放送も残り2回となった大河ドラマ「どうする家康」。ついに大坂の陣が勃発し、徳川vs.豊臣による天下の行方は……!? 果たして、最終回のクライマックスはどんな結末が待っているのか。
ドラマ終盤の盛り上がりを見せる中、11月27日にNHKホールで「どうする家康」ファン感謝祭が開催された。この日は、事前抽選により当選した2,844名が来場。(応募総数38,701件 当選倍率25.2倍)
登壇したのは、松本潤(徳川家康役)、大森南朋(酒井忠次役)、山田裕貴(本多忠勝役)、杉野遥亮(榊原康政役)、板垣李光人(井伊直政役)、音尾琢真(鳥居元忠役)、木村昴(渡辺守綱役)、松本若菜(阿茶局役)、松山ケンイチ(本多正信役)のそうそうたる俳優陣がずらり!
松本は「みなさんと、こうしてお会いすることをすごく楽しみにしていました。短い時間になりますが、どうぞ楽しんでいってください。本日は最後までよろしくお願いします!」と挨拶。MCは小手伸也(大久保忠世役)と浅田春奈アナウンサーが務め、会場を大いに盛り上げた。
さらには、「どうする家康」の音楽を担当した稲本響とNHK交響楽団による劇中音楽の生演奏も披露され、NHKホール全体が「どうする家康」の世界に包まれた。
●「もう一度見たい あの名場面Best10」を発表!
あの名場面の裏では……?
最初のトークコーナーでは「もう一度見たい あの名場面Best10」と題し、観覧応募者から寄せられた名場面をランキング形式で発表。出演者たちがそれぞれの名場面の撮影秘話を語ると、来場者たちも真剣に耳を傾けていた。
第10位の「○○な正信」は、本多正信の登場シーンの中で「いつも何か食べている正信」「常に扇子を持っている正信」「小道具を盗んでいる正信」といった投票が多く寄せられランクイン。これについて正信を演じた松山は、
「正信が食べているのは味見なんですよ。例えば、豆を味見して持ち帰って、周りにいる知り合いに『これ、殿からもらった豆。おまえにだけにやる』と殿が言っていたと伝えれば、もらった者は殿のことを大好きになりますよね。そうすれば、殿のために一生懸命働くでしょ。そこを狙って、正信はいろいろな食べ物を物色して小道具として使っているんですよ」と解説。
家康への忠義の心を植えつけるために、正信が計算してやっていると説明すると、ほかの出演者たちも、そこまで深い設定があったことに驚きの表情を見せていた。
一方、第7位の「家康と三成 天体観測」は、松本にとって高校からの親友である石田三成役・中村七之助との記念すべき初共演シーン。松本自身も思い入れが人一倍あったようで、
「初めて一緒にお芝居させていただきましたが、後半のセリフなどはアドリブ的な部分があったので、ふだん七之助と話しているかのような阿吽の呼吸といいますか。非常にお芝居がしやすかったですし、彼は歌舞伎役者なので、所作などいろいろなところで『スゴイな!』と思う瞬間がたくさんありました。だから、彼が三成を演じてくれたことは僕にとってもうれしかったですし、かけがえのない友人とこの作品で一緒に共演できて幸せでした」と喜びを噛みしめていた。
そのほか、徳川四天王にまつわる裏話や、酒井忠次の代名詞「えびすくい」の知られざる撮影エピソードなども語られ、「どうする家康」ファンにとっては胸が熱くなる盛りだくさんの内容となった。
●山田裕貴が思わず赤面!?
