10月7日(月)からスタートする夜ドラ「未来の私にブッかまされる !?」の記者会見が行われ、主演の綱啓永さん、共演の久保史緒里さん、高橋克典さん、制作統括の村山峻平さんが登壇した。
本作の主人公は、市役所職員として働き、リスク回避の安定人生を送っていたはずの五十嵐頼人(綱啓永)。
恋人の筒井凜(久保史緒里)にプロポーズをする直前、突然、“未来からやってきた30年後の頼人”だと主張する謎のオジサン(高橋克典)が目の前に現れ、「大失敗の人生になる」と、プロポーズをやめるよう忠告される。
このことがきっかけで、頼人が、今までフタをしてきた夢や仕事、恋愛といった人生の宿題に向き合うことになり、予想もつかない人生が切り開かれていくタイムトラベルドラマだ。
キャスティングのイメージは“エネルギッシュ”かつ“チャーミング”
制作統括の村山は、キャスティングについて、こう語る。
「“ブッかまされる!?”というタイトルも含めて、本当にエネルギッシュなメンバーが集まった作品になっています。私としては、今のような困難な時代に、夜に1人でちょっとつらいなとか、思い悩む瞬間というのは誰しもあるんじゃないかと感じていて。その時にふと寄り添えるドラマがあったらいいなと。
出演者も、視聴者の方に寄り添えるキャラクターを演じてくださる方々に集まっていただきたいと思い、“チャーミング”というイメージを持って、キャスティングしました」(村山)
また、主人公の頼人を演じる綱は、本作がNHKドラマ初出演にして、初主演となる。
「最初、主演を務めることに対して、とてつもないプレッシャーというか、すごく悩んだりしたんですけども、顔合わせの時に、制作統括の村山さんがおっしゃったんです。『緊張や失敗を恐れないで、この現場に来ることを楽しみながら挑んでほしい』と。
その言葉がすごく印象に残っていて、僕は今、それを軸にして頑張っています。まだ撮影中ですが、最後まで全身全霊で、全力で五十嵐頼人を演じます」(綱)
作品の中には、夢も未来もいっぱいある
一方の久保は、もともと自身が「夜ドラ」枠のファンだったと告白。
「私自身、すごく夜ドラが好きでしたし、家族や親戚など、夜ドラを毎晩の楽しみにしている人が周りに多かったので、そこに自分が参加できることが本当にうれしいなと思いました。
現場で個性豊かな方々に囲まれて、皆さんに私自身も影響を受けながら、楽しく撮影をさせていただいてます。この時代だからこそ伝えたいメッセージが込められているので、放送を楽しみにしていてください」(久保)
そして、30年後の頼人である“オジサン”を演じる高橋克典さんは、2022年の朝ドラ「舞いあがれ!」への出演を引き合いに出し、
「夜の顔からやっと『舞いあがれ!』で朝の顔になったと思っていたら、また夜に戻されました(笑)。(本作の)何がチャーミングかといえば、まずはお話がとってもチャーミングでかわいいんです。
人は常に選択して生きているわけですから、あの時あちらを選んでいたらどうなっていたかなってことは、誰もが感じていることだと思います。『お前、ほんとにそれでいいのか』と。誰もが共感できて、しかもそれをポップに楽しく描いています。また、作品の中には夢も未来もいっぱいあります。
過去を振り返っているのは、30年後の頼人である僕一人。若者たちに混じって、 爽やかな気持ちで、爽やかでないおじさん役をやらせていただいております」(高橋)
と、茶目っ気たっぷりに語った。
人は一生懸命毎日を生きていて、その姿が愛おしい
30年後の自分である高橋と共演する綱は、同一人物である2人のささいな仕草が重なるよう、相談し合っていることを明かした。
「克典さんと癖などを相談しながら作っているんですけど、最近は克典さんをよく見ていて、今も座り方を真似しています。それが自分の日常になっています(笑)」(綱)
そして3人は、それぞれのキャラクターについてもコメント。
「頼人はいい意味で普通の役。頼れる人って書いて頼人という名前のように、普段なよなよしているように見えるけど、どこかで頼れるところが愛おしいです。それに、夢と凜ちゃんに向かってまっすぐ突き進むところもすごくかわいい。そんなところが頼人の魅力なのかな」(綱)
「凜は、自分の周りにいる人だけじゃなくて、いろんなものに対する愛情や思いやりを持っているところが魅力。自分の周りが変化していく中で、彼女も影響を受けていくわけですが、内に秘めたものがありつつも、それを表に出すよりも、周りを考えて行動するところがすごい。
でも、凜ちゃんも考えていることや、思っていることがあって、自分自身でどう進んでいくのかが見どころであり、その凜々しさみたいなものも魅力だと思っています」(久保)
