これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
大根は野菜、リンゴはくだもの。でも、メロン はどっち?誰もが一度は悩んだことがある(かもしれない)このギモン。この際、はっきりさせておきましょう。さて、その答えとは......。


答え:バンラバラ

詳しく教えてくれたのは、恵泉女学園大学で長年にわたって野菜園芸学を研究している藤田さとし教授。
いわく、「野菜とくだものを分類する定義は、ひとつに統一されておらず、省庁によって異なっています。学問分野においても、農学と園芸学とで分類が違っていたり、まさに“バンラバラ”!」。理由は、この2つを分類する“目的”が、それぞれ異なっているため。

例えば、農林水産省では、「草(草本植物)になるもので、1年以内に種まきから収穫までを終えるもの」を野菜と分類。
そして、「2年以上栽培し、果実を食べるもの」をくだものとしています。これは、栽培期間によって農林水産省としてとるべき政策が変わってくることから、主に農作物の“生産面”に着目した結果です。

“生産面”に重きをおいて、1年で収穫できるのかできないのか、(別の農作物に)変えられるのか変えられないのかで野菜とくだものを分類。

一方、管理栄養士などが活用する『日本食品標準成分表』を 作成している文部科学省が重視するのは、“食生活”という観点。
例えば、「デザートとして食べられることが多い=くだもの」というように、より人々の生活にそった分類となっています。

私たちの健康管理のための指標としても役立っている 『食品成分表』。調べやすいように、実際の“食生活”にそった分類で項目立てしてある。

ほかにも、厚生労働省は「食品の安全」、 総務省は「消費動向の把握」などが主な目的です。
 つまり、それぞれがそれぞれの目的に応じた分類をしているのが現状というわけです。

(NHKウイークリーステラ 2021年5月21日号より)