小林一夫さん(82歳)は「お茶の水 おりがみ会館」の館長として、折り紙教室のほか、 即興折り紙の実演もしています。また世界各地で折り紙講座を開催。
折り紙でワールドワイドなコミュニケーションならぬ、“紙”ニュケーションの輪を広げる小林さんにお話を伺いました。新年を彩る折り紙作品とともにお楽しみください。
聞き手/石山智恵
この記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2024年1月号(12/18発売)より抜粋して紹介しています。
――小林さんが館長を務めるおりがみ会館は、最初はとても歴史のある染め紙の工場だったそうですね。
小林 はい。江戸末期の1858(安政5)年に初代・幸助が手がけた染め紙業に始まります。その後、明治の教育改革に伴い、初代文部大臣・森有礼が日本の幼児教育に「畳紙」を取り入れます。そこから世界で初めての折り紙の製造販売を始めました。今でも染め紙業は並行して続けています。
世界に広がるORIGAMIの輪
――おりがみ会館には海外からの観光客も多く訪れているようですね。
小林 ええ。僕は時間があれば会館でずっと折り紙の実演をしているんですが、外国の方も多いです。折り紙には言葉は必要ありません。僕の英語なんて「ディス・イズ・ア・ペン」程度ですけど、きちんと目と目を合わせて折っていけば必ず伝わります。だから「コミュニケーションは〝紙〟ニュケーションだ」ってよく言ってるんですよ。
――外国の方との交流で印象に残っているエピソードはありますか?
小林 スペインの男性から「おりがみ会館でガールフレンドに愛を打ち明けたい」って相談されたことがあって。そこで僕は「折り紙でばらを作って、プロポーズしては?」と提案しました。結果は大成功。当日は居合わせた周りの人々も感動して拍手の嵐でした。今では空いた時間にばらを作って、いつでもさまざまなお祝いができるように用意してますよ(笑)。
※この記事は2023年8月22日放送「ORIGAMIで“紙”ニュケーション」を再構成したものです。
続きは月刊誌『ラジオ深夜便』1月号をご覧ください。誌面では「簡単な“お正月折り紙”」の折り方も紹介していますよ。
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