これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
2022年最初の放送は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とのコラボスペシャルでした。まさに今、活躍中の武将たちに、チコちゃんがぶつけたのは、こんなギモン!


答え:平氏が赤 源氏が白だったから

詳しく教えてくれたのは、東京大学史料へんさん所の本郷かず教授。

運動会の赤組・白組のルーツは、平安末期に勢力争いを繰り広げていた武士の二大勢力、平氏と源氏が関係していると言います。

確かに、彼らの戦いを描いた軍記物語『平治物語』の記述にも、源平合戦の様子を描いた絵の中にも、平氏が赤い旗を、源氏が白い旗を掲げる姿を見ることができます。

西の平氏、東の源氏。彼らの戦いは、さまざまな作品に描かれ、後世に伝えられていった。そして、彼らのイメージカラーも印象深いものとして残り、2つのものが競うときの相対する色として引き継がれていったと考えられる。

なぜ、そんな色分けをするようになったのか?
当時の武士の戦い方に注目してみると……たとえ戦場であっても、「我こそは○○の△△なり」と、〝名乗りあっての一騎打ち〟が暗黙のルール。

こうすることで自らの正々堂々とした姿勢を示せるうえ、誰が誰を討ったのかもわかるようになっていました。しかし、合戦が大規模化・全国化していくにつれ、奇襲をしたり、大勢での襲撃を行ったりと、戦い方に変化が出てきます。いわば、個人戦から集団戦へ──。

赤は太陽の色で、天皇家の祖先とされる太陽神、天照大神をあらわす。そこで天皇家とのつながりを主張したい平氏は赤を選び、白は神の清らかさをあらわす色で、八幡神を信仰する源氏は白を選んだ、など。いろいろな説がある。

このとき、問題になったのは、敵味方の判別でした。大人数の中で、似たようなよろいかぶとをつけた武士たちが入り乱れると、もはや誰が味方で、誰が敵なのか、瞬時に見分けるのは難しかったのです。

そこで、平氏は赤の旗を、源氏は白の旗を掲げて、敵味方を判別しやすくし、同士討ちすることがないように、戦うようになったというわけです。

(NHKウイークリーステラ 2022年3月18日号より)