「僕の役は、あることをきっかけに自分の過去を変えたいと思って30年前に戻ってくるんですね。僕にも思い当たるところがあると言いますか、振り返ってみるとたくさんありますから。
オジサンは堅実な幸せを追ってきて、若い頃に見た大きな夢を封印してきてるので、そっち側の人生にしたい。これって、誰しも思うことなんじゃないかなと思ったりします。でも、人ってそれでも一生懸命毎日を生きていて、そういう姿を見ていると、愛おしいなと思うわけですね。
オジサンは、ドラマの最後の方にすごくいいことを言っていて、『そうだったな』と思うことがあります。こういう場(会見)で、おじさんの言ったことは大体使われないですけど(笑)、ぜひそのあたりを楽しみに、最後まで見ていただけたらうれしいなと」(高橋)
そして、俳優として多くの経験を積んできた高橋の存在は、綱に大きな刺激を与えていると綱は絶賛。
「克典さんはやっぱりすごいなって、刺激を受けてて。セリフがないところや、間を埋めてくれるのは克典さん。僕はそこに乗っかっていくだけで、そのシーンが良くなる。いつか自分もしっかりできるようにならないと、と思っています。
お芝居以外では、僕が現場で疲れを見せてしまった瞬間があったんですね。そうしたら、克典さんが『大丈夫か? 疲れるよな。でもそれが主役の宿命だ』って言ってくださって、僕は頑張らないと、って思えました。メモに書いてるんですけど、普段から克典さんに常に支えられています」(綱)
それを受けて高橋が「ちょっと、あとで何か奢るわ(笑)」と返し、会場の笑いを誘った。
綱がいる現場は和やかで和気あいあい
また、NHKでの初出演と初主演ということで、日々奮闘している綱の座長ぶりについても、久保と高橋から称賛の声があがった。
「綱さんがコミュニケーションをすごくとってくださる方なので、頼人くんがいる現場は和やかで和気あいあいとしてる感じがありますし、いてくださるだけでみんなから愛されるような魅力のある方だなと。ついていきたいと思っています」(久保)
「空気清浄機みたいな人ですよ。爽やかだしね。彼がいると、別にワイワイするわけでもないんですけど、なんとなく場が明るくなるというか、空気が良くなるというか。頼人がいなくて、僕だけの時とか、どよんとしてますもん(笑)」(高橋)
それを聞いた綱が、
「もしも僕が30年後に、こんなイケオジの克典さんになれるならめちゃくちゃうれしいです。正直、最初は勝手なイメージで怖い方なのかなと思っていたんですけど、実際お会いしたらほんとに優しいですし、尊敬もしていて。30年後の頼人が克典さんでよかったって思っています」(綱)
と、高橋への感謝を述べると、高橋もまた、
「啓永は、頼人の30年前をドンピシャで演じられてるなと思いますね。まっすぐで、とってもきれいな気持ちで、真面目で。僕が20代の頃は時代も時代でしたし、石鹸の香りがしそうな感じではなかったので、過去を替えることができたみたいですごくラッキーです(笑)」(高橋)
と応え、会見をしめくくった。
個性豊かなキャストが集った「未来の私にブッかまされる」。これから夢を追う若者も、「あの時こうしていたら……」とふと考えてしまうミドルエイジも楽しめるドラマになりそうだ。
夜ドラ「未来の私にブッかまされる !?」(全8週・32話)
2024年10月7日(月)スタート
毎週月曜~木曜 総合 午後10:45~11:00ほか
社会人10年目を迎える、市役所職員の五十嵐頼人(綱啓永)。一寸先は大炎上のリスク社会で「失敗してはいけない」というプレッシャーを感じながら、堅実に安定第一の人生を送ってきた。そんな頼人の前に現れたのは“未来からやってきた五十嵐頼人”だと主張するオジサン(高橋克典)。オジサンの2054年仕込みの価値観と大胆な行動によって、今まで頼人自身がフタをしてきた、夢と仕事、友情と恋愛、結婚と家族といった人生の宿題が一気に“ブッかまされる”。恋人の筒井凜(久保史緒里)へのプロポーズ失敗で幕が開ける怒涛の毎日の中で、2054年の「未来」の価値観と2024年の「今」の価値観の衝突に揺さぶられながら、頼人は人生を生き抜くことができるのか……!?
「このままじゃ、あなたは自分の人生、失敗だったって思っちゃうんです。よく考えて。ターニングポイントは、今なんです」
作:大池容子、山田百次
音楽:睦月周平
主題歌:「消費期限」SEVENTEEN
出演:綱啓永、久保史緒里、高橋克典、佐野弘樹、東野絢香、岩男海史、野村麻純、紺野まひる、潤花、丈太郎、映美くらら、小倉優子、杉田かおる ほか
制作統括:村山峻平
プロデューサー:上田明子
演出:原英輔、田中正、川野秀昭、中村俊介、門脇弘樹