「アニ×パラ~あなたのヒーローは誰ですか~」
第15弾:パラバレーボール(座位)×ハリガネサービス(原作:荒達哉)

初回放送
【アニメ本編】8月22日(月) BS1 午後9:45~9:50
【テーマ曲版】8月22日(月) BS1 午後9:50~9:55

※初回放送以降、BS1、総合テレビ、Eテレで【1分版】を含めて随時放送予定。これまでの「アニ×パラ~あなたのヒーローは誰ですか~」と同様にNHK for School 内の番組サイトで配信。
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☆アニメ制作の舞台裏とともに作品を楽しむ「アニ×パラ ワールド」も、8月末に放送予定!【詳細は、8月22日(月)に発表】

日本が世界に誇るアニメでパラスポーツの魅力を国内外に発信し、パラスポーツの普及や共生社会の実現を目指していくプロジェクト「アニ×パラ~あなたのヒーローは誰ですか~」。その第15弾となる『パラバレーボール(座位)×ハリガネサービス』(概要はこちら)が、いよいよ放送になる。

2024年のパリ大会に向けて新たな取り組みをスタートさせた「アニ×パラ」は、今回、パラバレーボール(座位)という競技の魅力をどのように伝えようとしているのか。その制作の舞台裏を含めて紹介していこう。


「ハリガネサービス」作者・荒達哉が全面協力
これはもう、原作のスピンオフ!?

今回「アニ×パラ」がコラボレーションしているのは、高校バレーボールの世界を舞台にした人気マンガ「ハリガネサービス」(秋田書店刊)。

作者のあらたつは高校時代にバレー部に所属しており、練習風景などのリアルな描写を含めて、手に汗握る物語の展開が高く評価されている。現在は、続編となる「ハリガネサービスACE」が「週刊少年チャンピオン」(秋田書店刊)で連載中。多くのファンが「早くアニメ化を!」という声を上げていた作品で、それが「アニ×パラ」とのコラボで実現した形となった。

主人公は、中学時代にアキレス腱断裂の大ケガを負った、しもだいらかんな。それでも彼はあきらめずに地道に練習を続け、狙ってネットインサーブができるほどの驚異的なサーブテクニックを身につける。決して強豪ではない公立高校に進学した彼は、そこで固い絆で結ばれる仲間たちと出会い、高校バレーの頂点を目指すことに……。

ⓒ荒達哉(秋田書店)/NHK

今回の「アニ×パラ」では、そんな下平がバレー部の仲間と一緒に、パラバレーボール(座位) 日本代表と世界屈指の強豪であるイラン代表との試合を観戦。
ところが、いつの間にか日本代表のピンチサーバーとして試合に出場することに! 身長2メートル46センチの相手選手が立ちはだかる中、下平はサービスエースを決めることができるのか!?

原作の荒達哉は、実際にパラバレーボール(座位)のチームの練習に参加して、上下動を使った体重移動の難しさや、片手でのプレーが増えるゆえの難易度の高さなど、健常者のバレーとの違いを体験。そこで感じたことも、作品の参考にしたという。

荒達哉

話の流れとして、やっぱりパラバレーのいちばん盛り上がっているところに下平たちがアクセスしないと意味がないと思ったので、そのファンタジーをどう成立させるのかを意識しました。

登場するイラン代表のテヘラニ選手は、世界一の選手と言われているモルテザ・メヘルザードセラクジャーニー選手がモデルになっています。でも、そんな選手を擁するチームが、いくらサーブがすごいといっても一介の高校生である下平に簡単に負けることもないだろうと思いましたし、テヘラニを“やられキャラ”みたいに描くのも嫌でした。

パラバレーには、サーブをブロックできるという独特のルールがあって、特に身長が2メートル46センチというモルテザ選手は、それを非常に行使しやすい体格です。だから、彼のプレーの映像を見たり、実際に対戦した経験のある選手の方にプレーの感想を聞いたりして、イメージを膨らませていきました。戦略として相手の狙いをどう外していくのか、というような駆け引きはかなり考えましたね。

荒がマンガを描くときは、主人公の下平が戦略を考えるのと同様に、対戦相手側の思惑を含め、常に両方の視点で物語を考えていくという。そんな考えも織り込みつつ、荒は作品の中での下平のプレーを構成。
また、オリジナルの登場人物となる日本代表のキャプテン・なみしゅんやテヘラニらのキャラクター・デザインも担当した。

波田瞬とテヘラニ。 ⓒ荒達哉(秋田書店)/NHK

荒達哉

意識したのは、パラアスリートをかっこよく描きたい、ということです。テヘラニについては、海外の選手名鑑も見ながら、顔立ちや髪型のイメージをもらったりしました。ひげなどは、現実よりも多少マンガ的にして(笑)。スター選手なので、かっこよく、迫力があるように、という感じでした。

「ハリガネサービス」というタイトルからもわかるように、原作のマンガでは下平がサーブを打つ場面、右手を針金で固定してサーブを打つイメージとして、手に針金が巻きついていく独特の描写がある。
このシーンは、もちろん今回の作品にも登場。アニメならではのダイナミックな映像表現が駆使された描写も見どころのひとつだ。

ⓒ荒達哉(秋田書店)/NHK

荒達哉

とにかく「ハリガネサービス」は下平がサーブを打つ! というところにおもしろさがある作品なので、それも楽しんでいただけばうれしいなと思います。ただ、針金が出てきたり、ネットインサーブが狙ってできるのは、言ってみればファンタジーなので、それ以外のサーブの構えだったり、バレーボールとしての動きについては、リアルなものにしてほしいとアニメのスタッフの方たちにお願いしました。そして、スポーツをする楽しさが伝わればいいな、と。

自分でもパラバレーを体験して、すごくおもしろかったんですよ。スポーツって結局、すごくシンプルで、やるとおもしろい、体を動かすと楽しい。だから、パラスポーツをプレーする機会がある方はどんどんプレーしてみるといいと思うんですよね。そういうことの橋渡しとして、自分が今後も何かできることがあるんだったら、ぜひやっていきたいと思っています。
「ハリガネサービス」作者・荒達哉。

(⇒次の記事では、アフレコ現場への直撃取材でメインキャストの声を紹介!)