第2週のタイトルは「フシアワセさん今日は」
主人公たちが見舞われるフシアワセの数々に、温かい気持ちとユーモアで立ち向かっていくお話でした。
俳優のみなさんの息の合ったやり取りなど、素敵なシーンを振り返ります。
もちろんネタバレですので、ご承知おきください。
結太郎を亡くした朝田家をフシアワセが襲う⁈

「朝田結太郎墓」
石屋の釜次(吉田鋼太郎)が、亡くなった息子、結太郎(加瀬亮)の墓石を完成させるシーンからスタート。
墓の前で手を合わせる家族。のぶ(永瀬ゆずな)は別れ際に父からもらったソフト帽を墓石にそっと置くのだった。
あんぱんで元気をもらった朝田家の面々。屋村草吉=ヤムおんちゃん(阿部サダヲ)にお礼を言うと、屋村は
「ああ、そりゃよかった。では、ひー、ふー、みー、よ。大人4人で40銭です」と代金を請求する。
祖父・釜次「ほんまに銭とるがか?」

働き手を亡くした朝田家は、困窮していた。
母親の羽多子(江口のりこ)は饅頭屋の箱作りの内職をもらってくるが(※江口のり子インタビュー)、それもすぐに終わり。釜次は和尚(斉藤暁)に小さな仕事でも回してほしいと懇願する。
そんな時、釜次の仕事場に立ち入った末っ子のメイコ(永谷咲笑)に向かって大きな石材が倒れかかり、かばった釜次が全治3か月の大けが。石屋の仕事もストップしてしまう。朝田家はいよいよ、食べ物にも事欠くように。
事情をわかっているのぶはお弁当も「いらない」と断って登校。夜中、大人たちがひそひそと、今後のことを相談している様子を、布団の中でじっと聞いているのぶなのだった。
「あんぱんも、のぶの気持ちも、あったかいがやねえ」

「えいこと思いついたがよ!」
学校から突然走り出したのぶは、ヤムおんちゃんの手を引っ張ってうちへと帰ってくる。
「このおんちゃんに、あんぱんを焼いてもろうて、うちんくで売るがやき! どうでぇ?」
怒る釜じい・吉田鋼太郎と、憎まれ口を叩く阿部サダヲの丁々発止のやりとりは「フシアワセ」に明るく立ち向かうコミカルシーン。しかし……釜次とヤムおんちゃんの喧嘩別れでこのラウンドは終了。
のぶ「あのおんちゃんのあんぱんには、みんなを元気にする力があるがやき」
羽多子「のぶ、あんたはえい子やね。あんぱんも、のぶの気持ちも、あったかいがやねえ」

釜次とやりあったヤムおんちゃんは、町を出ていこうとする。
それを駅でつかまえ追いすがるのぶ。
「ヤムおんちゃんのあんぱんは、悲しい人を元気にして、笑顔にする力があるき。力を貸してほしいがよ」
それを振り切って出ていく阿部サダヲ。走り去る汽車……

駅のベンチにしょんぼりと座るのぶと嵩のもとに、出ていくのをやめたヤムおんちゃんが戻ってくる。
「団子屋呼んで来い! あんこがなきゃあんぱんにならねぇだろ!」
朝田家のフシアワセにちょっと光が差した火曜日。
「結太郎さんも夢枕に……もし立ったら賛成してくれると思います」

「一回だけだぞ」と朝田家に乗り込んできたヤムおんちゃん。
パン作りはまず、石窯作りから。そこは石屋、材料はある。
一方でパンの生地を作る。小麦粉と砂糖を“土手にして”中に卵を割り入れて混ぜていく。ちょっともんじゃ焼きのイメージ。この時代のパン作りを再現したというが、両手の指を使ってゆるゆると混ぜる様子は、見ているだけで、ひんやりとした感触が想像できて気持ちいい。

