北海道の北部に位置するぶん島は、「花の浮島」と呼ばれています。春本番を迎える雄大な自然、一足早く宮本誠一郎リポーターが紹介します。

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4月、太陽の光が元気を増して、雪景色だった礼文島が春の兆しを見せ始めます。

ふもとの雪がとけると、そこからフキノトウ。この島のフキは「アキタブキ」と呼ばれ、本州のフキよりも大型で、フキノトウの直径は5センチにもなります。

雪どけが進むにしたがって、エゾエンゴサク、ザゼンソウ、ミズバショウ、エゾノ
リュウキンカなどが咲き始め、木の花ではバッコヤナギ、ハンノキなどが咲き始めます。

左上より時計回りに、アキタブキ、レブンコザクラ、エゾノリュウキンカ、エゾエンゴサク
エンレイソウ

しゅ湖の氷がとけ始めると渡り鳥の季節。大型のアオサギやダイサギをはじめ、マガモやヨシガモなどカモの仲間も多数渡ってきては久種湖でひと休みして、さらに北へと渡っていきます。

カワラヒワ
セイタカシギ 
礼文島・礼文岳を望む。麓の木々は芽吹き始めている。
宮本誠一郎(みやもと せいいちろう)

自然写真家。1992年に礼文島に移住。広大な自然のすばらしさを伝えている。「日本列島くらしのたより」に出演中。

(月刊『ラジオ深夜便』2021年4月号より)