ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、柳井嵩役の北村匠海さんから、第50回の振り返りをご紹介!


――嵩が出征するシーンで、登美子(松嶋菜々子)とのぶ(今田美桜)から生きて帰って来るように言われましたが、それを北村さんはどういうふうに受け止めて、どう演じようと思いましたか?

そうですね……。当時の教えでは「お国のために」が全てなので、僕が日ごろ大事にしている「生きる」という言葉さえ、安易に使っちゃいけないのかと思いました。嵩自身も、いろんな疑問や抱えている思いに蓋をして戦地に向かうのだろうし、生きて帰りたいけれど、どうなるかわからない。

やなせたかしさんが書き残した文章を読むと、戦地で本当にいろいろなことが起きていて……。嵩は、幼少期に亡くした父親、そして伯父さんのことを含めて人の生死に触れてきたから、命について改めて考えたのではないかと思います。

世界では今まさに戦争が起きています。嵩と同じように、僕も生きていくうえでの哲学を見直すタイミングなのかなと感じていて、戦地のシーンでは極限までリアルな感情を表現したいと思います。