そしてパンが焼きあがった。
最初のパンは1個2銭にディスカウント。近所の人たちに買ってもらった。採算がちょっと心配(笑)。

焼きあがったあんぱんを一つもらってきて、弟の千尋に食べさせる嵩。
「父さんと母さんとみんなでパン食べたの憶えてるか?」
「お兄ちゃん、かあちゃまいつ帰ってくるが?」
そう、弟の千尋は養子になる前の家族のことを憶えていたのだった。
一方、朝田家では母の羽多子が覚悟を決めていた。
「屋村さん、あてにパンの作り方を教えてもらえませんろうか?……
……あてにできることはこれかもしれんと思うたがです」
反対している釜次にも頭を下げる。「ここでパン屋をやらせてください」
羽多子「結太郎さんも夢枕に……」
くら「結太郎が夢枕に、立ったがか?」
羽多子「もし立ったら賛成してくれると思います」
と、スッとぼけた「夢枕発言」に力が抜ける。
そしてとうとう、釜じいが折れる。
「だまらっしゃい! おまんみたいな鼻持ちならんがぁに、羽多子さんとのぶがアタマ下げゆうがじゃき、つべこべ言わんとやれっ!」
屋村「はあ?」
釜次「豪(細田佳央太)と一緒にすぐにちゃんとした窯作っちゃる。その代わり、手を抜いたパン作ったりしよったら許さんきねや」
このシーンは、バタコさん誕生!とネットも盛り上がりを見せた。吉田鋼太郎と阿部サダヲの息の合ったやりとりも圧巻。フシアワセさんと向き合う朝田家はユーモアにあふれている。

翌日。ヤムおんちゃんが道具を揃えている間に、釜次たちは立派な石釜を完成させていた。
朝田パン開店。
「ここに来ちゃ、もういけないの」

嵩のもとに、母・登美子(松嶋菜々子)からハガキが届く。
「たまるか~(すごい!)」と一緒に喜ぶのぶ。
そのころ、嵩の弟・千尋は熱を出して苦しんでいた。
「かあちゃまに会いたいき」という

どうしたらいいか悩んでいた嵩にのぶが言う。
「ほいたら、連れてきたら?はがきが来たっちゅうことは、住所はわかっちゅうがやろ?会いに行って、連れてくりゃあえいのに」
嵩は母の住所をたよりに、一人で高知市内へ向かったのだった。

出てきた母・登美子の困った顔。その第一声は、
「何しに来たの?」
「ここに来ちゃ、もういけないの。おじさんのところに帰りなさい」
お腹空いてるでしょ? とお金を渡そうそする母を振り払って駆け出す嵩。
嵩は、またも母から“捨てられた”のだ。
そのころ、姿が見えなくなった嵩を柳井家の面々が探し回っていた。
「うちのせいや。うち、嵩に行って来いって言うてしもうた」
落ち込むのぶに母・羽多子が声をかける。
「うちらもあんぱん、売りにいこ」

夕暮れ、道端でうずくまる嵩を見つけて
羽多子「あんぱんどうぞ」
のぶは「慌てて食べたらのどに詰まるで」と水筒の水を飲ませる。
フシアワセさんとそっと寄り添うような、のぶと羽多子なのだった。
今田美桜と北村匠海登場!

そしてこの週のラストシーンは7年後の昭和9年。
いよいよ主演・今田美桜と北村匠海の登場だ。(※今田美桜インタビュー)
学生服を着て一緒に学校に向かう嵩と千尋(中沢元紀)を追い抜いていく女子生徒。おさげ髪ではかま姿、着物は鮮やかなオレンジ色だ。のぶは高等女学校の4年生になっていた。

それぞれが出会う「フシアワセさん」たちを柔らかにかわした一週間でした。
さて、来週のタイトルは「なんのために生まれて」。ご存じアンパンマンのマーチに登場する一節です。
どんな言葉が、シーンが、登場するんでしょうか?
ほいたらね!