ステラnetで、「みんなの子育て☆深夜便」に関するコラムを連載中の4児の母・モデルのasacoさん。彼女が企画運営に携わる「用賀サマーフェスティバル」は、地域住民が支え、学生主体で作り上げているお祭り。8/27(土),28(日)の本番に向け奮闘する様子をasacoさんが紹介します!

子どもができたことをきっかけに世田谷区用賀に住み始めて早15年。その町で、毎年夏休みの終わりごろにたくさんの人でにぎわいを見せるお祭りがあります。その名も用賀サマーフェスティバル」、略してYSF。

初めて出向いたのは、当時まだわが子が保育園児だったころ。町の夏祭りというと、いわゆる昔ながらの古き良きな雰囲気を想像しますが、YSFはちょっと洗練された都会的なイメージが印象的なお祭りで、よく保育園のパパママと連れ立って遊びに出かけたものでした。

そして、今ひたすらダンスに熱中する中3の長女がダンスを始めたのも、実はYSFのステージでとあるダンススクールのステージを目にしたのがきっかけ。4歳からその教室に通い続け、将来はダンスの道で生きていくと日々練習に励んでいます。

そんな、わたしにとって思い入れの深いYSFに、なんと今年は主催側で企画運営に携わることになりました。

経緯としては、コロナ禍に「チーム用賀」というFacebookの地元コミュニティーを見つけ、わたしがそこにアクセスしたのが始まり。その頃一気に盛り上がりを見せた音声配信SNS・Clubhouse、オンライン飲み会などを経て、急速になかよくなった男が「チーム用賀」の母体であり、YSFを主催するNPO法人neomura代表の新井たすくでした。

NPO法人neomura代表・新井佑

用賀生まれ、用賀育ちの彼は、知れば知るほどにおもしろい。YSFは当時大学生活にもんもんとしていた佑が「地元用賀でサマソニをやりたい!」と思いついて始まったことや、祭りがしたいがあまり魚屋さんに並ぶ知らないおばさま数人に突然「用賀で一番エラい人って誰ですか?」って聞いちゃうことだったり。(詳しいエピソードはコチラ)とにかく地元に賭けるエネルギーがすごいんです。

15年用賀に住んで、一度も自分の住む地域に関わろうと思ったことがなかったわたしですが、そんな彼との出会いをきっかけに用賀愛がどんどん深まり、気づけばわたしもneomuraの広報として仲間入りすることになり今に至ります。

会場のくすのき公園にて現地視察

さて、そんなわけでいざYSFの裏側に潜入すると、まずはその膨大な仕事量にがく然…。YSFは佑が学生の時に立ち上げたこともあって、毎年「学生主体」の実行委員を立ち上げるのですが、今年はコロナ禍を経て4年ぶりの開催ということもあって、まず学生同士の引き継ぎができていない。つまりほとんどゼロからのスタートな上に、例年なら準備に1年かけるところを今年は開催決定が遅れて2か月ほどしかない…。

そんな過酷な条件の中、ステージ、フード、広報、クリエイティブなど各セクションに分かれて日々激務をこなす学生たちの姿を見て、いままで当たり前に享受していた地元のお祭りがこれだけたくさんの人たちの労力のもとに成り立っていたことに衝撃を受けたのでした。

もうひとつ驚いたのが、協賛金さえも学生たち自らが営業して取りに行くということ。もちろん営業経験なんてまったくない学生たちに、佑がそのノウハウを叩き込み果敢に送り出すのです。その指導たるや、もう会社の新人研修並みの手厚さ。他のセクションも含め、彼が学生たちにかける情熱は生半可じゃありません。

フードの試作会。味決めはもちろん、原価から利益率を叩き出す作業も!

とはいえですね、もちろんトラブルだって多々あります。責任感が強いがゆえにメンタルをやられてしまう子、ケンカをしてやめてしまう子、思い悩む学生をたくさん見てきました。

そして基本なにがあっても「おもしろファースト」な代表の佑でさえ、いつになく時間のない中で準備をしなければいけない重圧に負けて、しばらく闇に籠もっていたのをわたしは知っています…。当日が10日後に迫る時点で協賛金が30万くらいしか集まっていなかったし、そりゃそうだよね。

でも、ここで終わらないのがYSF。だったら、かかる経費をすべて可視化して、地元の人が多く集まるチーム用賀に支援を募ろうと思いつきました。題して「個人寄付祭り」。協賛金集めも楽しくお祭りにしちゃったのです。

そしたら、たった2日間で目標額の85%のご支援が! 逆境から見えてきたのは、佑が長年かけて築き上げたYSFが、地元のみんなに愛されてきたかけがえのないお祭りだという事実でした。なかには、他県から私たちの活動に賛同してくださる方もいて感激。。。

ラジオの音声収録でYSF を語る、佑(写真右)と実行委員代表の駒大2年はるき

今回初めてYSFの企画運営に携わってみてしみじみと感じたのは、お祭りは絶対に1人ではできないってこと。まずお祭りを開催する以前に、その街の人たちとの関係性がいかに築けているかがとても重要なのです。

佑は日常的に、誰よりも用賀に住む方々とのコミュニケーションを大切にしています。YSF当日がその”お披露目”だとしたら、実はお祭りって日々少しづつ町の人たちとみんなで作り上げているものなんだなぁって実感しました。

だから、たとえお祭りに直接関わっていなくても、YSFを一緒に作ってくれている人はたくさんいる。そして誰だっていつでもその1人になれるのだから、まずはぜひ「お客さん」という形からYSFの仲間になってみませんか? 来年はスタッフとしても、大歓迎です!

「第15回 用賀サマーフェスティバル」
日程:8/27(土),28(日) ※雨天決行、荒天時中止
時間:15:00-20:30
場所:用賀くすのき公園内一帯
〒158-0097 東京都世田谷区用賀4丁目9-12
主催:用賀サマーフェスティバル2022実行委員会 / NPO法人neomura
お問い合わせ先:用賀サマーフェスティバル2022実行委員会(広報担当)
ysf015@neomura.or.jp
公式ホームページ: https://www.youga-festival.com/ 

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モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(15歳、13歳、10歳、5歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。