さを教えてくださいました。放送をお見せできなかったことが非常に残念ですが、「こんな未来になるといいよね」と話してくださったあの思いが、このドラマの中に残せていたらいいなと感じています。

出演者・スタッフともに、思いをこめて作りました。この一歩が、また次の素敵なドラマを生むきっかけになれば幸いです。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。


土曜ドラマ「パーセント」(全4回)

※最終回「憧れを超えて」は6月1日(土)の放送終了後、NHKの動画配信サイト「NHKプラス」で1週間配信。
※南野彩子プロデューサーが「パーセント」制作の裏側を書いた記事が、NHKのサイト「広報局 note」で公開中。記事はこちら