これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
番組視聴者の河野陽仁くん5歳(本当は6歳)から届いた素朴なギモンは、「どうして人には、手に線が入っているの?」というもの。さあ、きれいな手をした大人の皆さん、遠慮なくお答えください!


答え:お母さんのおなかの中で手を握ったから

詳しく教えてくれたのは、東京慈恵会医科大学の宮脇剛司教授。

いわく、「手のひらにある線は〝せん〟とも言って、医学的に非常に重要なものなんです」。顔や手のケガや疾患を主な専門とする宮脇先生は、この線で手の神経や血管の位置を推測し、手術を行うこともあるのだとか。

しかし、人間の手には、もともと皮線があるわけではありません。実は、お母さんのおなかの中にいるとき、つまり、胎児のときの〝ある動作〟によって線が刻まれると言います。

それは、妊娠2か月ほどで骨ができ、筋肉ができたころ。ようやく胎児は自分の手を握ったり開いたりできるように。

つまり、いわゆる「グーパー」をすることで、手のひらの線が刻まれると考えられているのです。そして、そのときの強さや回数、骨の大きさが胎児によって違うため、刻まれた線の長さや形も人それぞれ異なるのです。

手相でいうところの「感情線」「頭脳線」は、人さ し指から小指を曲げることで刻まれた線。「生命線」 は、親指を折りたたむことで刻まれた線。
大人になってからも手を握る力や使う頻度で、手のひらの線は変化しうるという。特に最近の若者は、スマホの操作で、親指をよく使うので、「生命線」が濃くなるかも?

これによって生まれたのが、手のひらの線の入り方や長さによって人の運勢や性格をうかがう〝手相占い〟です。なんと、紀元前3000年ごろには古代インドで始まっていたとか。その後、中国、ヨーロッパに伝わったと言われているそうです。

(NHKウイークリーステラ 2022年2月11日号より)