沖縄では多くの行事を旧暦で行います。先祖を家に迎え、家族や親戚と一緒に過ごす旧盆もその一つです。沖縄の人が大切にしている旧盆の風景を、伊敷聡子リポーターが紹介します。

先祖を迎え、親族が集まって仏壇を拝む「ウートートー」。

ご先祖様を大切にする沖縄の人にとって、旧盆は大切なガン行事の一つ。準備も大変で、主婦は新しい年を迎えると真っ先に旧盆の日にちをチェックするといわれるほどです。

初日は先祖をお迎えし(ウンケー)、炊き込みごはん(ジューシー)を食べます。そして中日(ナカヌヒー)に親戚を回り、3日目は先祖を送り出すウークイ。親戚の家に大勢集まって、先祖が寂しがらないよう夜遅くまでしゃべったり歌ったりにぎやかに過ごします。

この日は、各地の青年会がエイサーを踊りながら、道々を練り歩きます。太鼓やさんしんの音色が響く中、親戚と楽しい時間を過ごしたご先祖様は、再びあの世へと帰っていくのです。

ウチカビ(あの世のお金)を燃やして先祖に“送金”する。
最終日、門の前で先祖を最後のお見送り。
盛り上げ役のチョンダラー。沖縄全島エイサーまつりで。
黒染めの絣(かすり)に素足で踊る平敷屋(へしきや、うるま市)の伝統的なエイサー。
いしき・さとこ
NHK沖縄放送局キャスターを経て、現在は司会業。「日本列島くらしのたより」に、8/14(水)ほか出演。

撮影/平良美紀代、OCVB、へしきや写真館
(月刊誌『ラジオ深夜便』2024年8月号より)

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