刀剣好きから、本多忠勝にまつわる質問を聞かれ……
笑いあり、涙ありの名場面トークに続き、来場者の質問に出演者が直接答えるコーナーに突入。「ぜひ質問したい!」と多くの来場者が手を挙げる中、質問者に指名された女性が「アドリブ」について山田裕貴に質問を投げかけた。
Q:「忠勝が愛用した槍『蜻蛉切』について、山田さんのアドリブが採用されたと聞きました。山田さんの武器に対する思いをぜひお聞きしたいです」
自分への質問にうれしそうな表情を浮かべた山田は、「武器ではないですが、忠勝の持ち物という点で、第18回で叔父上(本多忠真/波岡一喜)とのお別れのシーンがありましたが、叔父上はお酒が大好きでひょうたんをいつも腰から下げていたんです。そのひょうたんを第19回からは、僕が身につけたいと思って、監督に相談して採用してもらいました。今振り返ると、これも1つのアドリブと言えるのかな」と照れくさそうに語った。
すると松本が、その質問者に対して「山田裕貴君のどんなところが好きですか?」と逆質問。「好きなところ……」と答えに迷っていると、すかさず山田は「えっ、僕のファンじゃないんですか??」と苦笑い。出演者たちもフォローに回ると、実は松本のファンだったようで、会場全体が笑いに包まれる一幕もあった。
●サプライズゲストの登場に、この日いちばんの大歓声!! 徳川vs.豊臣の結末は――最終回の見どころをPR
コーナー企画の合間のセットチェンジ中も、松本を中心に来場者と交流するなど、チーム家康の温かさに触れる時間も。そんな中、最後はサプライズゲストによるスペシャルトーク! なんと茶々役の北川景子、秀吉役のムロツヨシが登場。割れんばかりの拍手と歓声に、会場の熱気も最高潮に達した。
第39回の家康と秀吉の最後のシーンは、ムロにとっても忘れられない大事なシーンだったようで、撮影時をこう振り返った。
「松本さんがこのシーンは一緒に稽古をしたいということで、松本さんのおうちで2人きりで稽古させていただきました。照れくささもありましたけど、天下人同士の会話として脚本にプラスして何か肉づけできないかということでやりましたね。例えば、『秀吉は病弱だから、倒れそうになったら家康がここで支えよう』ということを動きの選択肢として提案して、監督にも採用していただきました。ただ、本番では家康の支え方が強すぎて、まるでラグビーのタックルのような勢いでしたね(笑)」
一方、お市と茶々の二役に挑戦した北川は、演じ分けるうえで苦労もあったようで、
「最初は2人の人物を演じることに自信がなくて、扮装で違いをつけていただいたりしました。自分でも顔を変えられない代わりに声を変えたりすることを意識しましたね。古沢さんからは『一人が二役演じるからこそ意義があるんですよ』と言ってくださって。まずは、後先考えずにお市を頑張って演じることに集中しました。お市を演じ終えて、みんなの前で一度クランクアップさせていただいたんです。そのときは終わったふりをして、1か月くらいたってから、茶々としてクランクインしたときは少し気まずかったですね(笑)」と本音をポロリ。
するとムロが、「北川さんが茶々を演じることが知られていない中、急に北川さんが『私、茶々なの』って僕に言ってきて、びっくりしたんですよ!」と仰天発言。北川も「どんどん終盤の出演者が発表されていく中で、茶々役だけ発表されず。それがすごくしんどくて、誰かに早く言いたくて耐えられなかったんです(笑)」と必死に弁解した。
予定していた2時間はあっという間にすぎ、出演者たちもたくさんのファンとの交流が実現できたことに、感無量の表情を浮かべていた。最後は、出演者を代表して松本が来場者に向けて感謝の言葉を伝え、感謝祭はフィナーレを迎えた。
今回の「どうする家康 ファン感謝祭」の模様は、12月10日(日)と16日(土曜深夜)の2回にわたって放送される。ドラマの放送と合わせて、ぜひお見逃しなく!
大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭~「皆のおかげじゃ!」~Vol.1
【NHK総合】12/10(日)午後5:30~5:59(29分版)
大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭~「皆のおかげじゃ!」~Vol.2
【NHK総合】12/16(土)深夜0:40~1:39(59分版)