レモンをもっと楽しもう!  自家製ドリンク&料理活用法を紹介

12月は、国産の黄色いレモンが旬を迎える時期。そこで、レモンをこよなく愛する達人たちに、おすすめの楽しみ方を聞きました! レモンの栽培法などに詳しい園芸家の国吉純さんに教えてもらったのは、こだわりがつまった「レモンスカッシュ」の作り方。

そして、東京都内のレモン料理専門店で料理長を務める大場汐理さんから教わったのは、ちょっと意外なレモン果汁の使い方。どちらもとっても簡単。ぜひ、ふだんのレモン使いの参考にしてください♪


究極のレモンスカッシュ

材料(1人分)・レモン(国産)…2個 ・ガムシロップ …適量 ・炭酸水…100㍉リットル ・氷…適量

作り方
①レモン1個を斜め(X状)に切り、皮を下に向けてしぼる。
②①のレモン果汁とガムシロップを合わせて、レモンシロップを作る。
③別のレモン1個を3~5㍉厚さの輪切りにしたら、グラスの内側に、氷でおさえるようにして数枚はりつける。
④③のグラスに、②を半分入れる(分けて入れれば底にシロップがたまらない)。
⑤炭酸水をゆっくり泡立たないようにそそぐ。
⑥残りの②を入れたら、炭酸が飛ばないよう、マドラーなどで氷を持ち上げるようにして軽く2〜3回かき混ぜる。
※苦みがほしい場合は、レモンの皮のすりおろしや千切りを加えるとよい。

氷の下にレモンが埋もれることなく、最初から最後までレモンの風味を楽しめる。

果汁を出し切る! レモンの切り方&しぼり方

●斜め(X状)に切るべし!

果汁を取るときは、レモンに対して斜めに刃を入れ、4つに切ったものを使うのがおすすめ。果汁を最後までしぼりやすくなります。


●皮を下にしてしぼるべし!

よりレモンの香りを楽しみたいときは、皮を下に向けてしぼるのがおすすめ。しぼり出された果汁が皮をつたうことで、香り成分を多く取り込めます。


レモンクリームスパゲッティ

材料(1人分)・スパゲッティ…100㌘ ・ベーコン…50㌘ ・たまねぎ…1/4個(50㌘) ・オリーブ油…小さじ3 A{・生クリーム/牛乳…各100㍉リットル・レモン汁…小さじ2} B{・塩/こしょう…各少々・コンソメスープのもと(粉末)…3㌘}

作り方
①スパゲッティを袋の表示どおりにゆで始める。
②フライパンにオリーブ油を入れて温めたら、細切りにしたたまねぎとベーコンを入れて炒める。
③たまねぎがしんなりしてきたら弱火にしてⒶを加え、とろみがつくまで4分ほどかき混ぜながら火を入れる(絶対に焦がさないように注意!)。
④スパゲッティがゆであがったらザルで水けをきり、③に入れてあえる(クリームが薄まるのでゆで汁は入れない)。
⑤Ⓑで味を調え、器に盛る。

果汁を徹底活用! レモンの意外な使い方

●たまねぎの辛み抜きに使える!

切ったたまねぎを水にさらして辛みを抜くとき、レモン果汁を加えると、素早くしっかり辛みが抜けて時短に! 水に対して10㌫加えるのが目安です。

※レモン果汁を水に加えると水全体が酸性に。すると、たまねぎの辛み成分を作り出す酵素の働きが抑えられるので、効率よく辛みを抜ける。さらに、たまねぎに含まれる抗酸化物質が流れ出るのを抑制する効果も。


●魚の臭み抜きに使える!

例えば煮魚などの魚料理を作るとき、生の状態の魚にレモンをしぼるだけで臭み抜きが完了。しょうがと違って、すりおろす手間もいりません!

※魚の臭みのもととなる成分はアルカリ性なので、酸性のレモン果汁と合わさると臭わない物質に変化。実は、しょうがよりも消臭効果は高い。


●クリームソースを濃厚にするのに使える!

家庭で作ると、なんだか水っぽくシャバシャバになってしまいがちなクリームソース。しかし、レモン果汁を加えるだけで、うまくとろみがついて濃厚な仕上がりに。パスタにもよく絡むようになります。

※レモン果汁にはタンパク質を変性させる作用があるため、牛乳に加えると固める働きをする。一方、生クリームがそれをやわらげるため、そのバランスから、トロッとしたとろみが生まれる。

協力/栄養士・佐藤秀美

(NHKウイークリーステラ 2021年12月17日号より)