『ドーナツ』
作詞・作曲:朝倉さや、山本加津彦
編曲:山本加津彦
朝倉さやさん メッセージ
昨年、私の音楽の生みの親のような存在だったプロデューサーさんが他界されました。寂しくて、心に穴っぽこが空いたみたいな、言葉にならない感覚に陥ったとき、以前、SNSで「子どもがドーナツの穴を食べようとしていた」という投稿を見て、ドーナツの真ん中って"無い"じゃなくて"有る"んだな、でもそれに気付く前も後もドーナツはドーナツであり、んまい(おいしい)よなと感じたことを思い出しました。なんだかそのときの心境にすごくリンクしていることに気付き、そこからこの歌は生まれました。生きていたら必ず訪れてしまうお別れのどうしようもない感覚に、優しく寄り添える曲になっていたらいいなと思っています。
生まれ育った山形の言葉は、聞いたり話したりするだけでホッとするので、大切にしています。濁点が付いて強めな印象なのに、口にしてみるとあったかい、柔らかい気持ちになるんです。特に最後の♪ラララ〜の部分はいがったら一緒に歌ってみでけろな〜。
1992(平成4)年生まれ、山形県出身。小学2年生から本格的に民謡を習い始める。小・中学校時代に2度、民謡日本一に輝き、18歳で上京。動画サイト上で名曲を民謡調にアレンジすると同時に山形弁で歌唱したところ、再生回数が上昇。高い歌唱力と明るいキャラクターで話題となる。2020(令和2)年にメジャーデビュー。2022年には2枚組アルバム『Life Song』をリリース、全国ツアーを行い、日比谷音楽祭、フジロックフェスティバルにも出演した。いわゆる「イマドキの女の子」ながら、幼いころから培ってきた歌唱力と山形弁を通して日本の歌と文化を伝える稀有な存在。
取材・文/河上いつ子
(月刊誌『ラジオ深夜便 』2023年10月号より)
『ドーナツ』は、ラジオ深夜便の放送と、らじる★らじるの聴き逃しで聴くことができます。らじる★らじるの聴き逃しは、こちらから。
(10月から11月までの毎日、1時台「深夜便アーカイブス」の終盤で流れます)
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