北海道の東部(道東)、知床半島、野付半島、根室半島は自然に恵まれた地域。根室ネイチャーセンターでガイドを務める澤尾秀勝リポーターが自然界の熱い戦いについて紹介します。

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本格的な冬を目前にして、森ではエゾシカの雄たちが熱く激しい戦いを繰り広げています。

エゾシカは春に抜け落ちた雄ジカの角が成長し武器となる秋に繁殖期を迎えます。縄張りと強さを誇示するかのように甲高い鳴き声を響かせ、子孫を残すために激しく戦います。強い雄だけが雌たちを囲いハーレムを作り子孫を残すことが許されるのです。

厳しい冬を乗り越え、また来年の秋に向けて戦いの準備が整えられていきます。

戦いに敗れた雄たちが、厳冬期にじゃれあう様子。 標津(しべつ)町・野付半島にて撮影。

この時期ならではのタンチョウの給餌は、鶴居(つるい)村にある、(公財)日本野鳥の会の
タンチョウ保護施設「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」で見られます。

知床半島・羅臼(らうす)町にて、オオワシを撮影。
根室市・納沙布(のさっぷ)岬からの日の出。写真提供/根室市観光協会
澤尾秀勝 (さわお ひでかつ)
根室ネイチャーセンター代表。バードウオッチングなどアウトドアガイドとして活躍。「日本列島くらしのたより」に出演中。

(月刊『ラジオ深夜便』2021年12月号より)