4月1日より、NHKグループの4つの一般財団法人、NHKサービスセンター、NHKインターナショナル、NHKエンジニアリングシステム、NHK放送研修センターが合併して新たに、一般財団法人 NHK財団が発足。子法人の公益財団法人NHK交響楽団と一体となって、事業を進めていく。

財団統合にあたり、4月3日、NHK財団本部(東京・用賀)にて、「NHK財団発足式」を開催。

「NHK財団発足式」参加者での記念写真

NHK財団は、公共メディアNHKの財団として、NHKが培った多彩なコンテンツやノウハウを社会に還元し、今の時代に求められる社会貢献事業に取り組む。NHKの普及・発展に資する事業を行うとともに、NHKグループにおける社会貢献事業推進の中核として、国内外の文化の向上と社会の発展及び福祉の向上に寄与することを目指していく。

最初に、NHK財団理事長・黄木紀之がNHK財団の発足を宣言。

NHK財団理事長・黄木紀之

黄木「2023年4月1日、NHK財団が発足しました。分野の異なる4つの現場が一つになって、NHK業務で培った強みである、コンテンツ力、国際展開力、技術力、人材・育成、コミュニケーション力を結集し、NHKグループにおける社会貢献事業推進の中核として、統合するNHK交響楽団とともに、国内外の文化の向上、社会の発展、福祉の向上に寄与すべく、まい進することにより、NHKグループへの理解と信頼の強化に努めてまいります。以上、宣言いたします」

続いて、NHK会長・稲葉延雄、NHK理事・中嶋太一、NHK交響楽団理事長・今村啓一より祝辞をいただく。

NHK会長・稲葉延雄

稲葉「NHKグループの社会貢献事業の中核を担う組織としての位置付けが、くっきりと明確になりました。5つの財団が結集することで、それぞれの組織の専門性を活かしながら、より広い範囲で事業を展開することが可能になったと思います。合併の相乗効果を一層発揮して、これからの時代に対応した新しい公共的価値を生み出してほしいと思います。

私は、日本銀行に勤めていた際、放送法に接する機会がありました。放送法の第1条には、放送の目的として、放送の効用を国民にあまねく普及し、表現の自由を確保し、健全な民主主義の発達に資すると書かれていまして、このことに大変感銘を受けた記憶がございます。公共性の高いさまざまな社会貢献事業に取り組むNHK財団は、まさにこうした放送法に掲げられている理念を、より純粋な意味で体現する組織だと思います。NHKグループの豊かなコンテンツ、ノウハウを放送以外の形で、積極的に社会に還元していかれることに、これまで以上に力を発揮されることを大いに期待しています。

また世の中では、SDGs関連活動に力を入れている企業が多くあります。私は、NHK全体がSDGs活動をしていると感じておりますが、NHK財団の機能は、いってみればSDGs関連活動を放送を通じない形で提供する役割を持っていると思います。ぜひ力を尽くしていただきたいと思います」

NHK理事・中嶋太一

中嶋「NHKでは、番組の制作や取材などを通じて、社会に貢献する活動を行っていますが、いつももどかしく思っているのは、当事者の方を直接的に支援することがなかなかできないこと。そういう意味では、NHKが培ってきたコンテンツ制作力、技術力、国際展開、研修力などを凝縮した存在になるNHK財団が、直接当事者にアプローチすることができる存在になると思います。誰かのためになる社会貢献事業を進められることを、非常に期待しております」

NHK交響楽団理事長・今村啓一

今村「NHK財団とN響の間ではすでに、新しい教育プログラムの開発や、定期公演のパンフレットを一部共同で制作するなど、共に事業を進めております。こうしたプロジェクトをさらに進化させ、N響でしかお届けできない公演や活動を通じて、社会に貢献するオーケストラとしての活動を強化してまいります。社会に貢献することは、突き詰めて言えば、社会に必要とされる活動ではないかと思っております。NHKグループ全体がもっと社会から必要とされる存在となるよう、N響も尽力してまいります」


NHK財団では、「社会貢献」「広報・広聴」「国際」「技術」「研修」5つの事業をこれまで通り継続しながら、それぞれの強みを生かした新たな事業に積極的に取り組んでいく。

【社会貢献事業】
教育・地域振興・福祉・防災…次世代の未来を応援する社会貢献事業を行う。


【広報・広聴事業】
公共メディアにもっと触れて、役立てていただく…NHKコンテンツの広報活動を行う。

「おはよう日本」「ニュースウオッチ9」やドラマのポスター制作などを行う、宇田川職員


【国際事業】 
公共メディアNHKが培った経験や知識を生かし、世界の放送局への支援や国際交流に貢献する。

「ざわざわ森のがんこちゃん」の国際版制作などを行う、鈴木職員

【技術事業】
NHKの研究開発の成果を広く一般の利用に供し、その社会還元をはかることにより、技術の進歩発達、社会の発展に寄与する。

8Kや音声合成などの技術開発に携わる、今村職員

【研修事業】
 NHKが培ってきたスキルをお伝えし、メディアを担う皆様、スキルを必要とする方のステップアップをお手伝い。

発足式の司会を務めた滝島雅子アナウンサー(研修事業本部所属)


最後に、黄木理事長から、より広い範囲でレベルの高い社会貢献を目指す決意を新たにする言葉をもって、「NHK財団発足式」は幕を閉じた。

黄木「この2年間、NHKの受託事業で培った価値を組み合わせ、外部のパートナーと共に、社会貢献事業を進めるタネをまいてきました。自治体では、宮城県気仙沼市、高知県黒潮町、千葉県松戸市、東京都世田谷区、茨城県など。大学では流通経済大学、駒澤大学、成城大学、多摩美術大学、筑波大学など。企業では、損害保険、福祉機器、食品、流通、百貨店など。そして地域コミュニティでは、用賀の商店街やNGO、児童館、千葉県成田市の福祉施設、各地の在留外国人など、多くのパートナーとのつながりを深め、展開の可能性を広げています。今後も、公共メディアNHKの財団法人だからこそできる、レベルの高い社会貢献事業を目指して参ります」

NHK財団は、今後も引き続き、NHKグループ、外部パートナーと連携を行いながら、さまざまな社会貢献の実現を行っていきます。