私たちが毎日のように接する「メディア」。特にウェブサイトやSNSなどで飛び交う情報の中には、人々を熱狂させるものや、感動させるものがある一方、逆に人を傷つけたり、騙したりするものもあります。たとえ事実を伝える情報であったとしても、受け取る人の立場によっては全く別の伝わり方になることもあります。
そんな時に必要な力、メディア・リテラシーについて、子どもと一緒に楽しく学ぶきっかけになればと、NHK財団では「かるた」を開発しました。
(監修:日本大学文理学部 中橋雄教授)
あふれる情報の中を生きている私たちにとって、今や必須となっている「メディア・リテラシー」。その奥深い世界の入り口を「かるた」でご案内します。
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メディア・リテラシーって何のこと?
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これは、かるたの読み札「め」です。
ゲームのルールは普通のかるたと一緒ですが、ポイントは、絵札の裏面についている「解説」です。
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絵札をとったら、その裏の解説をみんなで一緒に読んで、メディア・リテラシーってこういうものかぁ、と考えながらゲームを進めます。
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推奨学年は小学校5年生以上。先生と、家族と、楽しみながらゆっくり遊んでください。
「メディア・リテラシー」とは、メディアがどういうものか分かったうえで、情報を読み解いたり、表現したり、どうなるとよいか考えて行動したりできる力のことです。
メディア・リテラシーを身につければ、望ましい社会の在り方を考えて行動できたり、偏見や差別の問題を解決できたり、メディアをもっと楽しいものにできたりします。
※「メディア」……情報を伝える手段のこと(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・ウェブサイト・SNSなど)
一緒に考える「かるた」です
「メディア・リテラシーかるた」は用語解説ではありません。「情報を受信・発信するときに気をつけることは?」「同じ情報でも、こんな見方もあるかもしれない」といったことを考えてもらう内容になっています。こんな札もあります。
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「銀メダルを獲得しました!」というニュース。「(表彰台に上がれて)嬉しい銀メダル」と伝えることも、「(金メダルに届かず)くやしい銀メダル」と伝えることもできます。
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「テストに合格しました!」と喜びを伝えるSNSの投稿ですが、これを見て「よかったね」と同じように喜んでくれる人もいれば、まだ合格できていなくて辛く感じる人もいるかもしれませんね。
これらのように、同じ出来事を伝える場合でも、多様な見方・伝え方がありますし、同じ内容を受け取っても人によって感じ方が違うこともあります。さらにうそや誤情報ではなく事実を伝える情報であったとしても、立場や見方が違うと全く別の伝わり方をすることもあります。
また「フェイクニュース」に代表される、うその情報や誤情報には、どれだけ調べても確かめようのないものもあります。
うそか本当か、正しいか正しくないか、と情報を判断しがちですが、正解が一つに決まらないことだってあるかもしれませんね。
かるたには、メディアを使う中で押さえておくべきポイントが満載です。ほかにも、「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」、広告、画像加工、統計的リテラシーなど、テーマは多岐にわたります。
一緒に楽しみながらメディアについて考えてみませんか?
「今すぐに遊びたい」「一度に複数セットを使って授業をしたい」という方は、次のリンクからダウンロードしてご利用ください。(絵札のダウンロード/読み札のダウンロード)
メディアを使いこなし、もっと楽しいものにする……そんなポジティブな「メディア・リテラシー」の輪が広がっていくことを願っています。
※メディア・リテラシーかるた2024年度の無料頒布を開始しました。NHK財団のお問い合わせフォームから、お申し込みください。
(NHK財団 古川紗帆)