フリーライターで大学非常勤講師の大迫知信さん(39歳)は、2度の大学生活を祖母の食事に支えられて過ごしました。中でも、2度目の大学から始まり、卒業後も作ってもらった“おばあ”のおにぎりは約7,000個。個性たっぷりのおにぎりには、どんな物語があるのでしょうか。
聞き手/中村宏 この記事は、月刊誌『ラジオ深夜便』2023年11月号(10/18発売)より抜粋して紹介しています。

仲良し名コンビのおばあと大迫さん。

食を支えてくれたおばあ

大迫 27歳のときに会社を辞めて大学の文芸表現学科に入り直しました。それで卒業後、ライターの仕事に就いたんです。

――在学中は大阪のおばあさんの家の近くに住んで、毎食お世話になったそうですね。

大迫 はい。晩ごはんは一人暮らしのおばあの家で食べて、朝と昼用に大きなおにぎりを一つずつ持たせてもらいました。本当に「おばあさまさま」ですよね。

――かなりインパクトのあるおにぎりですね。

大迫 初めは無骨な、普通のおにぎりだったんですよ。でかくてごまがまぶしてあるとか、さけが入っているとか。でも知り合いの農家から直接買ったお米を火力の強いガス釜でふっくら炊いているので、僕にはまねできないおいしさでした。

――なるほど。それがいつから大胆な“顔おにぎり”に?

大迫 たまたまハロウィーンの時期に、紫色のしそふりかけをこれでもかとかけたおにぎりを作ってくれたんです。それを僕がおもしろがって、SNSに「ゾンビののりや」ってアップしたら予想外にうけて。おばあに話したら、僕が楽しんでいると感じたようで、だんだんエスカレートしていったんです。

「キムチおにぎり」
キムチとごはんの組み合わせをリクエストしたら、なんとキムチが外側に……!「手がベタベタになりました」。

※この記事は 2023年7月15日放送「ありがとう、おばあめし 7000個のおにぎりの物語」を再構成したものです。

続きは月刊誌『ラジオ深夜便』11月号をご覧ください。

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