「アニソン・アカデミー」生徒会長(番組MC)の“しょこたん”こと中川翔子による連載コラム。今回は、番組の名物企画「アニソンランキング部」と「流しのアニソン部」について紹介します。

ありがたいことに、「アニソン・アカデミー」は老若男女を問わず、たくさんのリスナーに聴いていただいています。

ツイッターでは「#アニアカ」がいつもトレンド入りして、生放送だから「懐かしい」とか「この作品のテーマは」とか、リアルタイムでいろんな意見を言える。たくさんの「大好き」という気持ちが「アニアカ」に集まってくる。なんて尊いんだ!と思っています。

みなさんから教えていただくアニソンとの出会いが、すごく興味深いんですよ。番組で「アニソンランキング部」という、ある年のアニソンのランキングを、改めて投票して決めてみよう!という企画をやっていて、その年に生まれてなかった人からの熱烈な投票が入っていたり、リアルタイムで見ていた人の思い出話を交えた愛情たっぷりのメールが届いたり、本当に出会い方はさまざまなんだな、と。

たとえ生まれてなくても、アニソンから曲が使われていたアニメに、当時のおもしろい作品に出会えるというのは(私自身もそういうタイプだったから、特にそう思うのだけれど)、大きな喜びを感じますよね。

これまで行ってきた「アニアカ」の公開生放送でも、お客さんとお会いすると、驚くほど世代の幅が広いんです。親御さんと一緒に来た小さな子たちも楽しそうに聴いてくれるし、“貴婦人”という言葉がぴったりな、羽根帽子をかぶった上品なミセスもいらっしゃったりして。

意外すぎて「アニソン、お聴きになるんですか!?」とお聞きしたら、「いつも聴かせていただいております」って。日本人は幸せなことに、アニメという文化、アニソンという文化に出会えて、大人も楽しんでいいんだという時代になって、どれだけすばらしい情操教育になっているんだろうと改めて感じます。

アーティストの方に話を聞くと、海外でもアニソンのライブができて、日本語の歌詞を各国の人たちが大合唱してくれる。シンガーの高橋洋子さんが「アニソンは最強のパスポート」とおっしゃっていて、私もそのとおりだなと思いました。アニソンは人々の心を笑顔でつないでくれる、ものすごい魔法ですね。

一方、あべし*と勝手に(笑)やっている「流しのアニソン部」は、私の趣味が全開のコーナー。懐かしのアニソンをアコースティックギターの演奏で歌ってみたら、どんな感じになるかな?というところから始まりました。

私が歌いたい曲を「これ、お願いね」ってあべしに言うと、次の週には歌えるように練習してきてくれるんです。あべしが私の癒やしになっていることは、以前も紹介しましたが、努力家だし、私よりもずっとたくさんの新作アニメを見ているし、「おもしろいよ」って渡したゲームもやってくれる。

アニメ以外のことも話せるし、世代は違うけど、大切なヲタク友達でもあります。「流しのアニソン部」の曲のストックは徐々に増えているので、こちらもお楽しみに!

*あべし…「アニソン・アカデミー」生徒会書記を務める、放送作家、シンガーソングライターのあべあきら。

5月5日生まれ、東京出身。2004年に開設した公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」が大評判となり、アニメ・漫画・特撮・カンフーなどの豊富な知識で大きな話題を集める。2006年に歌手デビューして、翌年「空色デイズ」で「第58回NHK紅白歌合戦」に出場。俳優としてのNHKドラマ出演は、連続テレビ小説「まれ」、ドラマ10「デイジー・ラック」ほか。2011年公開のディズニー映画「塔の上のラプンツェル」(日本語吹替版)では、主人公・ラプンツェルの声を担当。4月には中国・上海での音楽ライブ出演、5月には毎年恒例のバースデーライブ開催も決定している。

(NHKウイークリーステラ 2020年11月13日号より)